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神奈川の名醸「川西屋酒造店」の美味し過ぎる試飲会

旧九月四日。台風一過の青空の下、二十四節気では【霜降】に入りました。

  つゆが陰気に結ばれて、
霜となりて降るゆえなり

  『暦便覧』天明八年(1788年)

秋の長雨続きで空を見上げることもありませんでしたが、背景が青くなれば木の花にも目が届きます。十月桜がちらほらと花を開きいつの間にか季節は進んでいることに気づきました。

台風接近の日曜日、神奈川県の秦野にある酒屋さん片倉商店で開催された『秋の利き酒会with川西屋酒造店』に行ってきました。

川西屋酒造店は神奈川県足柄郡山北町にある蔵。丹沢山系の優しい伏流水で仕込まれる「丹沢山」と「隆」がお馴染みのブランドです。「丹沢山」はタンクで1年以上の低温熟成をさせてから瓶詰めして出荷する定番酒。「隆」はタンクごとにスペックを変えた限定酒でブレンドせず瓶貯蔵したこだわりのブランド。

神奈川県の酒米・足柄若水をメインに、阿波山田錦・播州山田錦・備前雄町・信州美山錦・越後五百万石と各名産地で契約栽培された銘柄米を使用しています。といったことから、とても幅広い種類があるのですが、これほど見事に一同に会したところを見て、試飲する機会は初めてでした。片倉商店の片倉さん、川西屋酒造店の米山工場長の説明もわかりやすく、様々な温度に燗して試飲できるのも貴重な体験です。

お酒のアテも贅沢な品々が並びます。手作り蒟蒻の刺身と田楽。地元産の山菜や秋の味覚のむかごにぎんなん。〆には冬瓜と海老の煮物と、滋味豊かな秦野の味覚を堪能しました。

お酒の合間にいただく仕込み水も癒しです。

試飲会というと、とかく気の利いたコメントをしなければとか、飲み方を押し付けられるなど堅苦しい印象もありますが、この会はALL丹沢をまるごと味わおうというカジュアルな雰囲気。地元の皆さんとの交流も楽しく秦野愛が大きく膨らむイベントでした。

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