#僕ヤバ:Karte35考察
ネタバレするだけの空間
☆ ☆ ☆
桜井のりお先生のつぶやきはこちら!
市川と山田。山田と小林。
少しずつ違う時間の流れ。
僕は勉強を教える
さて、いきなり本題。
だけど市川が連立方程式を教える相手は山田ではなくて小林。
市川は緊張の汗を垂らしながらも丁寧に教えているようだ。
なるほど~と、嬉しそうにノートに向かう小林と、白目をむく市川。
妙に不満げな山田の構図。
山田は小林にべったりなのだけど、視線の先はどうにも市川。
市川が甲斐甲斐しく山田に勉強を教えたことはなく、この状況が不満と言えば不満だろう。
Karte31同様に、また先を越されている山田がいる。
【捕:連立方程式】
連立方程式は文部科学省により、中学校の学習指導要領により理解し、それらを用いる能力を養うことが必要とされている。
僕ヤバは中学二年生の話である。
全く関係ない話なのだが、小林と山田は装いが違う。
リボンをしっかり締めて、白いソックスだ。
実をいうとスカートも長い。まだ一番子供なのに。
小林は真面目系。
どうしてこうなった
今回、回想への入り方のコマ割りが面白かったりする。
黒枠に転じるのはいつものパターンだけど、本棚やドミノ倒しのような、あるいは考えの時に出る思案の吹き出しや三点リーダのようでもある形が独特。
たぶん意味は無いのだが、この演出はおしゃれだと思う(矩形も作品によく馴染む)。
平均超えたー
平均というか、真ん中は50位くらい
ハードル低い。
ちなみに山田の順位は期末試験46位だ。
学年は100人なので、まさしく平均を超えた程度。
市川と一緒にいるための口実が、こんなところで実を結んでいたりする。
学力が高い萌子からすればハードル低いと思うが、山田は働いているから同列では語れないだろう。
山田さんは最近ちゃんとやっている。
当たり前のことで褒められていいな。
小林ちひろ、悲しい嫉妬である。
山田に皮肉を送っておきながら、この反応では平均以下だろう。
この人Karte24で市川に『真面目バカかよ……』とか言ってましたよね。
なんと本人に真面目バカブーメランが返ってくるなんて、誰が予想したでしょう。
追撃の手を緩めない現役モデル中学生
はっきり言っておくと、これは山田がエライのだ。
いい気になって小林を追い詰めていき、墓穴をガンガン掘っていく。
しかし小林のふにゃふにゃの吹き出しめちゃくちゃかわいくないですか?
もうめちゃくちゃかわいくないですか?可愛い可愛い。
あ、山田さんのドヤ顔もレアで可愛いんじゃないですか。嫌味な感じが無くて普通に可愛いのズルいと思います。
進研ゼミでも始めたの!?
得意になって図書室勉強を教えてしまう山田。
お前、動機は市川と会うためじゃん。言ったら折角のプレイベートタイムが……。
そういう所があるからクソデカアホ女っていわれるんですよ。
ズルいぞ
ズルくはないんだが。
と言っても女子同士でコミュニケーション取り合うのも立派な中学生の仕事だろう。こういう所で個人の利益を上げることは云々。
まあ、小林だからそんなわけで言ったのでもなく、私に隠れて勉強するなんて学力が開いて当然だからズルいってことだろう。
同じ程度の学力だと思ってたら、ある日突然裏切られる。そういうのはナシで行こうということか(言ってない)。
なんで言うんだよ
なんだかんだで市川にとっても大切な時間だったのだ。
市川と山田はなんの関係にもなっていない。
ツイヤバで友達と言及されたのは時系列が非常に曖昧で、そのワードが出てくるのはKarte39だ。
実の所、この時点の二人は非常に危うい関係で、面と向かってコミュニケーションを取る理由がないのだ。
ちょっとしたきっかけで切れてしまうような細い繋がり。
二人っきりなんてなおさらのこと。
それを思えば、こんな言葉の一つも出るだろう。
でも私は
さて、このトークラインは桜井のりお先生お得意の勘違いネタだ。
山田は『市川に教えてもらう』のがズルい。
小林は『勉強を教えてもらう』のがズルい。
一人でやってたのに、他人の手を借りるのなんてズルいの路線を残しつつ、市川との関係に言及がされるあたり絶妙に上手い。
小林のアンサーは『じゃあ教われば』。
鉄壁小林、なぜわざわざ恋のキューピット役みたいな事をしてしまうんだろう。山田に寄る虫を追っ払っておきながら。
Karte6では山田に市川を気付かせてしまったし、Karte9では市川に山田からのご褒美させちゃうし、秋田書店でもキレさせて結果的に二人きりにさせちゃって両片思いにさせちゃう。
今回も二人の距離を縮めることにしっかり貢献してしまうわけで。
市川と山田にだけ都合のいい女、小林ちひろ。
全てがつまびらかに明らかになった時、どんな顔をするんだろうか。
少し切なくなる。
と、ここまで考えて、足立にも普通に話させていたことを思い出す。結局足立がおっぱい語りを始めたところで足蹴にはしたが、アレは山田が不愉快に思ったからだ。
つまり小林は、山田から市川と一緒にいることへの不愉快さを感じ取っていないのだ。
気付かないけど、そういう二人の淡い関係を『結構笑うよね』のコマで感じ取ってはいそうではある。
あの小林は、なんだか不思議そうなのだ。
なんで怒ってんの?
