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新カード解説②(デュエプレ11弾)

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

11弾の新カードの考察第2弾です。

①についてはこちらをどうぞ。

指標はこんな感じ。

9点~10点 → 壊れ性能。環境トップレベル。

7~8点 → 優秀。環境でもよく見かける。

5~6点 → 悪くはない。癖があったり、デッキや環境次第で採用される。

3~4点 → おそらく環境では見ない。地雷枠や限定構築に活路を見出す。

0~2点 → 見なかったことにしていい。

基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。

それでは以下、本題です。

獅子幻獣砲

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事前評価:7

FT:燃え盛る巨大な牙が、あらゆる金属を溶かしつくす。

紙からの変更点はありません。

名前の通り、「幻竜砲」の完全上位互換です。

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クロスギア対策ができるカードとしてはこの上なく腐りづらく、汎用性としては「ユリウス」並みだと評価できます。

「ドリル・ボウガン」なんて霞むくらいの性能ですが…クロスギアに一度は花を持たせたかったのかもしれませんね。

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今後は汎用的なギア対策を求めた際に筆頭に上がってくるカードだと考えられますが、呪文である点と赤単色である点には注意が必要です。

『ドリームメイト』や『ガントラビート』のようなビートダウンに採用する場合には腐ってもトリガー獣である「アレクセイ」の方が使いやすいという場合も多いでしょう。

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「ベンケイ・バーニング」を試した人ならわかるでしょうが、コントロール系に採用するにしても赤の単色はデッキの色バランスを考えても浮きやすい側面があります。

「幻竜砲」の完全上位互換とはいえ、カードパワーは今のプールから見れば不足している方にはなるので、採用されるかは環境と構築に相談しながらとなるでしょう。


ライラ・ラッタ

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事前評価:5

FT:すべての出来事は死によってつながっている。先に勝つか先に死を迎えるか、それは大きな事ではない。すべてがつながっていることこそ、重要なのだ。

紙からの変更点はありません。

見た目のかわいさの割に真顔なフレイバーテキストのギャップがすごいですね。

コストに対して高いパワーを持ち、一応は手札補充の手段にもなることから赤入りの『速攻』で採用検討ができるカードです。

ただ、条件が”攻撃された時”というのはかなり使いづらさがあります。

リソース補充を行いたいコントロール対面に対しては、このカードを殴り返すようなパワーのクリーチャーはなかなか出て来ず、同速対面に対しては速度負けする要因となるからです。

条件があくまで”攻撃された時”で、破壊を必要としていない点も注意点でしょう。

たとえば相手の盤面に6体クリーチャーがいる状況で「ライラ・ラッタ」をタップすると、自爆特攻5回で確実にダイレクトアタックを通されてしまいます。

『黒緑速攻』や『ブリザード』と対面した際を考えると、十分起こり得ることですね。

2コスト3000の枠として選択肢とすることはできますが、やはり相応のデメリットを持っている点は覚えておく必要があります。

最軽量のファイアー・バードとしては場持ちが良いため、後にファイアー・バードの進化が出た際には個性を出すことができそうです。

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紫電城 バルザーク

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事前評価:9

FT:なし

紙からの変更点は以下。

・相手がシールド化を行えない能力がついた

・5コスト以上の城についていた、ブレイクを回避する効果が削除された

・代わりに城が離れる時に6000火力がついた

主要効果のブレイク数2倍というのは、「紫電」の2回攻撃を模したものですね。

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「ボルバルザーク」の名を冠するカードは必ずどこかで”2回行動”に関する特性を持っているので、強力なものが多くなりがちです。

このバルザークに関しても急に打点が2倍になるのは、相手からすれば脅威そのものです。

色が合うところのビートダウンで考えると、『赤青サムライ』で3コスト「ソウジ」、4コストクリーチャー+「ソウジ」で1点、5コスト「バルザーク」からの攻撃ですべて盾を割り切ることができます。

同じ流れは『ガントラビート』の3コスト「ガントラ」、4コスト何かしらのクリーチャー…というところでも再現できますね。

どちらのデッキもSAが豊富な点を考慮すると、早期に盾を割り切ることを可能とする「バルザーク」は悪くない相性、あるいはかなりの脅威になると考えられます。

ブレイク追加はもちろん焼却持ちとも相性がいいですね。

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他にも「モノノフ」のいる状況で「武者」の攻撃を通せば1体で全シールドを割ることができたりと、「バルザーク」を考慮したブレイク算は重要となってきそうです。

