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禍話リライト「現代落語 狂骨リベンジ」

※怖くはありません。 ※ネタ要素改変様々ありますので、何でも許せる人向けです。 ※がごぜ要素があります。 ※がごぜはいます。 違和感のある部屋だった。 恐らく半地下であろうそこには、高所にある小窓しか光源がない。 一筋の光しか入らぬ薄暗い室内では、鉄格子以外の全ては輪郭としてしか認識できない。光の中できらきらと反射する埃からは、あまり清潔では無い部屋だと予想できる。 だというのに、その部屋には臭いが無かった。薄暗く、窓の小さい地下室なら漂ってきそうなカビ臭さが微塵もない。

    • 禍話リライト 「資料館の記憶」

      「怖いと言うか、意味がわからない話でさ」 そんな前振りから語られたかぁなっき氏の体験談は、以下の内容だった。 ・小学校か中学校時代に同級生I君とT君の二人と資料館を見て回り、絵巻物等を見る。 ・途中でI君が居なくなり、T君と二人で砲弾の展示を見る。 ・周りには人がいた記憶がなく、唯一奥のガラス展示のコーナーに黒い服の女性の後ろ姿だけがある。 本当にただこれだけの、怪異も何も出てこない記憶である。 だが、詳細を確認する毎に、ある筈の記憶が失われていたり、だが記憶違いとするに

      • ムッシュとムラムラ

        ある大学の民俗学、郷土史の分野には因習に関わる専門家が集まっていた。 それぞれ ・奇祭の鬼才 ・土着神への執着心 ・カルトを狩る者 ・贄に選ばれ体質 ・廃村メイソン ・呪物とズブズブ ・祀り担当に祭り上げられた人 彼らは各々の担当を分野を担当し、時には同じ事象に対して協力する事で数々の事案を解決してきた。 そんな専門家集団でもどうにも手を出せない事案が時々舞い込む。因習が消えてしまうタイプの事案である。 物は壊れ、或いは盗まれ無くす事もあるだろう。過疎化

        • 禍話リライト 葉に乗った思い出

          「この話はさ、幽霊も怪異も呪いも出ない。恨みつらみやサイコパスな人関係でも無い。でも怖いなぁっていうちょっと毛色の違う話でね。あぁいや、蓮コラとかそういう恐怖症でも無いんだよ。 …ただ、蓮の話ではあるかな。」 葉に乗った思い出高齢の方の聞き取りをするお仕事をなさっている方から頂いた話なのだが、その聞き取りの際に一定の年齢層の方々から共通する体験談を聞くことがあった。 曰く「自分は子供の頃、蓮の葉の上に乗ったことがある」と。 日本に生息していない蓮の一種には、確かに子供

        禍話リライト「現代落語 狂骨リベンジ」

          禍話リライト ねこかわいい

          恐怖というものを大雑把で力ずくに定義するなら、「何かを奪われる」事と言えるのではないか。 平穏平和な日常、不自由の無い生活、命そのもの。生きていく上で土台となる基盤が揺らぐ時、我々は恐怖を感じる。 どんなに屈強に見える人間でもそれは変わらない。 これはかぁなっき氏含め我々の「無害な聞き手」という土台が失われた話である。 加藤よしき氏 替え歌やモノマネで場の雰囲気を強制的に上向かせるアッパーな佐藤氏と対象的に、淡々と修羅に生きる人々をダウナーな目線で切り取り語る加藤氏。

          禍話リライト ねこかわいい

          【禍話】伝説の少女

          「そういえばさ、後輩の女の子が都市伝説になった話って、したっけ?」 こんな厨二モノの冒頭みたいなセリフから始まるこの物語は、内容も厨二設定盛り盛りかつ荒唐無稽でバイオレンスな展開が飛び出す。まるでアクション映画やバトルもの漫画の様に。 「え、伝説の男の話ではなくて?」 「いや、そっちとはベクトル的に違う方向で怖いというか…。あくまで彼女が言うことが全部本当だったらの話なんだけどさ…。」 1、少女との出会い「身長も小さくて正直可愛い子で、オタクよりなところもあって。多分

          【禍話】伝説の少女

          怪奇メロンパン

          「そういえば、恐怖で気を失った事って無いな。」 かぁなっき氏にそう話したのは、彼の大学時代の先輩にあたるジィル氏。女性とおぼしき霊との度々コンタクトするので「リアルゆらぎ荘の幽奈さん」等と呼ばれる事もある。 「俺はちょくちょくありますよ。恐怖で脳が容量オーバーしちゃってるんですかね。」 返答をするかぁなっき氏は数々の心霊現象とそこからの気絶を経験している為か、あっさりとした口調の中にも実感がこもっていた。 「そっか、俺は無いからいまいちよく分からないな。」 ある日の

          怪奇メロンパン