山田エスパー小林。
山田が怒っていることはわかるのだが、その理由がわからない。
恋をしてない小林だから、嫉妬とか独占欲とかそのあたりの感情はないのだろう。
だから山田と市川との見えない関係がわからなくて、直接ごとの勉強だけを見て"はは〜ん"になっていく。非常にかわいい。
ちなみに山田は訂正しない。
市川には内緒で、小林にも内緒だ。
次のテストは山田に勝つ!!
無邪気にそう宣言する小林。
まさか自分が恋仲に挟まっているとはつゆとも思っていないのがよくわかる。
あと山田より低かった。真面目バカだった。もうおしまいだ。市川にもバレた。
ハードルくっそ低いな
中学生の二学期末のテストは11月末頃だ。
この話の直後にあたるものと思われる。
平均はハードル低い認識は萌子と同じ。
まあ市川と萌子は順位も近くて学年トップ層なので概ねそんな認識だろう。
ツイヤバからすれば市川にとって7位は普通のことなので、こういう非常に厳しい評価が出てくるのだろう。
単純に山田をクソデカアホ女だと思ってる節もあるけど(風邪回の塩対応で、バカは風邪ひかないと言わんばかりだ)。
まあ前田先生に釣られていたし、認識が改まる機会もない。残念当然 だが無念。
市川くん 意外と教えるの上手いね
市川が教えているのは数学だからということと、情報処理部だから『理系?』が来るわけなのだけど、市川は文系。
学年上位だから割とオールマイティということになる。
全然関係ないけど教えるのが上手いやつは頭がいいとも言われている。市川は頭がいいだけじゃなくて、キチンと論理立てて教えられるのだろう。
感覚派じゃないことがこういうところからも読み取れる。
さて、ここでの『意外と』はKarte24の化学のバカアピールのことなのか、コミュ症でぜんぜん喋れないことに関する軽いディスに起因するかはわからない。
……なんとなく、この話の流れからして後者な気がする。
なんで知ってるの?
小林には話していない。
それもKarte16に山田に言ったくらいなので知っているはずがない情報だ。
なので、当然ここで話したやつは山田だ。
特に口止めもしてないのだろう。
あっさり教えてしまい、山田が赤面する。
実は市川の話をしてます、なんてバレたら恥ずかしいのでまあ仕方ない。
最近 結構
扉絵はこの最近結構の場面ではなかろうか。
最近。
Karte30が頭の片隅を通り過ぎるワード。
要は好きに気づいた頃からどんどん増えてしまったのだろう。まあ、Karte16からでも全然違和感ないけど。山田だしな。
このコマは市川と山田、どちらも硬直している。
思いがけず話をしていることが露呈してしまったために、固まって市川が特別なわけじゃないとアピールしてしまう山田。
とっさのことに対応できない姿が、いつものグイグイ行く山田とまるっきり違う。
さらっと流されているが、ここで挙げられているメンバーはおそらく芸能界やモデル関連だ。
要はいつもの学校メンバーとは違う人の話をしているということだろう。
Karte34のみく、Karte15の諏訪さんのほか、なーなやミカちゃんなどもいるらしい。
(右下の一枚はみく・山田・ミカだろうか……なーなかもしれないが)
怖い
哀しいくらい筋金入り。
好きな子に陰口を言われていたらという想像が真っ先に浮かんでしまうの、あんまりにあんまりだ。
自分が見ている自分はよく見ているばっかりに、キモイとかそういう負の自画像が頭を支配してしまうんだろう。
山田、早く市川を幸せにしてやってくれよ。
こればっかりは。
山田 毎日図書室いて邪魔じゃない?
