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人間関係で悩む経営者へのアドバイス

このブログは、ライブドアブログの過去記事を転載したものです。
あらかじめご了承ください。

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私は人間関係が崩壊した会社は確実に生き残れないと思っています。

企業同士がサービスを競い合い、お互いにしのぎを削り、生き残りをかけている時代。

生まれも育ちも異なる者が集まっているのが会社ですが、会社の存在意義や目的、理念の達成のために力を合わせ協力し合う姿勢がなければ成長も発展も成功もないと思います。

過去、経営不振の会社を引き継いだときに直面したのが職場の人間件関係の悪さでした。

スタッフ数は20名ほどで、女性の多い職場でしたが、派閥が存在し、一部にいがみ合っている職員がいたりで経営以前に人間関係の修復が最大の難関でした。

なるほどこれでは経営不振になるだろうと。

原因を外部に求め、仲間を思いやらない。
自分さえ良ければいい、損得が基準。

そんなつまらない価値観が蔓延していたのです。
大事なことを見失っていることすら気づかない人もいました。

派閥問題に嫌気がさして辞める人が現れるわけですが、悲しいことに「良い人と言われる人ほど辞めてしまう」といった状況が起こる。

やむなく新しい人を入れてもまた辞めていくという状況がしばらく続いてずいぶん頭を抱えました。

そこで人の配置を見直したり、同じ方向を向こうとしない人には辞めてもらう覚悟で望み、新規事業の立ち上げも同時並行で行い、経営を立て直したところで、ある程度メドが立った時点で後任にバトンを譲りましたが、つくづく思ったことは、人間関係の問題は一度こじれると修復はほぼ不可能ということを思い知らされたのです。


ちなみに介護労働実態調査では、やはりというか、離職理由の1位は人間関係であることがわかる。

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【離職理由】

1位:職場の人間関係に問題があったため(24.7%)
2位:法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため(23.3%)
3位:他に良い仕事・職場があったため(18.6%)
4位:収入が少なかったため(17.6%)
5位:自分の将来の見込みが立たなかったため(15.1%)
6位:新しい資格を取ったから(10.1%)
7位:結婚・出産・妊娠・育児のため(9.1%)

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これを見る限りでは、仕事内容への不満は離職理由の上位には該当せず、実際には職場の人間関係や雇用者側の体制への不満など、雇用管理を原因とする離職理由が最も多いという結果です。

他方、仕事を選んだ理由を見ると「思い」があって仕事を選んでいることがわかります。

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【介護の仕事を選んだ理由】

1位:働きがいのある仕事だと思ったから(54.0%)
2位:今後もニーズが高まる仕事だから(36.9%)
2位:資格・技能が活かせるから(36.9%)
4位:人や社会の役に立ちたいから(33.6%)
5位:お年寄りが好きだから(25.4%)
6位:介護の知識や技能が身につくから(25.1%)
7位:身近な人の介護の経験から(17.2%)
8位:生きがい・社会参加のため(16.4%)

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誰かの役に立ちたい、働きがいのある仕事をしたいと思って介護の門を叩いたものの、入った職場で人間関係の問題で辞めるとう流れ。

会社から見たらコストをかけて応募してくれた人を育てようとも、人間関係で貴重な人材を失う、こんなバカげたことは何がなんでも防ぎたいと思うのは、経営者なら当然だと思います。

これらの経験や業界常識を踏まえて、くらしケアでは良好な人間関係の維持に職員が全員で務めることを責務と定め、就業規則の服務規律にもハッキリと謳っています。

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第56条(服務の遵守事項)
1. 次の各号に掲げる服務事項は、会社の職場ルールの基本となる大事な約束事です。必ず遵守し、規律ある職場作りを実現してください。

 ー 中略 ー

(12) 派閥またはそれに準ずるグループ等を作ることを禁じます。

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服務規律ですから、守られないなら辞めてもらって構わないという姿勢で望んでいるということです。

入職時オリエンテーションでは、新入社員に企業理念を説明しますが、企業理念に掲げたミッション(使命)にはチームという言葉を用いて、和を重んずることや利他の精神、協力し合うことを伝えています。

それをみんなが理解して守ってくれるから良い職場が生まれ、良い人材が集まり、企業が成長し、自分自身に還元されてくと思うのです。

つまらない人間関係のトラブルで組織が崩壊することを防ぎたいし、会社に来ることが苦痛になるような職場には絶対にしたくない。

そう思っています。


自宅で靴を揃えられない人が他所でできないのと同じ理屈で、組織に属する仲間を大切にできない人がご利用者様に寄り添えるとは、私には到底、思えません。

時々、他の介護や医療、福祉分野の経営者から、職員間の人間関係に悩まされている話を聞くことがありますが、そんな時に話すことは、みんなで協力し合うという価値観を大切にする資質のある人を見極めて採用することが大事であること。そして派閥や人間関係で問題を起こすことは絶対に許さないという強い姿勢が必要ではないかと話しています。

なぜならその決意が結果的にステークホルダー(会社に関わる人。従業員、利用者、利害関係者)を守ることにつながるからです。

とりわけくらしケアのご利用者様は幼児から高齢者まで居ます。
安心して任せていただけるためには絶対に潰れない会社にしなくてはなりません。

そのために大切なことは良好な人間関係だと思います。


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