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おにく、食べたいね

噂の「お肉券」が頓挫しているというニュースを見た。

この未曽有の危機に国民を馬鹿にしているのかと世間は怒り心頭だったわけだが、その理由の一つにネーミングがあったのではないかと推察している。

たしか最初は酪農家を助けるための「和牛商品券」とか言われていたはずだが、いつからかニュースでは「お肉券」に変わっていた。この「お肉券」という名称が、「国民を馬鹿にしている」感を増したのは明白である。

「肉」でも「牛」でもなく「おにく」。

響きが可愛すぎるのだ。おにく。おにく。おにく。

日本語の中でもかなり可愛い響きの部類に入る気がする。対抗できるのは「ほっぺ」と「つんつるてん」くらいじゃなかろうか。

「お」を一文字足しただけなのに。スマホを落としただけなのに。

育ちの良さみたいなものが可愛さと関係してるんだろうか。

そもそも男はあまり言葉に「お」を付けることはない。女性は人によってはあるだろう。

肉、魚、野菜、洋服、家。

なんとなく、親が子どもに言っている雰囲気もある。

「おうち帰るよ」「おトイレいってらっしゃい」「またおねしょしたの?」

「おねしょ」なんて「寝小便」に「お」を付けてそのうえ略すという難易度の高さだ。「こたつ」に「お」を付けて略す「おこた」と同じテクニックだ。

ちなみに僕が女の子が言っていてなんとなく可愛いなと思う「お」の付く言葉は「おうどん」だ。程よい品の良さと謎のエロスを感じさせる。

そんな男に縁遠い「お」の付く言葉だが、我々むさ苦しいおじさんたちも必ず「お」を付ける言葉があるのを発見した。

もちろん「お手数」や「お世話」などのビジネス用語じゃない。

無論「おかき」「おなら」みたいな「お」を取ると意味が通じない言葉でもない。



それは



お湯。

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