友達として、友達が迷惑をかけてないか気遣う小林。
そんなことないと口では言ってやる市川。気遣い。
ちょっとした掛け合いなんだけど、小林が市川を邪険にしてるのではなくて、クラスメイトとしてお話している感が快い。
山田エピソード
わざわざ山田の山田エピソードなんて言うわけだから、"山田らしい"話ということになる。
市川も気のない返事をしつつ、心の食いつきは大きい。ばっくり食らいつく。
SD(すーぱーでふぉるめ)ばやしこ可愛すぎ~
クレープほおばってるばやしこ可愛すぎ~~!!!
えーー……めちゃめちゃ可愛い……。
めちゃめちゃ可愛いじゃないですか。可愛いよな?可愛いって言え。
言うまで通さないからな。
***
可愛いって言った?
さて、回想のお出かけ先はどこだろう。
原宿とか、渋谷だろうか。
何にせよ彼氏さんと山田とのデートだ。
お互い服装が可愛らしいな。
っていうか山田、マック回でもこのタートルネック着てたし、今回も着てるし、なんとクリスマスデートにも着ている。
あと、おめかしすると髪を結ってることが多い気がする……まあ当然か。
動きやすいし、なんなら武器にもなる。
山田のクレープ対処を手もかさずに眺めてる小林、結構おもしろい。
クレープのクリームでクリーム……
わざわざ頭ぞろえで吹き出しに並べてるところ、韻を踏んでるのかこれ?
まあそんなのはどうでもいいくらいだがこの仕草は面白い。何となくやっちゃう気もするけれど、やっぱり普通はやらないだろう。
山田の山田エピソード、クソデカアホ女。
顔中クリームだらけと言う小林の可愛らしさよ。
無限に愛でろ。
フフ
は?
?????どちゃくそかわいくね?????
可愛い山田と可愛い小林と可愛い市川で可愛いの三乗でサンダー。
恋のイカズチ建御雷って感じ。どういう感じ?なんなんだ?
一瞬で真顔に戻るから、あり得ん現象を見たみたいになる小林、めっちゃ可愛い。すみません、めっちゃ可愛いしかいってません。めっちゃ可愛い。
ひぃ……かわいい……かわいい……
今 笑った?
笑ったよ。
僕ヤバ3巻にして、ようやく。
大きな事件の中ではなく、日常のありふれた会話でようやく笑った市川。
小林のトークで笑ったわけだけど、話の主体はやっぱり山田だった。
好きなことには気が緩むんだろうか。
いやしかしこのコマは可愛い。
可愛すぎて山田の表情が無になってる。仕方ないね。
こんなのお似合いの二人すぎる……。
(引きはがす)
山田、もうずっとふてくされてるな。
いや、これはもうなんていうか、そういうの超えて無だよ。
とっさに出た反応って感じ。"ダメ"って感じ。
市川はめちゃくちゃ惚れっぽくてチョロいんだ。
小林に良さを気付かれちゃったり、そんな距離を詰められたら困るだろう。
もちろん逆も。
結構笑うよね!!
