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建具ひとつ、奥が深い

まあまあな沼でした。
お手洗いの建具選び。
スタートから着地まで、ザザーッと公開!

まず、「内開きだと動きにくいので、外開きがよいと思います。引戸は引き残し寸法を考えると難しそうです。」と石井さんより。
片開きに決定!
そして、吊り元は「左」です。

大きな選択肢は3つ!

造作扉/中古扉/既成扉
「空間を作る際の扉の選択はざっくりと3つあると考えています。」と石井さん。

それぞれの特徴を建築家 石井さんが教えてくれました。

・造作扉
空間に自在に合わせることができるのがよいところです。
近年、造作扉を嫌がる工務店も多いのが実情です。
反りや不具合が出やすい部分で、クレームの対象になることが多いからと思われます。
「建具をつくらない建具屋さん」が結構あるので、作ってくれる建具屋さんを探すのは大変かもしれません。

・中古扉
アンティークの扉など、近年一般的に購入しやすくなり、安いものも多く、世間的にも事例が増えてきました。
建具に合わせて扉の枠をつくることになるので、壁からつくるタイミングでなければ、実施に手間がかかります。
探すことが楽しみでもあり、手間でもあります。
また、建具の設置については、工夫や手間が若干生じます。

・既成扉
メーカーがつくる建具もこれに含まれます。
クオリティは間違いなく一番安定しています。
良くも悪くも「既製品」としての存在感が強く、これがあるだけで「新築住宅感」が出ます。倉庫のリノベーションという空間の中では、おそらく異質な存在になります。
空間づくりの現場をたくさん見てきた立場としては、既成建具があると「クオリティのない現場なんだな」という風に感じられてしまうこともあります。
そういう点も含めて「あえて選んでいるんだ」「徹底的に減額のためなんだ」「合理的に考えてます」という意思が明確に見える選択がオススメです。派手なものもよいと思います。

建具の存在感は結構あるのでしっかりと前段部分から選ぶのが良いと思い、長々と書いてしまいました。

なんとも分かりやすい!感動です、石井さん。

既成扉を考える

せっかくの「倉庫」なのに、「住宅」っぽくなってしまうのはもったいないなあと思ったのですが、購入前に実物を見られるという点で、既成扉を見てみることに。

既成扉を超検索た結果、1番 気になったのはLIXILのラシッサDパレット(LAA) ピンクアッシュでした。
https://item.rakuten.co.jp/kenzaih/lp1an-laa/

絶対欲しい!というわけではないけど、「ソフトモーション」っていう、バタン!ってならないのも良いなと思って。
早速、LIXILさんのショールームへ行ったのですが…
実物を見たら「新築住宅感」ってこういうことか…っていうのがわかり。
アンティークの扉や建具屋さんに作ってもらうのが叶わなかった時の選択にしようと思いました。

アンティークの扉をググる、ググる

これも「うーん」でした。
ドアだけ急にアンティーク!っていう個性が強すぎて。
フローリングや壁に古材とか使っていたら合うのかもしれないですけど。
さらに、サイズの問題や、やたら重たそうだったり。
「味があってかっこいい!」っていうものは高額だったりして。
そして、大きいものなので送料もけっこう高い。
検索の際の絞り込みの難しさもあり、ギブアップ。

いよいよ造作扉を検討

石井さんがおすすめしてくれたのは、コチラ↓
https://www.r-toolbox.jp/product/2421/

そんなに高額でもないし「アリ!」って思ったのですが、せっかくなら地元の建具屋さんをあたってみようと思い立ち。
なんせイマイチ実物のイメージが湧いておらず。
地元の建具屋さんならサンプルとか見せてもらえたりするのかな〜と。
建具屋さんって検索するの大変ですね…

