僕ヤバ@Karte15までのメタ視点

前置き

構成から市川の立ち位置を考察します。
機械的な観点で無神経なので正直抵抗感が拭えないのですが、創作者的な観点の中で得る糧があるのだと思っています。
基本的には既にでている内容に対して後から解釈を加えたもので、違う、で一蹴されるべき記事です。

キャラクターを生きているものとして描いている・読んでいる(そしておそらくそう)方々からすれば打ち首ものです。

僕ヤバの構成が美しくて素晴らしい、というのを別の書き口で書いているだけの内容です。
戯論程度にお楽しみください。

気にされない方は下記にどうぞ。






市川はなぜ大人なのか

Karte15において山田を"僕らより大人"と評する市川。
どうしてこんな事を彼が言えるのか。
他人の人間性を賛美する13か14の彼だって大人なのに。

僕ヤバにおけるこんな市川を配役からアプローチします。

僕の心のヤバいやつ

僕ヤバはロロッロ!のイチカのエピソードから生まれています。

男子から見た女子は魅力的に見えるんじゃないか

これがテーマの一つに盛り込まれているものです。となると。

市川の配役

逆説的に、市川という少年は女子の魅力に気が付ける人物でなくてはならない

ということになります。
山田杏奈という、魅力の宝箱みたいな女子良さを余さず見つけられるほどに

故に彼はヤバいやつ

僕ヤバは市川が山田に接点がない時点から開始される。
遠巻きに見た、影響を与えるような与えないような距離から。

はじめの市川は混じりっけのない山田をその目に映すところから読者に叩きつけてくる
そこからじっっと見つめていたのが彼のスタート時点。

この始まりだから、胸の内は分からず真偽は定かではないにしろ、無色である山田を読者は知ることができている

プロローグの終わり

山田が市川を気にしだす。
市川を見る山田の良さ、別に恋仲でもなく、友達とも言えない距離の女子との触れ合い。

市川は山田の目に映ることで、読者に影響し合う山田を伝え始める
山田の中に市川が住み着き、少しだけ色付く世界。
ちょっとドキドキするような、そうでないような関わりを。

Karte13,14

夏服の終わりから、市川が山田に接近する。
直接接触(肌に触れる)もこの頃で、市川の役割が外野ではなく、山田の懐に入り込んだ視点に変わりつつある。
だから市川は、山田に積極的に踏み込む"好き"をここで自覚する。

Karte15

そして市川は。
配役の中で山田の魅力を賛美する。

山田は やっぱり僕らより少し大人なんだ

市川はその瑞々しい心で、読者に山田の美しさの本質を叩きつける
Karte15は市川が読者を殺しにきた最大の見せ場。

Karte15の終わりとは

市川はずっと見てきた
この見るという市川のフェーズの最後に出した結論が山田の内面というのが、市川が一巻において与えられた配役の中で最高の見せ場であった。

そして、最後に市川はティッシュを山田に渡す。
バレバレな気遣いと勘違いでKarte15は幕を閉じ、山田は市川の好意を察知する。

つまりだ

市川はあくまで山田の魅力を伝える人物である、ということ。
市川は山田の変な所を読者に突き付けてくる。
ミスリードさえしてくる。

でも、そういった問いかけを投げつけてくる生きた視点としてKarte15までの市川が存在する。

市川がカッコいいのは、そういった山田の魅力を伝えるため。読者に問いかけるため。

だからきっと市川は僕ヤバで誰よりも山田を尊重する大人でなくてはならないんでしょう。

補足

Karte16以降は見に徹するフェーズは終わっている(Karte21は市川の介入しない女子の日常だから入っていかない)。
自転車を漕ぎだすのもソレ。
最早山田と市川は相互に影響を与えざるを得ず、その影響をありありと映し出す。

Karte30における幕もその集大成。

Karte31以降の市川の役割の分析はKarte45の頃にでも。
ただ、今後の展開は市川の身長が伸びたことで、なんとなく見えてくるものがあるのだと思っています。

しりとしり あわせたふたり おしりあい。

最後に

これだけは言わせて欲しいんですけど。
見透かすような意図ではありません。
あくまでくらもりはそう見たい、というだけです。
決めつけじゃないので、実際どんな展開でも楽しめるし楽しむし間違いなく楽しい。

加えてくらもりは市川が大好きで視界に入り込むだけでもう心臓一番搾りでオキシトシンがドポドポ溢れるくらい大好きですよ(大好きが被ってしまった)。
大体市川が大好きすぎて考察始めたクチですしおすし。
Karte15なんて掛け値なしに感動したものです。

創作の意図というのは凄まじく繊細で、描いた人にしか理解できないものなので、これはあくまで感想の枠を出ません。

と言いつつも市川がメタ視点で見てもあまりにビッチリと山田というピースにハマった美しい形(逆もまた然り)であったために、書かずにはいられず……。
というだけなのです。

僕ヤバはマジで凄い……読んでくれ……。
読んでくれ〜〜〜好きなんだ〜〜〜〜!!

今回の報告は、以上です。

好きなことを好きな時に書く!それがストレスを溜めないライフスタイルなんだよ