架空請求

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                       2019/04/19 第514号
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【 架空請求 】

こんにちは。暮らしのアドバイザーアズキっ子です。
今日は「架空請求」の話です。

国民生活センターのホームページの注目情報で、2月22日公表「たとえ桐花紋が入っていても架空請求ハガキは無視してください」との記載があるのを見つけました。桐花紋は豊臣秀吉が家紋として使っていたことは有名ですが、着物の羽織の紋になっていたり、500円玉のデザインに使われていたりしてよく目にする紋様です。また明治以降の日本国政府で広く使われている紋章ですので、政府関係のニュース番組の時にテレビでも見たことがあると思います。

国民生活センターによると、PIO-NETシステムに登録された架空請求の相談件数は2016年度が約8万3千件であったのが、2017年度は急増して約19万件、2018年度も約19万件にも上るそうです。国民生活センターはこれまでに何度も架空請求についての注意喚起を発表しています。架空請求ハガキには、「民事訴訟管理センター」「消費生活相談センター」「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」等と書かれていることもあり、公的機関から届いたのかと勘違いしてしまう人もいるかも知れませんが、ハガキに書かれている連絡先には連絡をしないで無視するようにと注意を促しています。昨年11月には、「地方裁判所管理局」からのハガキにも注意するよう発表がありました。今回は「地方裁判所管理局」を名乗り桐花紋も印刷されていたそうです。ハガキを受け取った人を惑わすためにここまでするのかと驚いてしまいました。手を変え品を変えて人を騙そうとしているのです。
2月28日には東京都消費生活総合センターも同様の注意情報を発表しています。

架空請求はハガキだけでなく封書やメールでも届きます。携帯電話に「未納料金が発生しています。本日中にご連絡なき場合は、法的手続きに移行します」などといった不審なメールが入ったことはありませんか。初めて受け取った時は、自分の携帯に何故そんなメールが入るのか。知り合いの誰かが自分の番号を教えたのではないかと思ってしまったことはありませんか。

架空請求に書かれている文章はいくつかのパターンがあるようですが、読み比べてみると共通する傾向があることが分かります。架空請求の文章は、まず「未納」があるとしてとして消費者の関心を引き、身に覚えがないのにと不安な気持ちにさせたり、もしかしたらと思わせたりします。最初に心に揺さぶりをかけているのです。そして、「民事訴訟」「訴状が提出されました」としてますます不安を煽るような言葉を並べてきます。その後、「裁判取り下げ等のご相談」として解決できる道があると思わせ、固定電話の問い合わせ先に連絡をするよう誘導しています。連絡がない場合は、「執行官立ち会い」「給料差押え」「動産・不動産の差押え」「強制的に履行」と脅して、電話しないと解決できない気持ちにさせているのです。

十数年前の話になりますが、実際に電話で話しをしてしまい払ってしまいそうになったことがあります。その時は警察に相談に行って事なきを得たのですが、警察の人からは相手はプロであり素人が話しをするのはとても危険なことだと言われた。会話を思い返してみると、支払い義務があるかのように言われ、法律用語を並べられ、身辺調査をする等の脅しを入れられ、早く終わらせたいという心理になっていました。あの頃はまだプリペイドカードや電子マネーも今のようには普及していなかったことも幸いでした。

架空請求だけでなく、オレオレ詐欺といった特殊詐欺にも注意が必要です。オレオレ詐欺も、「会社の金を使い込んだ」「女性を妊娠させた」などと最初に大変なことになったと言って心に揺さぶりをかけてきます。不審な電話はすぐ切りましょう。特殊詐欺は一本の電話から始まると言われていますが、電話は常時留守電にしておいたり、迷惑電話防止機器を付けたりの対策も良いでしょう。また、日頃から詐欺の手口を知っておくことが大切です。
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