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はじめての!海外渡航!

生まれて四半世紀が経った。医学生をやりながら、博士号まで取った。日々所用で全国各地を転々とし、年間の新幹線乗車回数は50を超える。そんな私であるが、なぜか海外に出かけたことは一度もない。「海外旅行なんてブルジョワ!」みたいな気分で生まれ育った。さすがに博士課程のうちに国際学会の一つや二つ経験するだろうと思っていたが、あいにくコロナ禍と被ってしまった。

多少はお金も溜まってきて、そろそろ海外に行ってみたい。しかし海外旅行の暇はない。そんな折、臨床実習を海外でやるチャンスが訪れた。これ幸いと申し込んだ留学先はインドネシア。疾病構成や医療環境の違いをみるのには欧州米国に出かけるより余程楽しそうだ。しかし後から落ち着いて考えてみると、なかなかチャレンジングなことをしている。一度も海外を経験したことのない人間が、ひとりで四週間、英語圏ですらないところに放り出され、しかも旅行などではなく、しっかり実習をやるのであるから!とはいえ、病院施設のある名門国立大学に身柄を預かってもらうのであるから、下手な旅行よりよっぽど安心かもしれない。

これを書いているのは渡航前日である。パスポート、ビザ、海外旅行保険、航空券、Wi-Fiルータだけは用意してある。先方のドミトリーも契約した。念のため一通りコピーを取っておきたい。思い返せばパスポート申請も慌ただしく済ませたもので、自分の敬称欄を「Dr.」にするのを忘れて「Mr.」にしてしまった。せっかくDr. Aikyoと呼んでもらえるチャンスだったのに!笑

しかしスーツケースなんてものは持っていない。最小限の衣服と日用品をリュックサックに詰め込もう。向こうはvery humidらしいからエアリズムの下着を揃えていこう。服装はジャケパンスタイルに統一して、シャツとパンツを3セットくらい持っていれば十分かな。雨の降る時期なら靴の予備はあったほうがいい。もちろん折り畳み傘も。日用品はシェーバーと爪切りがあれば足りるだろうか。スペースに余裕があれば洗顔道具も入れたい。白衣と聴診器も忘れちゃいけない。

そうだ、教材もいる。内科と小児科をまわるから、MGHとハリソンのマニュアル、ハリエット・レーンを持っておく。日本語が恋しくなったときのために新臨床内科学も。あとはインドネシア語の教材も忍ばせておこう。これは往路の洋上で頑張って覚える。パソコン、スマートフォン、Kindle、モバイルバッテリー、このあたりの必要性は言うまでもない。変換プラグは用意した。変圧器も要るんじゃないかと思っていたが、最近のAC-DC充電器はだいたい240Vまで対応しているらしい。グローバル時代だね。すべてビジネスバッグで間に合う。

実は最近の多忙のせいでストレスが溜まって口内炎と結膜下出血に悩まされている。ビタミン剤は必須だ。腹は据わっているので胃を壊すことは滅多にないのだが、正露丸くらいは持っておこう。風邪薬も持って来いと言われている。腸チフスワクチンは打ち損ねた。水には気を付けよう。健康管理も要点をおさえることが大事。

さて、目の前の仕事のケリがついたら、ドラッグストアに立ち寄って不足分を買い揃え、大阪に前乗りする。明日の渡航は関空発、クアラルンプール経由、スラバヤ行き。なんで今こんな記事を書いたかって?自分のタスクリスト代わりである!いかんせん旅慣れしているせいで緊張感が足りない。それでかえってこんなに慌ただしいことになっているのだ!


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