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デュエプレ10弾環境考察(NEW)

※全文無料です。気兼ねなく。

※ALLについての記事はこちらをどうぞ。

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

以下にて10弾環境のデッキレシピと簡単な解説を記していきます。

環境の変化に合わせて更新していく予定ですので、適宜参照していただければ幸いです。


全体外観

待ちに待った10弾…と言いつつも、その前段、9弾EX環境は新規のデッキが多く登場し、非常にメタゲームの活発な環境でした。

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雑にカードリストの一列そのままを切り抜いてきましたが、収録SRすべてが環境で活躍するハイスペックっぷりで、EXという枠からは大きく外れた環境変化をもたらします。

まだまだ研究の余地があると思われたところで、多くの新ギミックを引っ提げた今回の10弾が登場することとなりました。

当初は上記のEXのパワーカードたちを前に「果たしてやれるのか?」と疑問符を浮かべさせるカードたちでしたが、やはりリリースされれば環境は動き出すものです。

まず環境で頭角を現したのは、奇しくも9弾で看板であったにも関わらずハズレア扱いされてしまっていた「ボルメテウス・武者・ドラゴン」率いる『赤白武者』でした。

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なんといっても今回の目玉ギミックであるクロスギアのエースカード「竜装 ザンゲキ・マッハアーマー」が強力で、一躍「武者」を環境トップへと押し上げました。

ただ、この「ザンゲキ・マッハアーマー」を活かすのは新種族・サムライのみではありません。

対抗種族であるはずのナイトもまた、その首領である「邪眼皇ロマノフⅠ世」が、自らの武器・”魔弾”でなく、サムライの”クロスギア”を採用してその舞台に躍り出ます。

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そして3枚目の目玉、「不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー」は固定された採用先こそないものの、火文明が抜けた新生の天門『ドロマー天門』での採用や、復権した『青抜き4cコントロール』、BATTLE ARENA 5thの優勝デッキ『ラッカマルコ』で採用され始めています。

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一方、既存デッキはと言うと、「魂の記憶の盾」の殿堂入りと「炎槍と水剣の裁き」のND落ちによる環境の後退によって増えた、安易なビートダウンを貫く『ツヴァイ』が再び環境に返り咲きました。

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また、同じ境遇にあることから前環境でも通りの良かった『白青メカオー』は今環境でも続投しており、7弾の層の厚さを再度知らしめています。

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同じく息が長く、そして今後もそれは続いていくであろうビートデッキの筆頭として、『ガントラビート』もこの10弾環境でなお健在です。

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もちろんコントロールも黙っていません。

「魂と記憶の盾」の殿堂入りこそ大きな痛手であったものの、『武者』『ロマノフ』も含め、これらのクリーチャーを主体にしたデッキに強烈に刺さる「キング・アルカディアス」を採用した『緑抜き4cコントロール』『青抜き4cコントロール』が徐々に存在感を強めてきました。

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これらのコントロール系が流行りだと、常として登場して来るのが安定性と防御力を引き換えに爆発力を増した『5cコントロール』と、ランデスというある種最も堅実な手段でゲームに蓋をする『ドルバロム』です。

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そして後ろ寄りのデッキが増えてくれば脚光を浴びて来るのがビートデッキであり、NDの最速『黒緑速攻』も陰で存在感を強めています。

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ADを主戦場とするデッキですが、NDでも十分戦う強さを持っていることを今一度認識する必要があるでしょう。

以下は8月のゼロ・フェニックスカップのND最終TOP100に残った方々が公開したデッキタイプを集計し、分類したものです。

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ここから10日ほど経過した現在はまた変化していますが、概ねパワーバランスの取れた環境が形成されています。

新弾が出た直後に意識したい流れなのですが、メタゲームの流れにはある程度法則があります。

①新弾のメインギミックが流行る

②それらの速度を加味した既存デッキが再燃する

③上記①②を踏まえたデッキが登場する

④さらに①②③を踏まえたデッキが登場する

⑤さらに①②③④を踏まえた…と以下ループ

もちろん③、④と後に進むほどに網羅範囲が広くなるため、優先度は一つ前の数字を重視したものとなり、古い数字への警戒は弱まっていきます。

たとえば、④では③>②>①の意識順になる、といった感じです。

そうするとガードの下がった①が再び勢力を伸ばして…というのがある程度決まったパターンの環境変遷となります。

今10弾について具板的に述べれば、

①『武者』、『ロマノフ』が新弾の目玉として流行る

②それらと戦いやすく、かつ「魂の記憶の盾」殿堂入りで苦手対面が減った既存デッキの『ツヴァイ』や、『武者』以外にほぼ苦手対面のない『白青メカオー』が勢いを増す

③「魂の記憶の盾」がなくともある程度戦えるとわかった『緑抜き4cコントロール』と、いっそ青を抜いた『青抜き4cコントロール』が①②に有効な「キング」と「竜極神」を武器に台頭する