なんでここで意地を張ってしまうのだ山田。
市川が笑うことは私も知ってるよアピールでもあり、私の話でも笑うんだよ!みたいな内容みたいでもある。
会話の内容も市川ですら『よく覚えてんな』と言うくらいの超些細な日常だ。
しかもKarte17とかぐらいしかキチンと笑ってない気がするが。
そして暴露される愛想笑い。Karte17なんか全然面白くねえよとか思っちゃってるしな。
山田のこの『ええ』は会話のテンポが良いな。
本人はショックなんだろうけど、会話の間があまり無くて、そういう感じよ(どんなよ)。
バキの原稿見た時とか
引き下がらない山田。笑うことを認めさせたいのか何なのか。
笑わせたのが小林が先じゃああんまりに立つ瀬がないからか、山田はムキになっていて、市川もアレはバキが特別だからノーカンと言う。
すごいな!のシーンでアレが笑顔だったと市川自身が認めているわけなんですが、その点はスルーでしょうか。
正真正銘、山田が引き出した笑顔なのではありますが。
小林の視線は山田→市川。
自分の時とは違う会話の流れに思わずコメント。
普通に喋ってんな
小林も距離が近くて思わずスウェーする市川に放たれたこの言の葉。
気がつけば、山田との会話の中に徐々にふにゃふにゃの吹き出しが減っている市川に、第三者からの指摘が放り込まれる。
ずっと見ている本人たち、読者たちからはちょっとわかりにくい変化を、こうやって教えてくれる僕ヤバ。展開が綺麗。
ふにゃふにゃの吹き出しが減ったのはKarte28以降だろうか。
Karte16からもだいぶ普通の語りがあるし、ここらは主観に依る所だけれども。
この時の山田は何を思っただろう。
自分でも気が付かなかった変化を知った驚きか、それとも別の何かだろうか。
は?
小林もそのまま押し込む。
市川自身も内面で大きく変化しているけれど、こういう所は変わってない。
女子と話せない市川だけど、山田とは話せる。
そういう追い討ち。
だから結構普通って
Karte24の山田のけっこーふつー発言はやはり市川に対する発言だった。
周囲に市川が理解されることに対して、山田は少し嬉しそうだ。
こういう市川の良さが見出される展開、山田はやはり欲しいのではなかろうか。だってベイブが好きなんだし。あれだってそういう作品だ。
普通のハードル低い
やっぱりブーメラン。
Karte35内の発言とKarte24の発言が、発言者にぶんぶん跳ね返ってくる。
これは恥ずかしい。
市川も赤面。可愛いね。
翌日
いきなり日が過ぎてしまった。
結局小林が進研ゼミを始めたことを教える山田。とてもうれしそう。
市川も素直にそれが良いと受け応える。
実に日常。仲の良い間柄といつもの距離。
代わりに
なにこのヒョロヒョロの吹き出し。
ニヤつき引きつりなオモロ顔を披露する山田。
で、教わろうかなって言う頃にはうつむいてしまうの、尻すぼみ。
勢いで言ってみたけど、恥ずかしかったり怖かったりだろうか。
こういう時しおらしい山田はズルい。
化学ね
小林に教えた数学ではなくて、ノートに刻まれた歴史ではなく。
Karte24で苦手だとウソをついた、化学。
二人を包み込む白い光が、この上もなくまぶしい時間として描かれている。
気付く市川。
これ 歴史のノートじゃん
めちゃくちゃになった適当なノート。数学のノートにはクッキーのレシピが描かれているくらいだから、本当に適当なのだろう。
何でも書く。
「バカの歴史が詰まったノート」
友達に対する遠慮のない言葉が、小林と山田の仲の良さを感じさせる。
ちょっと辛みの強い小林の良さが、上手いことを言っていて非常に秀逸。
そんな呼称のノートだったからか、市川もついに。
あーーーっ 笑った笑った!!