今回追加となったシールド化を防ぐ効果は、その点なかなかの曲者効果だと感じられます。

先ほどの「ソウジ」→クリーチャー→「バルザーク」の流れで考えると、コントロール側ができたトリガーで除去からの「ベガ」で耐久のような流れができなくなってしまうんですよね。

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「ソウジ」で「ザンゲキ」を貼られていたり、元々SAが多い『ガントラビート』対面だったりすると、かなり絶望的な状況にはなってしまいそうです。

もちろんこれはビートダウンの新たな天敵となった「ミルザム」にも有効な効果なので、ピンポイントなメタ効果だと一蹴できない可能性が大いにあります。

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裁定待ちかなという微妙なラインなのは、”相手はカードをシールド化できない”という効果が、相手のゾーンに対してかかっているのか、相手プレイヤーにかかっているのか、という点です。

相手のゾーンに対してかかるならば、自分の使う「魂と記憶の盾」が不発となって相手の使う「魂と記憶の盾」は通りますが、相手プレイヤーにかかっているならばこの逆となります。

どちらにも解釈できる書き方なので、この点は”シールド化”というキーワード能力にした裏目が出ている感じがしますね。

最後のブレイクされた時の火力ですが、これも地味ながら嫌らしい能力です。

ビート対面を想定した際、殴り合いの勝負になると「バルザーク」のブレイク数2倍の効果は強烈で、盾の残る状態では到底無視できるものではありません。

かといって割に行くと6000火力でこちらの戦力を減らされる上に、ブレイクによるトリガーや有効カードが手札に加わるリスクを伴います。

もちろんリーサルのかかる場面での防御としても機能するので、やられると思った以上に手をこまねく効果だと考えられます。

メインのブレイク数増加効果は1枚で十分なことから2枚目以降は腐りやすかったですが、これによって複数枚設置する意味もかなり増していますね。

色々と強い点を書きましたが、懸念点となるのはやはり”城”という独自のカードタイプである点です。

クリーチャー・呪文といったわかりやすさがないので、脅威となる点は多く思いつくながらも、回してみないとわからないところがどうしてもあります。(なので9点という評価はかなり思い切ってつけてみました)

ただ、わかりづらさのある中でもぶっ壊れの評価を受ける可能性を秘めたカードだとは現状評価できそうです。


雪要塞 ダルマンディ

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事前評価:5

FT:この要塞があれば僕らに敵はなし!底力を見せてやれーーー!――斬雪妖精バケット・バケット

紙からの変更点はありません。

3コストのアドバンテージをもたらさないカードというだけで評価はイマイチとなってしまいますが、侮ると恐いのがパンプアップです。

3000の上昇は決して小さいものではなく、ビートvsビート対面で思わぬ活躍を見せることもあるでしょう。

シンプルながらも城というカードの奇襲性を十分持っていますね。

緑という色が合わない側面はありますが、ブロッカーを搭載するデッキであれば強固な壁を築いて要塞化したシールドを守ることもそう難しくありません。

テンポロスしやすいことからガチガチの対戦環境ではあまり見ないかと思われますが、限定構築戦などでは優秀なカードとなり得るでしょう。

余談ですが、このカードは海外版デュエル・マスターズのKaijudoで水文明のクリーチャーとしてカード化しています。

色々めんどくさいテキストをしているので、詳細はwikiをどうぞ。

雪だるまは確かに水文明か…

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海底鬼面城

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事前評価:6

FT:なし

紙からの変更点は以下。

・コストが1から3に上がった

・代わりにサイバーロードがいれば1コストで使用できるようになった

・ドローに手札枚数の制約がついた

・ドローが強制になった

長年使っているせいか、某国民的アニメの映画タイトルは”岩”でなく”面”だとつい最近まで思い込んでいました。

紙では2020年とかなり最近に殿堂入りしたものの、登場以来長く活躍をしていたカードです。

デュエプレでの実装にあたっては往来のパワーカード同様、下方修正を受けることとなりましたね。

このカードの真骨頂は1ターン目に使用して手札を増やし、早期にコンボを決めることにあったので、この修正はなかなか手痛いものでしょう。

”マナがたまっていなければいくら手札が合っても意味なし”というデュエマのゲーム性を上手く突いたカードでしたが、まったく同じ運用をデュエプレに求めることはできなさそうです。