④遅い動きの③を高コストのパワーカードで抑えつつ、②も意識した対策札を入れた『5cコントロール』などが登場する

といった流れを大まかにたどっています。

こうした動きを察知しつつ、次のメタを察知していくのがカードゲームの醍醐味であり、勝ち上がるための基本です。

そして、そのために必要なことが環境を知っていること=環境にあるデッキの特徴を把握していること=環境考察だと私は考えます。

答えを導き出すのは常にこれを読むあなた自身ですが、その一助になることができれば幸いです。


ボルバルザーク・紫電カップ最終TOP100

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※一名で複数のデッキを使用と記載されていたものはすべてカウントしています

※そのため、77件=77名分のデータということではありません。

※「2,3回だけ使用した」等のデータとして不十分と判断したものは含めていません。


最大勢力となったのは、環境初期に成立した『赤白武者』を発展させた『デイガ武者』です。

対策札として「武者」に取られない範囲のパワーを持ったクリーチャーが採用されるようになったことで、それを処理するための確定除去札および現環境汎用性No1の「竜極神」を搭載するために黒が加わりました。

多少事故率の上昇や守りが薄くなったものの、環境に無理な対面がない圧倒的な強さを持っていたと言えます。

2番手は『白青メカオー』で、この10弾で再燃していた「ガニスター」搭載の形が多数を占めました。

『武者』に対しても大きく不利をつけるわけではないことが浸透し、NEW環境のトップはこの2デッキと言えそうです。

続く準トップと言える位置には『青抜き4cガントラ』と『黒緑速攻』と『5cミラクル』が来ます。

『ガントラ』は「烈流神」が規制を受けたことで青抜きの構築ほぼ一本となりました。

突破力は落ちたものの、環境上に目立って苦手な対面はなく、近頃は「竜極神」の採用なども見られて構築が模索されています。

『黒緑速攻』は『ゼロ・フェニックス』の台頭をきっかけとした環境変化の中で、相対的に大幅に立ち位置が良くなって一躍トップレースに加わるようになりました。

『5cミラクル』も、今までの不安定さの印象は払拭され、環境上に特別有利も不利もない安定した地位を築いています。

とりあえずはここまでに述べた5つのデッキが上位組と言えるでしょう。

これを書く10/6はもう間もなく10弾EXの情報が出始める頃ですが、9/30のバランス調整もあって少しずつ環境の変化や新デッキの台頭が見られます。

環境を理解する手段として、また、新たなデッキを生み出すための一歩として、この記事に記すデータを活かして頂ければと思います。


武者ドラゴン

2021/10/6 『デイガ』と『ラッカ』のレシピのみ追記しました。

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※1枚目の画像は、ゼロ・フェニックスカップで最終1位を飾った森忍さんの下記記事から引用させていただいております。

今は構築も変わってきていますが、Youtubeに動画も上がっているので、併せてどうぞ。

9弾の登場以来不遇をかこってきた「ボルメテウス・武者・ドラゴン」が、「ザンゲキ・マッハアーマー」の登場によって一躍環境トップへと上り詰めました。

基本的には4ターン目に「ザンゲキ」設置し、5ターン目以降「武者」で除去をしながら攻めていくビートデッキですが、各種コスト軽減が作用することや「モノノフ・ルピア」による焼却効果によって、なかなかにテクニカルな側面も持ち合わせています。

この手の中速系のデッキはコントロールデッキを苦手とするのが常です。

ですが、その問題もかなりの部分を「ザンゲキ」が緩和しています。

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これによってサムライがSA化し続けることで突破力が高いことはもちろん、コスト軽減がサムライのウィニーとかみ合わせがよく、「ムシャ・ルピア」が多色なこともあって、状況次第で「ドルバロム」や「キング・アルカディアス」の着地後ですら勝ちを見ることができます。

当初は「ボルシャック・バディ・ドラゴン」の採用は少なめでしたが、森忍さんの構築に見られるように今は一般的になってきましたね。

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キーカードはもちろん、「ザンゲキ」と併せて即時SA2体を形成したりと、一層使い方が多様になりました。

クロス時にパワーがプラスされる点も、「魂と記憶の盾」が殿堂入りした確定除去が減った環境で「ジャック・アルカディアス」の範囲外に逃れる作用をしたりと、隙の無い効果です。

