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コロナ禍の中での孤独感・孤立感~人々のつながりに関する基礎調査より~

こんにちは。メンタルアドバイザーのにんじんです。

新緑の瑞々しい初夏になってきました。
柔らかな日差し、若葉が芽吹き、いろいろな花の咲くこの季節、明るく爽やかな季節のはずなのに、社会の流れから置いていかれたような孤立感、孤独感を深める人々が少なからずいます。

社会的孤立(social isolation)とは「家族やコミュニティとはほとんど接触がない」という客観的な状態をいいます。一方、人づきあいの欠如あるいは喪失による感情である孤独(loneliness)とは少しニュアンスが違います。しかし、社会的孤立の状態を深めた結果として、深い孤独に陥ってしまうことは往々にしてあります。

特に、コロナの影響を受け「働きたくても働けない」「住むところがない」などの生活上の困りごとや不安を抱えている場合、人は社会的に孤立しているという状態に陥りがちです。更に、人と人との距離をとりましょうと言われる状況では社会的孤立を生みやすい環境が作られがちと思われます。

先月、内閣官房孤独・孤立対策担当室から「人々のつながりに関する基礎調査」の調査結果が発表されました。この孤独や孤立の実態を把握するための調査は、2021年12月から2022年1月にかけて全国の16歳以上の男女2万人を対象に行われ、1万1867人(回答率59%)の回答結果です。

長引くコロナ禍の影響により孤独・孤立の問題が一層深刻化しているとして、今回行われた孤独・孤立の実態把握のための初めての全国調査でした。

それによると、孤独だと感じることがあるかとの問いに対しては、
 「しばしばある・常にある」 4.5%、
 「ときどきある」 14.5%、
 「たまにある」 17.4%、
 「ほとんどない」 38.9%、
 「決してない」 23.7%
の結果でした。
これを、年代別に見ると「しばしばある・常にある」と答えた人の割合が最も高かった年代は男女共に30代で、最も低かったのは70代でした。高齢者は孤独だと感じる人が多いのではと思っていた私には少し意外な結果でした。孤独・孤立は高齢者の問題と思われがちですが、コロナ禍において30代をはじめとした若い人たちの孤独感も深刻な問題で対策が急がれるものでした。

特に、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人には
  同居人がいない
  婚姻状況は、未婚、あるいは離別
  仕事については失業中
  相談相手がいない
  心身の健康状態がよくない
という社会的に孤立した傾向・状況が見られました。
   
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響として、人とのコミュニケーションにどのように変化があったかについては、人と会ってコミュニケーションをとることが減ったと回答した人の割合67.6%と社会的な孤立感が高まっていると思われます。

参考資料:
  「令和3年人々のつながりに関する基礎調査結果」(内閣官房)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_koritsu_taisaku/zittai_tyosa/tyosakekka_gaiyo.pdf

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