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解答を求める時代

人は発見は好きだけど、
探す(検索)作業はそこまで好きじゃない
検索エンジンは解答エンジンへ

アメリカで毎年開催される音楽•映画•インタラクティブ(テック)の世界最大フェスのSXSWのトークセッションで登壇したマーケティングコンサル会社NoGoodのCEOが語った内容。
Chat GPTやAlexaのように検索する必要がないことを解答エンジンと呼び、ChatGPTの人気の理由にとてもしっくりきました。

SXSW: The Future of Search - The Rise of Social Search Among GenZ

確かに私たちの生活は便利を求めて近道だらけに変わっています。
以前マッチングアプリをしていた友人が退会理由について
「すぐ出会える分、簡単に終わることが多い。
fast & easyな関係はもううんざりなんだよ」
と言っていたように、マッチングアプリだけでなく仕事でのオンラインミーティングやチャットなどコミュニケーションはfast & easyだらけ。
伝えたいことも相手への理解も「まいっか」になることもあります。

Chat GPTのような人間っぽい感覚を持つ高度なAIの事を「ジェネレーティブAI」または、「AGI(Artificial General Intelligence)」と呼びますが、fast & easy な社会に拍車をかけ、それが良いのか悪いのか。
fast & easyは今に始まった事でなく常に文明開花と共にあったし、私はAIが悪だとは思いません。

ドイツ発 AI搭載翻訳ツール DeepL

例えば私の場合、AI搭載翻訳ツールのDeepLにはかなり助けられています。
英語の記事やセミナーで全体的に理解しても日本語に上手く言語化出来ない時にDeepLはなかなか優秀な翻訳をしてくれます。
英語書籍の翻訳をされている方とお話する機会があったので、プロはDeepLをどう見るか聞いてみたところ、100%正確ではないけど概要をすぐ掴みたいときに利用することがあると話していて、精度が確認できたことへの安堵と、正しいか正しくないか判断をする添削能力がDeepLだけでなくAIを技術を使う際は必要だと改めて実感しました。

世間ではAIに解答を頼りすぎる事で自分で問題解決する能力が衰えると危惧されており、確かに実体験で言うとDeepLを使わずに自分で英語のフレーズを調べていた時はTOEICのスコアが900点越えをし、反対にDeepL最高ー!な状態で大活用してた時は点数が下がりました。
ただ、聞き取った内容をDeepLに打ち込んで翻訳していたので耳が研ぎ澄まされリスニングは満点を取ったので学習の仕方で能力は上がることを身をもって体験。

調べても調べても有益な情報が出てこないこともあれば、社内に展開した資料の閲覧数が少ないとため息をつくこともあり、調べる作業はやっぱりしんどいです。
けど、2日かけて資料読んだけど面白かったよ!って言ってもらえたり、あれだけの情報を集めたのはすごいって褒められると、リサーチに時間をかけた事への価値を感じる事ができ、また、レベルアップした自分を誇らしく思えるのです。
ちなみにDeepL愛を語りましたが、まるっと全部コピペして使わない事が多く、自分をねじ込む形で表現を変えています。
そこは翻訳家でなくとも、プライドというか、AIに全てを任せた仕事は自分が存在してなく、自分の作品や仕事と感じられないからでしょう。

最後に私が大好きな写真家のライアン・マッギンレーがパーソンズ美術大学の卒業式に行った素晴らしいスピーチで締めたいと思います。

"Remember,
It’s Romantic as Hell What We Do."
「覚えておいて下さい。
私達の仕事は、死ぬほど苦しいものです。
しかし、だからこそとてつもなくロマンティックなのです」
Ryan McGinley

Photo: Ryan McGinley

※ライアン・マッギンレーのスピーチ日本語訳:vice japan

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