ほとんどがカードパワーの抑えられたカードによる構成ではありますが、この「ザンゲキ」が容易に対策できるようにならない限りはトップメタを張り続けることが可能な、”環境に合ったデッキ”です。

詳しい解説は森忍さんの記事を参考にしていただければ良いと考えますが、赤白という2色の構成にも関わらず、高いカスタマイズ性を持ちます。

たとえば苦手とするコントロール系にも「ザークピッチ」を採用したり、フィニッシャーに不足があれば「紫電」や「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン」を採用したりすることで対策できるので、今後も高い使用率を維持していくと考えられます。

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ツヴァイ

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6弾での登場以来長く環境で存在感を放っていたものの、9弾環境ではすっかり鳴りを潜めていた『ツヴァイ』がここに来て再度表舞台に立つようになりました。

『ツヴァイ』の特徴として、

・4ターン目以降に継続して除去・ハンデスをしてくるデッキが苦手

・ビートダウンには有利

というものがあります。

そのため、4コストで除去を行いつつ、後続のリソースも確保する「魂と記憶の盾」の殿堂入りはかなりの朗報でした。

加えてこのカードと併せて採用された「炎槍と水剣の裁き」がNEW環境で使えなくなったこともあって、苦手なコントロールデッキが減少していくというのは多くの人に予想されたことです。

未熟な環境に現実を見せるように、生半可なデッキを砕く地力を見せてきました。

環境が少しずつ成熟してきた今はどうかと言うと、対策は取られつつも十分メタゲームに食い込むだけの活躍を見せています。

というのも、このデッキが再現性が高い上振れムーブとして、4ターン目の「ツヴァイ」着地を武器としているからです。

環境トップの一角である『赤白武者』の最速除去ターンも4ターンで、「ツヴァイ」はこれに引き次第で間に合う上に、一度着地すれば13000のパワーを取る手段が非常に限られます。

また、対策の一つとして登場した『青抜き4cコントロール』などの「キング」「竜極神」を扱うデッキも、その妨害の動きの再現性が高いとは言えず、トリガー頼りとなる場面も少なくありません。

つまるところ、『ツヴァイ』の上振れ性能が、デッキ相性から来る極端な不利対面をなくしていると言えます。

構築に大きな変化はありませんが、白のカウンターが有効に働きづらい局面も増えたことから、より自分の動きに特化した『青単』の形も見られますね。

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ADでは2コスト枠が増えたことで、リキッド・ピープルの採用数にも個性が出ていますね。

多少立ち位置が悪くなってもランクマッチを行う上での回転率は良く、一定の使用率は保ち続けると考えられます。


ドロマー天門

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※ドロマーとは、白青黒の三色の構成を指します。

コントロール系のデッキ同様に『魂と記憶の盾』の依存度が高かった『天門』は、長く採用されていた「血風聖霊ザーディア」がNEWで使用できなくなったこともあって、赤が抜けていく構築に移り変わってきました。

注目すべき点は4つあります。

1つはドローソースとして「アクアン」でなく、「エナジー・ライト」が優先採用されるケースが増えたことです。

これは「ヴォイジャー」がデッキの起点になることから、それを引ける確率を上げつつ、「ヴォイジャー」で軽減したり「ヘブンズ・ゲート」の弾にするブロッカーを引きに行くことができます。

赤が抜けたことで「竜極神」がなくなり、使い回しができなくなった「アクアン」との差別化ができる点です。

2つ目は「パーフェクト・ギャラクシー」の追加で、これによって苦手色のあったコントロール対面にも強気に出られるようになりました。

最速の4ターン目に「ヴォイジャー」→5ターン目に「パーフェクト・ギャラクシー」とすればかなり優位性を保てます。

3つ目はその動きの始点であり、このデッキの核でもある「ヴォイジャー」が「魂と記憶の盾」の殿堂入りによって除去されづらくなかったことです。

この2つ目と3つ目から、強力なブロッカーを続けて出して果敢に攻めていく、従来のコントロールタイプとは反対のビートプランを取ることも可能となっています。

そして4つ目が環境に刺さりの良い「クイーン」と「キング」の採用です。

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「クイーン」は『ロマノフ』を筆頭にコントロール全般に良く効き、『赤白武者』『ガントラ』『ツヴァイ』『メカオー』などが「スパーク」系のトリガーを採用していることからも詰めの段階で活きます。

「キング」はコントロール系以外のデッキほぼすべてに強烈に刺さると言え、元来持っていたロック性能の高さをここに来てより輝かせているカードです。

2or3ターンに「エルカイオウ」or「アマリン」→4ターン目「ヴォイジャー」→5ターン目「クイーン」or「キング」は特定の対面をゲームエンドに追い込むことも可能な重要なルートとして常に意識する必要がるでしょう。

