美術検定1級という試験を受けた。この試験では小論文が課される。今年のテーマは「公教育で美術教育を⾏う意義と課題」だった。すぐに思いつくのは「美術の自由と公教育の制約との対立」などの構図であるが、少々安易すぎる印象があり、また、地に足の着いた記述も難しくなるように思われたので、あえて教育の観点に着目してトピックを拾うことにした。まずは「多文化社会」というキーワードが思いついたので、これを手掛かりに美術教育領域における最近の話題をいくつか見つけ、これを主題に据えた。公教育の文脈から美術教育の文脈へと誘導するための入り口として「シティズンシップ教育」を取り上げ、課題とその解決策のところで再びシティズンシップを引き合いに出してまとめた。筆を執った時点では「美術教育とは何ぞや」というところで多少の持論を書こうとしていたのだけれども、こういうことを長々書いていると字数を消費してもったいないので、すべて削除した。読み返してみると粗が目立つが、幸いなことに合格ラインには達していたようである(!)。提出した文章は以下の通り。
ともかく、これでアートナビゲーター(美術検定1級取得者のこと)を名乗ることができるようになった。ちょっとかっこいい。そして、驚くべきことに一発合格である。これは実はかなり嬉しい。自分自身が美術に親しむだけではなく、より広い社会的視野をもって美術と関わるよう、背中を押されているような気がしてくる。何より、上記の小論文のテーマ自体がそういうニュアンスを孕んでいるのではないか。
この小論文の内容は、現状では全く詰めが甘いので、折を見て深めたいと思う。ツッコミどころがあればご指摘ください。何かしら興味を持ってくださる方がいたら是非ディスカッションしましょう。
追記
得点は83/100でした(合格基準は70/100)。