普通に考えると、サイバーロードとの共存がマストになってくるので、考えられる組み合わせはこのあたりでしょうか。

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1ターン目「トリア」からの2ターン目設置、3ターン目「フランツ」からの4ターン目「バレットバイス」+「鬼面城」、3ターン目ソウジからの4ターン目「紫郎」+「鬼面城」など、いずれも使えたら悪くはないかな、というシーンは思い浮かべられます。

相方がサイバーロードに絞られてしまったので、紙の代表的な組み合わせである「マーシャル・クイーン」との間にシナジーがないのは、紙を知っている人からすると残念でしょう。

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ただ、ドローに対して手札上限が付いた点は紙よりも強化されたと言えるので、ビートデッキで使用することが標榜されているのだと思われます。

ハンデスと組み合わせることで場合によってはLO戦術に組み込むこともできるかもしれませんね。

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正直かなりパワーは下がってしまった気がしますが、このカードにしかできないことが多々あるという点でこの評価としておきます。


聖霊王エルレヴァイン

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事前評価:8.5

FT:なし

紙からの変更点は…というより紙の効果は以下。

・シールド・フォース−光以外のクリーチャーを召喚するコストは4多くなる

・自分のシールドゾーンにある城1枚につき、自分のクリーチャーの召喚コストを1少なくしてもよい。ただしコストは1より少なくならない。(紙では重複ができた)

毎度好例の魔改造枠はこのカードでした。

生放送の告知で【城】大特集!!と書かれてこのカードがサムネイルになっていたことから、なんとなく察しがつきましたね。

紙版のコストを増やす効果はクリーチャー主体のデュエプレでは少しロック性能が強すぎるきらいがあったので、魔改造にするにはうってつけのカードだったのかもしれません。

城の性能に未知数なところはありますが、最大6コストのカードを、それも場面に合わせて踏み倒せるというのは端的に強力です。

城はここまでに紹介したカードに下記を加えてほぼすべてになるかと予想されますが、汎用性はなかなかのものでしょう。

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・「バルザーク」を出して実質SA4点として運用

・「ローズ・キャッスル」を出して盤面処理

・「ハッスル・キャッスル」を出して置きドローソース化

・「シルヴァー・グローリー」を出して大型クリーチャーの攻撃に対するカウンター

と、デッキ探索の先輩・ナーフ前「アガピトス」ほどのアドバンテージは生み出しづらいものの、勝手よく使うことはできそうです。

エンジェル・コマンドであることから、軽減を加える「ヴォイジャー」と絡むと恐ろしい展開を見せられるでしょう。

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・4コスト「ヴォイジャー」→次ターン4コストエンコマ+「エルレヴァイン」+「バルザーク」で全盾ブレイク

・4コスト「ヴォイジャー」→次ターン4コストエンコマ+「エルレヴァイン」+「ハッスル・キャッスル」→大量展開でドロー

など狙えるでしょう。

ロマンよりな気もしますが、3コスト軽減を活かして「バルザーク」を貼った状態から「シデン・ギャラクシー」を出すと、「シデン・ギャラクシー」単体でリーサルまで行けますね。

エンコマには強力なカードがかなり揃ってきているので、計3コストの軽減は侮れないものがあります。

懸念点は現状下記の3点です。

・今後の城カードの追加に上限がある

・城を複数種類採用して汎用性を上げようとすると、デッキの色が疎らになってしまう

・エンコマ進化にゲームエンド級のカードが複数ある(「ボルフェウス」「シデン・ギャラクシー」など)

こうした懸念点が上がるあたりに、むしろ器用さを見られますね。

それがたたって器用貧乏になってしまう可能性はありますが、その逆も十分に起こり得る素質を持ったカードです。


密林の総督ハックル・キリンソーヤ

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事前評価:9.5

FT:ここが我らの戦場!皆の者、要塞を守り抜くのですぞ!!――密林の総督ハックル・キリンソーヤ

紙からの変更点はありません。

紙で再録の多いカードでしたが、FTはなかったのでデュエプレで初めてその人柄を知ることができましたね。

…なんとも微妙な感じですが。

マナ進化の強さは前回の「ブレードグレンオー・マックス」のところで紹介しましたが、その代表格とも言える強カードがこの「キリンソーヤ」でしょう。

紙では長らく緑入りの『速攻』系デッキで活躍が見られましたが、デュエプレでも同様の活躍が期待できそうです。

当然『黒緑速攻』にも入ってくるカードでしょう。

これによって『黒緑速攻』が実質SAを得たことはもちろんですが、アンブロッカブルを得たという点も大きなポイントです。

たとえばトリガーから出てきた「ジャック・アルカディアス」で除去と耐久をされて粘られるということも、「キリンソーヤ」さえいれば無視して「レオパルド」の高打点を通すことができます。