ドロー以外のメインアクションが「ヴォイジャー」の4ターンと遅めで、トリガーも基本8枚と少ないことから、準備をして攻めて来る『ツヴァイ』や『メカオー』、『5c』には戦いづらい側面があります。

が、それでも優秀なブロッカーを手出しし続けていくデッキパワー、上記の5ターン「キング」、ガードの下がったトリガー「ヘブンズ・ゲート」でカウンターできる点、「パーフェクト・ギャラクシー」で新たな戦術を得た点が環境で唯一性を持っているデッキです。


白青メカオー

2021/10/6 レシピを更新しました

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9弾EX環境で「アポロ」の殿堂と同時に「オボロ」を獲得し、さらにその存在感を増していたのが『白青メカオー』でした。

10弾でのテコ入れは基本的になかったものの、やはり自力の高さと安定性に加え、「魂と記憶の盾」の殿堂入りと「炎槍と水剣の裁き」のND落ちもプラスに働いています。

構築の変化としては、「深塊機士ガニスター」を採用する型が増えています。

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『白青メカオー』の継続した苦手対面として、『ツヴァイ』同様4ターン目以降に継続して除去を行ってくるデッキがあります。

『除去コントロール』系のデッキが勢いを落としたことはこの点で追い風でしたが、代わって新規の『赤白武者』が苦手対面として浮上してきました。

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最速4ターン目から継続した除去を飛ばしつつビートしてくるこのデッキは、元来不利寄りとされた『赤白武者』と同速の『ドリームメイト』以上の重さがあります。

同じ並べるデッキの『ツヴァイ』と比較した場合でも、切り札着地が一歩遅く、SA化した「武者」で2面を取られると立て直しができない場合も多いです。

これに少しでも対抗すべく採用が増えてきたのが、先の「ガニスター」です。

軽減効果は単純に強力なものですが、2コスト→「ガニスター」→「ピラミリオン」+「マザー」で4ターン目に「マザー」を着地させる動きはこのデッキを使わずとも必ず覚えておくべきでしょう。

「オボロカゲロウ」の登場によってゲーム中に触れるカードの枚数が増えたため、決して成功率の低いムーブだと安易に片づけることはできません。

「ガニスター」を使わずとも先攻時に「ジャンボ」→「フェニコーラー」→「コロビナー」の動きで「武者ルピア」を倒して理想ムーブを咎められる点も重要ですね。

構築の変化としては、「インフェルノ・サイン」や「スパーク」などの呪文受けが多いことやコントロールへの効きなどを背景として、「ギガブリザード」を従来の2枚から3枚に増量する構築も増えています。

強力なクロスギア「ザンゲキ」への対抗策として、グレート・メカオーのトリガーである「バ・キーン」の採用も一部で見られますね。

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トリガーの枠も多様で、2コストの枚数なども含めて構築の個性がここまで出せるようになったのは過去最大のことかもしれません。

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『赤白武者』こそ悩みの種となる対面ですが、それ以外の環境デッキを見れば五分以上を付けられるものも多く、相変わらず練度に伴って通りの良いデッキだと評価できます。


ガントラビート

2021/10/6 『青抜き4c』のレシピを更新しました

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※1枚目の構築については下記ゴンティアさんの記事から引用しています

※2021/9/30の「烈流神」下方修正によって、現在は1枚目の構築は再現不可能です。

BATTLE ARENA 5thでも準優勝に輝いた、今の黒の入っていない『ガントラビート』の最も典型的な構築ですね。

この10弾に入って構築に大きな変化はないものの、度々述べているように「魂と記憶の盾」で最もその活躍を危惧された「烈流神」をフィニッシャーに据えたデッキです。

果敢にシールドを割ってトリガーで返すというシンプルなグッドスタッフビートダウンデッキで、回転率とプレイ難度の低さから幅広いランク帯で使用が見られます。

前環境ではトップクラスの使用率だったこともあって常にメタ対象と意識されているデッキで、現状は『赤白武者』を筆頭に不利な対面も少なくありません。

そうした状況を鑑みてか、近頃は再び旧来の黒を入れた『青抜き』の形も見かけられるようになりました。

青抜きにすると最強トリガー獣の1枚「アクア・サーファー」を採用できなくなる上に「烈流神」が使えないことによる突破力が下がるものの、粘り強い打点となる「アルバトロス」を採用できるのが最大の強みとなります。

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環境に刺さりが良いとして採用が増えている「キング」に対しても「アルバ」は対抗しやすく、「アニマベルギス」による打点増強や「ブレードワーム」を絡めた除去ビートも狙えます。

