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50年ぶりの再訪

小雨の週末、倉敷本通り商店街の老舗喫茶ウエダで過ごしていると、慎ましやかで小ぎれいな身なりの女性が入店してきました。女性はマダムに声をかけて「50年ぶりに来ました」と告げました。

話によれば、女性が中学生の頃、開店して間もない喫茶ウエダに家族とともによく訪れたといいます。事情は、わからないのですが、それから50年間離れることになったわけです。

「今でもモーニングはやってますか?」、と、モーニングセットを注文し、味わい終わると、「昔と変わらない、おいしいコーヒーでした」と礼を述べてお店を後にしました。

マダムは、お店の前の道路まで出て、自転車で去って行く女性に、「またいらして下さいね」、と声をかけて、頭を下げて礼をして見送りました。

店内には、今は亡きマスターが好きだった穏やかなジャズが流れていました。

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