嘲笑だよ。
笑ったんじゃないというニュアンスだけど、山田の会話は自虐なのだ。
だからここで起こる笑いは嘲笑で何も問題なく、山田の欲しかった市川のリアクションであるということになんら代わりはない。
おかしそうに自然に笑う市川も、それを見て嬉しそうにする山田も。
この空間と時間を二人だけのものにしていく。
心の壁が少しだけ取り払われたような、そんなお昼の一コマ。
・ ・ ・
◆瞬きすら惜しくなる 二人だけの眩い時間。
最終ページのマンガクロスの柱文。
ちょっとだけ懐かしい、静かな二人の時間。
この時間が過ぎ去っていくものであることも感じさせられるようで、
非常に大きなエモーショナルを想起する、この話に贈られた包み紙のよう。
消えてしまうに惜しい、素晴らしい一文だったと思います。
裏表紙の『2人の日常をゆっくり包み込み』がぴったりとハマる、そんなページでもありますね。とにかくエモい。
まとめ
『Karte24:僕は選ばれない』の台詞がちらちらと見え隠れするKarte35。
小林は市川に真面目バカと言いながら、本人こそが真面目バカに属することが明らかになり。
市川は山田越えをハードルが低いなどと見下しながら、山田が言っていた普通が普通にしゃべれるだけというハードルの低さが露見する。
こういったところを上手く使いながら、"ズル"の意味の違いで会話を成立させるというお得意の構造を連発させているため、非常に桜井のりおイズムを感じさせる内容です。
○ ○ ○
今回は山田がポーズで勉強しているだけではなく、きちんと学力向上を果たしたという点で努力が報われたということ。
また、市川と山田の学力差は埋まることは無いレベルではあるものの、その差が縮まったことが明らかになったという点で非常にポジティブな内容となっています。
何よりも市川が笑ったという事実が非常に大きく、笑った理由が山田であるというのが何にも勝る山田へのご褒美と言える内容ではないでしょうか。
小コラム:小林
さて、小林が気が付いたかどうかと言う点。
これはKarte44が最も気付いているかを示すのにちょうどいい場面であったにもかかわらず、この回で匂わせの描写が無いことから、おそらく小林は気付いてないでしょう。
なにより、先生のコメントは『小林だけまだ子供』なのですし。
小林が気が付くのは、いつになるやら……。
二人が付き合っていることに気が付いていないのは、市川と山田、そして小林さんだけということになりかねないのでした……。
† ◆ ◆ ◆ †
入りきらなかったやつ
創作をやっていると、キャラクターが勝手に動き出すことがある。
これは、そういうことだったりするんだろうか。
言動と行動、認識の不一致は、本当に今を生きている中学生みたい。
作中の市川が言行不一致だったみたいに、
秘密が良いのに隠せないタイプの山田もそうなんだろうか。
† ◆ ◆ ◆ †
限界オタクの墓場(感想)
人間は終わる。
僕ヤバを読んだとき、それは確定した未来になる。
Karte35めちゃくちゃ好き!!!!
僕ヤバは以後、激動のビッグウェーブ吹き荒れる大嵐の海になってしまって。
この静かな時間は本当に貴重な時間に……。
それはさておいて本当に良い回ですね。
ここまで少しずつ心を寄り添いつつあった二人がようやく、本当にようやく、ここで少しだけ心を通じ合わせたというか。
勉強を通じてほんのひとときだけ重なった、二人の世界って感じです。
そういう非常にエモーショナルな感慨深さに浸ってしまう場に、山田の親友である小林が居合わせたというのがいやもう本当にね。ありがとうって感じなんですよ、本当に。
いやーーーー本当に全ページ可愛いんですよ。
感情が爆発しそうなのを押し込めようとする二人ではなくて、静かにちょっとだけむくれたり、ぽわぽわしたほっぺから歓びを蒸散させるような様がね!もうね!めちゃめちゃかうぁあいいんですよ!!(ニチャァ…)
ここまで上手くいかなかった山田が、小林の当たり前のツッコミで静かに救われていくような流れも綺麗すぎるし、しょーもないこの三人の笑いとか時間とか、図書館の光ともうだめだ堪らねえ。俺はもう死んだ。ここで死んでもいい。図書室の埃に転生してここに埋めてくれ。それで満足だ。
返して返してとか助けて助けてとか叫びまくる限界オタクの私ですけど、
もうここが最後の楽園だよ。
ここから動きたくない。いやだあ………先に進みたくないよぉ……。
渋谷デートは煉獄地獄の六道巡りだよ。もうだめだよこんなの。
Karte44まで時を進めなくてもいい。
ただこの愛しい時間を永遠にさせてくれ……お願いだ……。
ああでもこの時間は瞬きする間に過ぎ去ってしまう……。
眩い光に包まれて……嗚呼……消えていく……
そう言って、限界オタクは塵になって消えた。
静寂だけが残され、後に残るのは誰もいない図書室。
射し込む光、机に置いて行かれた歴史のノート……
さようなら。
† もうだめだ(限界隔離施設) †
この日、完全に終わったと思う。
マジで意味不明。
息をするように死ぬ。
吸血鬼よりすぐ死ぬ。
頭も悪い。
助けなんて、こなかった。
周囲は死体だらけだった。
そしてゾンビ回が発生し、私は死んだ。
やめてくれ……その攻撃は……俺に効く……
なにが起きろだよ。終わりだよ、何もかも。
今回の報告は、以上です。
好きなことを好きな時に書く!それがストレスを溜めないライフスタイルなんだよ