除去手段として「デーモン・ハンド」が使える点も、今環境では黒を採用する強みとなってきますね。

グッドスタッフ構築でテーマの縛りがないことから様々なカードを採用検討でき、赤白緑のリースカラーを基準に色の増加も容易です。

前述の通りメタ対象としては常に意識されることとなりますが、環境に合わせた優秀なカードを採用していくことで継続した活躍が期待できます。

余談ですが、似たカードを採用する「サードニクス」のデッキも、「イダテン・アクセラー」を採用していよいよファンデッキに留まらない活躍を見せるようになってきました。

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序盤のマナ埋めでうっかり『ガントラビート』と解釈すると痛い目を見ることもあるため、注意が必要です。


黒緑速攻

2021/10/6 レシピと一部解説を更新しました

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ADで『ゲオルグ天門』とほぼ同期の『黒緑速攻』は、9弾EXの「スナイプ・モスキート」の再録により、NDにも主戦場を広げています。

ADからは1コストの数が半分になり、率直に言って速攻としての旨味を落としたNDの『黒緑速攻』は強いデッキとは言えません。

ですが、それでも「レオパルド・ホーン」を絡めた最速4ターンキルの打点形成力は高く、序盤の除去が少ない環境で優位性を発揮できています。

特に9弾EX環境では「ジャック・アルカディアス」を採用したデッキが若干減少傾向だったことと、『黒緑ドルバロム』という圧倒的な有利対面の流行から、速攻を誰も意識しない環境で強力なメタデッキの一つでした。

現状は『赤白武者』『ガントラ』のみならず『コントロール』系での「ジャック・アルカディアス」の採用も多く、前環境よりも『ドルバロム』が数を減らしていることから少々苦しい局面にあります。

それでも大敵の一つであった『天門』系のデッキがシェアを減らしていることや、『5cコントロール』をはじめとする重めのデッキが増えたことなど、有利に傾いている要素もあります。

現環境のデッキとしては最も環境に左右されやすい特性があるとも言えるため、メタを読んで使えば大きなリターンを得られる可能性もあるでしょう。

実際のところ、ボルバルザーク・紫電カップでは、『武者』がこのデッキが苦手とする『ガントラ』や『メカオー』の母数を減らし、圧倒的有利な『ゼロ・フェニックス』が台頭する中で飛躍的に立ち位置が良くなりました。

『武者』自信も赤白からデイガへと移り行く中で「ジャック」などの厄介なトリガーが抜けていったことも大きな要因でしょう。

存在することに大きな意味のあるデッキであると、身を以て証明して見せたと言えます。


青抜き4cコントロール

2021/10/6 レシピを更新しました

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8弾EX環境で青抜きの4cアガピトスコントロール(GAEコン)が隆盛を極めました。

それが「アガピトス」の調整によって失墜したものの、この10弾環境で「魂の記憶の盾」の殿堂入りによって採用する意義の薄まった青がコントロールから抜かれ、もう一つの重要ギミックであった「ギフト」+「竜極神」に「キング」と「デル・フィン」の強みを加えて復権したデッキです。

前述の通りの「キング」の環境への通りの良さと同様、「竜極神」も今まで以上に強力な存在感を放つカードとなっています。

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このデッキの台頭したメタ背景には全体外観の②に書いた、「魂の記憶の盾」の消失に歓喜した『武者』『ツヴァイ』『メカオー』といった存在がありました。

これらに「キング」と「竜極神」で蓋をすることができ、後述するコントロール系統のデッキには『G・A・E』や『デル・フィン』を対抗札にできます。

サンプルには採用しなかったものの、「パーフェクト・ギャラクシー」も強烈なコントロールメタのカードとして採用できますね。

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総じて無理対面がなく、相手によって対応したカードをプレイできることから、相性に安定性のあるデッキです。

ただし、理論上の相性では環境への回答と言えど、現実の構築に安定性を持たせることはなかなかに難しいデッキでもあります。

このデッキはやりたいことと必要なカードを採用していくと、平気で多色が25枚くらいのデッキに仕上がってしまうのは最たる特徴です。

当然理想のプレイをする要求値は高まり、理想ムーブを達成するのは困難なこととなります。

「ギフト」+「竜極神」or「キング」の動きが最速4ターンで、この動きが有効な対面に間に合うかどうかのギリギリなターン数である点もポイントですね。

後手を取った場合に1ターン遅れた5ターンの着地で間に合わないということもあるので、理想と現実の差を痛感できる特徴だと言えます。

ドローソースも少ないことから基本的に引けたカードから最適の選択を取ることが求められ、構築・プレイの両側から使い手の力が試されます。

とはいえ使いこなした際の対応範囲は環境デッキ中でも高いもので、この10弾環境では堅実なデッキタイプの一つです。

以下のまめさんの記事でも紹介のある通り、AD環境も含めていつでも使用を検討できるでしょう。


緑抜き4cコントロール

2021/10/6 レシピを更新しました

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※1枚目のレシピは筆者がゼロ・フェニックスカップで最終76位に残った際に使用したものです

