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69についてのお話

こんにちは。身近な数字のアドバイザーのナカナカです。
今回は69(ロック)についてのお話です。

2022年から日本各地で頻発している強盗事件は、治安が良いとされてきた日本の印象を覆すものです。事件の全容は未だ解明されず、不安な日々を送っているのは私だけではないと思います。今回は、防犯の要となる「錠(ロック)」についてのお話です。

防犯アドバイザーという肩書の専門家が、「家の鍵を閉め忘れないように」「鍵は二重にすると安心」などと、防犯意識を高めるよう注意を促すことが多いこの頃ですが、玄関ドアについているものは錠(lock)、外出時に持ち歩きドアを開ける時に錠に差し込むものが鍵(key)で、これらを合わせて錠前というのが正しい名称です。

一般的な住宅の玄関にはシリンダー錠と呼ばれる錠前が付けられています。これは鍵穴に鍵を差し込んでシリンダーを回転させることにより、デットボルトと呼ばれる「かんぬき」を操作して施解錠するもので、扉の屋外側に付けられた鍵穴があるものがシリンダー、室内側に取り付けられ、鍵を使わずに施解錠するためのつまみをサムターンと呼びます。

シリンダーにもいくつかの種類があって、複雑な構造ほど防犯性能は高くなるものの、原則は1つの鍵が1つのシリンダーに適合するという構造です。では、鍵を持たない空き巣はどのように開錠するのでしょう?

針金やピッキングツールを使って鍵穴を操作して錠を開ける「ピッキング」が有名ですが、近年はシリンダー構造の複雑化や電子錠の普及でピッキングに時間がかかることを嫌って、工具を使って錠前を破壊する破壊開錠のほうが主流になりつつあるそうです。

扉のすき間から特殊な工具を差し入れたり、ドリルで扉に穴をあけたりしてサムターンを外側から回して解錠する「サムターン回し」も良く聞きますが、玄関ドアに設置されている郵便受けから器具や手を入れてサムターンを回して開錠することもできるそうですから、注意しなければなりません。

こうした空き巣や強盗の被害を防ぐために二重ロックが推奨されます。ただし、錠前の取り付け業者は慎重に選ぶ必要があるようです。

国民生活センターには、インターネットや電話帳等を見て依頼した鍵の修理や交換などの出張サービスで、説明された金額よりも高額な請求を受けたという相談が寄せられています。

例えば、「鍵開け5800円~」と広告表示している業者に鍵(注:錠前の意味)を開けてほしいと連絡したら、作業内容や料金の説明もなく、いきなり鍵を壊して別の場所に新しい鍵を取り付けたあげく15万円を請求されたという事例で、80代の女性は請求された金額を現金で支払ってしまったのですが、作業員の請求を拒否することは難しかっただろうと想像されます。

国民生活センターは、緊急事態なので慌てて契約してしまいがち、と理解を示した上で、1.作業内容と料金(鍵の代金、技術料、出張費、割増料金の有無等)をよく確認し、作業前に再度料金の確認をすること。2.作業時は、家族や周りの人に立ち会ってもらうこと、などの助言を加えたパンフレットを作成しています。請求額に納得できないなら「作業後であってもその場で料金を支払わず消費センター等に連絡すればクーリング・オフができる場合もある」とも記載されていますが、作業後に支払いを拒否するのは難易度が高いですね。

そもそもなぜ玄関錠が開かなくなるのでしょう?鍵穴にホコリや錆びが詰まって錠に鍵が入らない、鍵穴専用ではない潤滑油を注入してしまった、などのほか、経年劣化した鍵を強引にシリンダーに入れて回した結果、鍵が中で折れてしまうというトラブルも起こります。

日頃から錠前をメンテナンスし、家に入れないという緊急事態を招かないことや、インターネットの口コミ情報などを参考に安心できる修理業者を前もって探しておくなど、余裕がある時に備えておくことも防犯対策と言えるのではないでしょうか。

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