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別れの春・出会いの春~「気の合う人と出会えることは本当にラッキーなこと。」

最近読んだ本の中に、

「ムラ社会だった時代に比べ、いまは地域といっても、単に”偶然”その場に棲んでいる人たちの集合体、に過ぎない」

というような文章がありました。

そんな偶然の集合体の中で、「この人といると楽しい」という、気の合う人と出会えるということは、本当にラッキーなことなんだ、とも書いてありました。

その本は小学校の役割について書いてあったのですが(昔はムラ社会で、学校は地域に1つしかなく、そこにいる子どもたちはどこの誰なのか、みんなが情報共有できていたが、今はそうではない、という主旨でした)、大人の社会でも同じことが言えると思います。

くらしアトリエは現在、スタッフが10名以上在籍しています。いわば、偶然の集合体の中で、コンセプトに共感して集まってくれた同志、のような存在です。

特に中心で動いているスタッフは、偶然出会ったのにこんなにも思考のベクトルが似ているものか、と感動すら覚えるほど、見つめる方向が重なっているように思います。その状態を、よく「脳内フォルダが完全に同じ」という言葉で表現します。つまり、思考の引き出しが同じ場所にあるから、何かを考える時に同じ場所から答えを探しているわけです。そうすると、言葉や説明は最小限でよいことになり、仕事をするうえでとてもスムーズなのです。

もっともこれは、「落ち込むときはともに落ち込んでしまう」ということや「アイデアが単調になりがち」というデメリットもあるのですが…。


活動を通じて出会った人の中にも、「この人とこの人がつながってくれて本当に良かった…」と、関係ないのに嬉しくなってしまう関係性が多々あります。

例えば、雲南市掛合町の「うすの会」の中心メンバーのおふたり。おいしいお餅やジャム、お漬物を作っておられるのですが、こちらも中心となってものづくりをされているおふたりが、本当に仲良しで、よくもまあ雲南の山の中のちいさな集落に、こんなに気の合う2人が嫁に来たもんだよ、と感心するほどです。かけ合い漫才みたいにいつも大きな声で笑っておられて、この笑顔があるからこそ、山の長い長い冬を乗り切ることができるんじゃないか、と実感します。

他にも、「DOOR BOOKSTORE」の高橋さんとフランス菓子のお店「Vert.」門脇さんの出会い、「豆腐工房しろうさぎ」さんと「食の杜」との出会い、ミュージシャン・白築純さんと雲南市との出会い、などなど、人と人、人と地域の「出会い」は、お話をうかがうとびっくりするような偶然だったりして、人生って面白いなあ、とつくづく感じます。

島根ではよく「ご縁に感謝」という言葉を使いますが(島根の人が思うほど、他の地方の人は縁を意識していないと思います。縁に敏感な島根県民!)、ビジネスだけじゃなく、日常の人間関係においても、「偶然の集合体」のなかで自分とぴったり合う人に出会える、というのは、やっぱり縁だと思うのです。折しも入学・進学、就職など、新たな出会いが生まれる季節。その場所で出会った偶然を、どうぞ思いっきり楽しんでほしいなと思います。

4月からの3年目の「シマシマしまね」も、「島根」「学び」「楽しみ」といったキーワードのもと、さまざまな企画を立てていく予定です。そこからまた新たな「偶然の出会い」「ラッキーな出会い」がありますように。


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