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度々述べている「魂の記憶の盾」の殿堂入りが最も響いたデッキの一つですが、未だ環境で対抗する実力を失ったというわけではありません。

『キング・アルカディアス』や『竜極神』を無理なく採用できる点は前述の『青抜き』と共通してきますが、こちらはドローソースがあることで、速度はないものの択を増やしながらゲームを進めていくことができます。

「魂と記憶の盾」を失った今、あえて青を採用する強みの一つが「ビューティシャン」をはじめとしたハンデスを豊富に採用できる点です。

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『ツヴァイ』『メカオー』『武者』『ガントラ』『緑抜き4c』などを想定した際にハンデスの効きは非常に良く、「エナジー・ライト」や「アクアン」を採用できることからリソースに余裕ができ、ハンデス性能の高い「ジェニー」や「ベガ」を組み込む余裕もあります。

もう一つ青を採用するメリットが「超絶究極神」です。

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破壊以外の除去手段に耐性がないことが欠点だった「アク」ですが、「魂と記憶の盾」の殿堂入りによって皮肉なことに生存率が向上し、「ゼン」の8000のパワーもデッキによっては容易に除去できないラインで2回ブロックが光るようになりました。

リンク後はフィニッシャーとして強力なことはもちろん、「キング」や「デル・フィン」「ドルバロム」への警戒としても強力で、ここに来て大きく評価を上げています。

色基盤としても優秀で、青を採用する意味とまで言えるでしょう。

『青抜き』同様こちらも各種メタカードを採用できるから、目立って有利な対面こそないものの、環境への適応力が高いデッキです。

メタ的な性質が強い上に試合時間もかかることから高い使用率になることはないでしょうが、環境を見て使えばまだまだ現役なデッキだと言えます。


ロマノフ

2021/10/6 レシピを更新しました

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下記まめさんの記事にも4種類の『ロマノフ』の構築が解説されていますので、ぜひご覧ください

10弾の目玉の1枚として登場したデュエマ史上最もカッコイイカードの1枚(私見)を切り札に据えたデッキです。

まめさんの記事で4種類解説されているように、このデッキはメインギミックとなる「ロマノフ」+「インフェルノ・サイン」を軸に様々な形のデッキが模索されています。

あえて”模索”という言葉を使った通り、『ロマノフ』を使ったデッキはカードプールと様々なゲームの仕様から、構築が非常に難しいデッキです。

たとえば、トリガー枠として7コストの「ヘヴンとバイオレンスの衝撃」を採用すると「ロスト・チャージャー」を採用できずに、多色である上に狙ったものを落としづらい「クルセイド・チャージャー」をメインに採用することとなります。

「ロマノフ」の墓地肥やし効果も対象が5枚で探索上限を超えており、本領を発揮するための準備はそう簡単ではありません。

メインとなるカードがほぼ赤と黒の単色で、3色目や多色を組み込んだ構築がしづらいのも難点でしょう。

ただし、5,6ターン目に飛んでくる実質無限攻撃とオールハンデスと全体除去を使い分ける戦術はかなりの器用さがあり、理論上はビートからコントロールまでどの対面にも有効な回答を持ったデッキです。

「インフェルノ・サイン」がトリガーを持っていてカウンターに使える点や、黒が多い構築で『ドルバロム』に強く出やすい点も強みと言えるでしょう。

『赤黒』『デイガ』『クローシス』『デアリ』『4c』など、今後開拓されていく可能性を携えたデッキタイプだと言えます。


5cコントロール

2021/10/6 レシピを更新し、若干記述を修正しました

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9弾の「フェアリー・ミラクル」と「バイオレンス・フュージョン」を獲得して『5cフュージョン』が確立しましたが、この10弾に来てデッキの多様性を広げています。

その特徴は端的に言えば、圧倒的なコントロール殺し性能にあります。

全体外観の④で触れた部分になりますが、クリーチャー主体のデッキが流行ると、それを対策する中コスト帯の『コントロール』が台頭します。

それをさらに押さえつけるのが「フュージョン」のようなさらに重いカードを扱うビッグマナ系のデッキです。

マナを十分に伸ばして下準備を行ってから1枚でゲームを変えるようなパワーカードを次々にプレイする他、「フュージョン」のようなゲームを終わらせるカードを扱うことから、タイムリミット型とも称されます。