そもそも田舎には建具屋さんって少なくて。
さらに、ホームページがあるとこはもっと少ない。
サイトがあっても、玄関扉や窓がメイン。
「既製品を取り付けます」ぐらいの感じで、石井さんに聞いていた通り、建具そのものを造作してくれそうなところが見つからず。
次に、電話作戦。
足を運べそうな範囲の建具屋さんにかたっぱしから電話したけど、電話に出ない…、話が全く噛み合わない…などなど。
諦めかけた時、ようやくお願いできるところを見つけまして。
地元の建具屋さんに作ってもらえることになりました。

明かり窓は無しに決定

中の電気がついているかわかる、上の方に付いている小さい丸い窓です。
そもそもうちにはそんなに大人数が来るわけではないので使用中かどうかはわかりそうだし、ドアノブのところに鍵で青(空いてるよ)と赤(入ってます)ってわかれば良いかな、ということで明かり窓はいらないかな、と。

色を決める

LIXILのアッシュピンクを見た時に、ドアもピンクにしたいと思ってしまい。
先にお手洗いの外側の壁をピンクに塗装してあったので、その色より薄めに、壁→強、ドア→弱と、少し差をつけたいな、と。
同じ色のピンクだとメリハリがつかないこと、ドアの方が色が強いと「どこでもドア」感…
実物を見ないと決められないので、ホームセンターをウロウロしていたら木目が透けるピンクを見つけました。
VATONのベイビーピンクに決定!

20210526_トイレの壁、ピンクのサンプル_トリミング

https://joyfulhonda.jp/category/0004/1089676.html

素材が決まる

色を建築家の石井さんに報告したら「シナフラッシュの方が良さそうです」と。
ラワンよりシナの方が高額だったので、石井さんに質問してみました。
見た目は塗装しちゃうので良いとして、シナの方が丈夫のかな?価格差はなんでだろうと思って。

回答はコチラ↓
「丈夫さは変わらないと思います。ラワンの方が色が濃く、若干表情が強いです。色ムラも結構あります。今回、木目を生かす塗装ということだったので、シナの方がより凹凸が少なく、木目も綺麗に出るので」
納得しました!
実物を見て比較しなくとも、石井さんのこの回答でシナに決めました。

サイズを決めて発注!

横幅、高さ、厚みを決めて発注というとこまでこぎつけたら…
その段階で、もう一つアドバイスをもらいました。
「もし建具屋さんが作ってくれるようでしたら、グラスウール充填してほしいと伝えてみてもよいと思います。壁と同じ話です。できなければなしで問題ないですが、一応。」
消音効果を狙って断熱材をドアにも入れてもらうことに!

先に決めていたレバーハンドルを建具屋さんに託したら「どの高さに付けますか?」と。
ハンドルをつける高さは考えていなかった!(こだわりのレバーハンドルは次のページで紹介します)
建具屋さんから「一般的には900mmくらいかな」って言われたので、お任せしました。
断熱材を入れてもらっても、800円~1000円差ということなのでお願いしました!

20210605_トイレのドア

水色のやつはスタイロフォームっていう断熱材。「入れたよ」って証拠写真を送ってくれました。こういうの、安心できます。

蝶番

取り付けは水内さんにお願いしてあるので、建具屋さんから「枠もドアもどっちも掘る?開口部どんくらいあるの?蝶番どんなのつける?」って聞かれて。
開口部をはかったら702か703mmくらいで。「うちが700ピッタリで作ったら開かなくねえか」と言われました。

よくわからなくて水内さんに回答を教えてもらいました。
「蝶番は“ちょうつがい”。枠もドアもどちらも掘る予定なので700ジャストでも開くと思いますが、一応2mm削って698にしてください。建具屋さんからしたら心配だと思いますが、最終的にはこちらでカンナ盤で削って調整もできます。」って。
「2mmでいいのか?」って5回ぐらい言われたので、「2mmでー」って3回ぐらい言ってみました。

トイレのドア_塗装前

出来上がった扉を見た石井さんからも水内さんからも「塗装するのもったいないですね」って言われたのですが、塗っちゃいましたー!

画像5

塗装は外側だけなので、養生が必要。

完成はコチラ!

トイレのドア_完成

お願いした建具屋さん

森田木芸さん


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