谷𠮷孝之さんの備前焼

2019年11月10日、倉敷市鶴形の鶴形ビル1階にある「喫茶つるがた」で開催されていた、倉敷市児島出身の備前焼作家、谷𠮷孝之さんによる個展の最終日に行ってきました。画像は、そのとき気になった、高さ5.5cmのぐい飲みです。

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形も色も表面の質感も、まるでマスクメロンの様です。会場にいた谷𠮷さん本人に訊いてみたら、表面の質感は「かせ胡麻」と呼ばれる窯変のひとつだそうです。

焼き締めの時に、火が勢いよく通り抜ける場所にできるもので、灰が表面に流れるように付着してマスクメロンのネットのようなしわができ、その見た目から「メロン肌」と言うそうです。

窯の火の近くの狭い場所で過酷な環境にさらされるために、割れるものが多く、ほとんど市場に出回らないのだとか。そんな希少な器なのに、色も緑色で、まさにマスクメロンの化身です。これって、超絶珍品ではないでしょうか?そんな面白みに惹かれて、即購入しました。価格は、他のぐい飲みと同じでしたので、得をした気分でした。

会場では、高さは11.5cmの小さな花生けも気になりました。天空に向かって鳴いている「かえる」に見えたからです。

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この「かえる」は、備前焼の土を採る伊部の田んぼに住んでいる妖怪です。備前焼が始まった平安時代よりも、もっと前から、田んぼの土を護ってきた備前焼の守り神です。窯変の模様は、体に付いた田んぼの泥なのだ・・と、妄想が拡がります。そんな愛敬のある姿と、明るい妖気に惹かれて、私の守護神にと購入しました。


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