妨害されてもデッキトップで勝負ができることや、強力なリソース回復カードの「デリンダー」を手に入れたことから、”マナを増やして強いカードをいち早くプレイする”という自然文明の特性を最も活かしているデッキだと言えるでしょう。

特に10弾で獲得した「クリスタル・フュージョン」は”マナを伸ばし切る前にリソースを涸らされる””タイムリミットを待てずに攻め切られる”という弱点を緩和したカードで、「バイオレンス・フュージョン」と併せたWフュージョンの構築が浸透しています。

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順調に唱えると相手が5,6マナに対して16マナ以上になるため、その後は「バイオレンス・フュージョン」を唱えるまでもなく、引いたゴッドをリンク速攻で投げつけていくだけで容易く勝利することも可能です。

ダイナミックな動きのデッキのために雑なプレイをしても強力なデッキですが、各種色配分やトリガーとブーストカードの比率、5色を生み出すカードの組合せなど、個性や実力の光る面もあります。

9マナで「クリスタル・フュージョン」を使って18マナにし、次ターン「デリンダー」or「G・A・E」+「バイオレンス・フュージョン」ができる点なども重要なテクニックの一つですね。

サンプルに示した通り、近頃は「バイオレンス・フュージョン」を使用しない5cとして、『5cランデス』や『5cグッドスタッフ』も登場しています。

ボルバルザーク・紫電カップを経て、『5cフュージョン』と『5cランデス』はたまに見かける程度のデッキとなりましたが、『5cグッドスタッフ』はトップデッキの位置まで上り詰めてきました。

これまでの相性がはっきりしやすかったピーキーな性質からは変化し、どの対面にも満遍なく戦える万能性を手に入れてきています。

この10弾環境の行く末を、さらにはその先までも左右するデッキの一つであると考えられます。


ドルバロム

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5cコントロール同様、純粋なグッドスタッフのコントロールデッキに優位を取りやすいのが『ドルバロム』です。

9弾環境では『4cドルバロム』が、9弾EX環境では『黒緑ドルバロム』が活躍を見せてきました。

10弾環境は最初期に9弾EXの流れを引き継いで一定数見られたものの、その後減少し、現在再度復活するという経緯を辿っています。

ここからわかる通り、基本的に『ドルバロム』全般は環境を窺いながら使用していくメタデッキです。

ただし、『クローシス』『デアリ』『アナカラー』『4c』と択は豊富に存在し、黒がメインのデッキがトップにならない限りほぼ常に環境に対して何らかの回答を持っているという特殊なメタデッキでもあります。

ここまで触れてきたデッキを見ても、黒の枚数がドルバロムに対抗できるほど(概ね15枚以上)採用されているのは『緑抜き4cコントロール』と『ロマノフ』程度で、環境としても「ドルバロム」が刺さりやすい時期です。

この10弾では、最も速く「ドルバロム」を着地させる『黒緑ドルバロム』については、安全なフィニッシュ手段の「ガラムタ」がNEWから落ちてしまったものの、新規の「ギガボルバ」が代替手段として獲得しました。

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現環境ではこのカード1枚でトリガーケアは十分と言うことができ、さしてデッキパワーを低下させることなくデッキポテンシャルを発揮することができています。

他カラーリングの特性について触れると、『緑抜き4c』にすれば除去コンのように立ち回りつつ「ベガ」や「超絶究極神」を立てて安全に攻めることができ、『デアリ』であれば「ギフト」+「竜極神」のパッケージが採用できます。

『アナカラー』は『黒緑』のリソース不足を補完したカラーリングでしたが、ここに来て「チェンジ・ザ・ワールド」という耐久手段を獲得できたのが大きいですね。

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登場当初は『青黒』をベースにして始まった『ドルバロム』ですが、今ではほとんどのカラーリングで形にできるほどに多様でパワーのあるデッキとなりました。

今後も新たな形の可能性を携えており、この10弾環境でも様子を見ては存在感を強めていくデッキだと言えます。


環境の鍵

10/6 直近で見られるいくつかの新しい構築レシピを追記しました

環境の肝とすべきデッキは、現状『赤白武者』『白青メカオー』『5cコントロール』の3つだと考えます。

前者2つは相応なデッキパワーを持っており、後者に関しては難もあるもののデッキ特性とデッキタイプの分岐から一定の使用率を保ち続けるからです。

これらのデッキ3種はそれぞれ方向性が大きく異なり、三竦みと言うには少々ズレますがかなりの対応範囲を持ちます。

この間隙を突ける他デッキやカードを探すというのは、率直にかなり困難なことです。

ただ勝ちを目指すだけなら、『赤白武者』か『白青メカオー』を極めて、よほど環境が悪くない時に使え、と私はアドバイスをするでしょう。

それでも今あるデッキの中からこれらと戦いやすいものを考えていくと、一つ挙がってくるのは『4cドルバロム』です。

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「ロスト・チャージャー」「バーロウ」「ドルバロム」のパッケージでデッキの1/4を圧迫してしまう点がネックですが、個別の項で述べた通り除去コントロール気味に寄せたり「キング」を採用したりする選択肢もあって、『赤白武者』や『白青メカオー』に勝負できる面があります。

『5c』系統にも「ドルバロム」さえ着地させれば優位に進められるため、いずれにも五分を付けられる可能性を持ったデッキです。

とはいえ、『赤白武者』は「ザンゲキ」による突破力が高く、『白青メカオー』は一度「超神星」の着地を許せば対応に困難し、『5c』の爆発的なブーストに「ドルバロム」が間に合わないことやゴッドのパワーで圧倒されることも多々あります。

安易な発想から勝ちを取りに行くには難しい環境だと言えるでしょう。

そうなるとできる提言は、この3つの内の2つをカバーしよう、ということです。

特にメタ対象とすべきは、環境上に極端な不利対面をほとんど持たないTier1デッキの『赤白武者』と、今後も一定のシェアを保ち続けるであろう『5c』だと考えます。

まずは”『赤白武者』と『5c』に五分を付けられるデッキ”というのが、デッキ選定の際の基本要件でしょう。

既存デッキから探れば『黒緑ドルバロム』が最適解の一つとなってくるでしょうが、これは環境読みに長けている人であればある程度察しがついていることです。

『黒緑ドルバロム』が『白青メカオー』に対して不利であることを踏まえると、その先のメタ読みはなかなかに困難でありながらも面白いものだとわかってきます。


もう一つ別のアプローチをするとすれば、前環境のデッキを思い出すことがあります。

9弾EX環境でメタゲームに食い込んでいてこの記事で紹介しなかったデッキは、『ゼロフェニックス』『赤白ボルフェウス』『赤抜き4cサバイバー』『5cメカオー』『ザマル』『ドリームメイト』『ラッカマルコ』『グール』など、非常に多く存在します。

もちろん新環境に対応できなかったことからこれらは身を潜めているわけですが、メタゲームが回る中で付け入る隙が出て来る可能性は大いにあると言えるでしょう。

これを書く9月上旬現在も、『ゼロフェニックス』は「ショック・ハリケーン」と併せた自壊型、『ザマル』は青黒赤のクローシス型、『マルコ』は白青緑のトリーヴァ型や白青型など、様々な道が模索されています。

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また、『5cメカオー』『赤抜き4cサバイバー』については前環境で結論デッキの一つと言えるほどの実力を持っていたこともポイントです。

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環境に適合してなかったというだけで、決してデッキパワー自体が取り残されているわけでないことはよくよく覚えておくべきことでしょう。


10弾の収録カードは新規システムであるサムライとナイトに多く枠が割かれ、多色カードも存在しないことから汎用性が高いとは言えないものが多いです。

もちろん「維新の超人」や「デュアル・ザンジバル」など、環境で見かける機会が少ないながらも十分なスペックを持ったカードも存在します。

が、プール全体で見た時にこれらをメインに据えたデッキを考えるよりは、既存の優秀なデッキたちに目を向けてチューニングをしていく方が、どちらかと言えば近道でしょう。

迷った時はまず、一度愛着を持って使っていた前のデッキを思い出してみれば、意外な発見があるかもしれません。

以下はボルバルザーク・紫電カップから、これを書く10月上旬にかけて、大なり小なり活躍を見せ始めているデッキたちです。

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おわりに

節々に織り交ぜましたが、率直に言って今の環境には私もかなり苦慮しています。

環境全体の隙が小さく、最適なデッキを見出すのはなかなかに難しいからです。

こうした環境の時に必要なことは、日々推移していく環境の変化の機微を察知し、その感覚を掴めた時に最適なデッキを使用して勝ちを積むことだと考えます。

自分なりの正解に辿り着くために試行回数を重ねることも重要ですね。

兎にも角にも、ここに記した内容が、少しでも読んで下さったあなたの役に立てば幸いです。


最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。

無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、見合う価値があったと思ったらご購入いただけると大変嬉しいです。

いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。

それではまた。

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