素のパワーが5000とかなり高いことから、ある程度盾を割っていれば途中で全体除去トリガーを踏んでもこれ1枚で押し切れるという場面も出て来るでしょう。

「レオパルド」が引けていない場合の勝ちパターンも今まで以上に増えると考えられます。

マナを減らすということ以外のデメリットがないため、ほぼ確実に採用されてかつデッキのエースにもなっていくでしょう。

『黒緑速攻』はこのカードによって無視される「ボーン・スライム」が抜けたり、実質SAの枠を担っていた「アニマベルギス」が抜けたり、ブロッカー除去の要であった「ヴィネス」が抜けたり、といった構築のバリエーションが増していきそうですね。

また、前回の「ブレードグレンオー・マックス」のところで書いたように、これでマナ進化の強カード2種類を両方使えるのが『赤緑速攻』のアイデンティティとなりました。

デュエプレで『黒緑速攻』を除く『速攻』が環境に居座れたことは当分なかったので、これは期待が高まります。

軽量SAのアンブロッカブル自体が強力なので、『速攻』以外でも中速系のビートダウンで採用されていく可能性はありますね。

がんばって色々書きましたが、正直強すぎて言及することがあんまりない部類のカードです。


竜装 ムシャ・レジェンド

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事前評価:6

FT:なし

紙からの変更点は、コストが1下がった点と、クロスクリーチャーの攻撃時に「武者」の攻撃トリガーである自盾焼却+6000火力の効果がなくなった点です。

この火力の削除に関しては、「武者」の活躍を見る限り、クリーチャー環境のデュエプレで3ターン目から永続的に6000火力を撃ち続けるのが強力だと判断されたのだと思われます。

ということで、使う意義は専ら「武者」の名前を借りるところにあるでしょう。

「武者」サポートの代表である「ムシャ・ルピア」の盾追加は実質3コスト、「モノノフ」の盾焼却は5コストと考えると、このなりきり武者装備も悪くはなさそうですね。

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定番の「ザンゲキ」にも+2000のパンプがついていることを考慮すると、このカード+「ザンゲキ」でタップしている相手のクリーチャーを上から取られるという場面は多いでしょう。

その際についででサポートの効果を得られると、侮れないアドバンテージとなります。

特に焼却は2回も使えるとビート側のゲーム展開をかなり有利にできる強力な効果なので、『武者』や『剣誠』の伏兵として採用検討できそうです。

クロスギアが4枚以上になる場合には探索濁りが起きてしまうので、その点は注意が必要です。


アクア・アンカー

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事前評価:5

FT:その流れ、見切ったぞ!――アクア・アンカー

紙からの変更点は1コスト下がった代わりに、効果がターン1になった点です。

”各”ターンと記載がありますが、相手のクリーチャーの攻撃は今も昔も相手ターン中のみなので違和感がありますね。

1回制限になったのは何度も発動するとゲームテンポが悪くなることやループが起こるのを未然に防ぐためだと考えられます。

当然、相手ターン中に手札から捨てられることで効果を発揮するマッドネスとの併用をイメージされたカードですね。

この手の効果はあまり触れられるところもないのですが、一応は種族がリキッド・ピープルである点には注目しておきましょう。

不用意な殴りがデメリットに繋がりやすい『ツヴァイ』に入れる旨味はほとんどないでしょうが、水の主要種族であるという点はどこかで活きて来るかもしれません。

マッドネス対策の一つだったブロッカーを並べてから殴るという方法に対して、「パラディン」で対処できたり、なんて感じですかね。

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蒼神龍バイケン

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事前評価:7

FT:その龍は、生涯を共に戦えるような同志を求めていた。

紙にあった「斬隠蒼頭龍バイケン」をモチーフにして制作された、デュエプレオリジナルのカードです。

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このカードは名前の感じからもわかると思いますが、”シノビ”という種族の大将を務める大物です。

”シノビ”という種族はニンジャ・ストライクという固有の能力を持ったカードが多かったのですが、システム面やゲームバランスでの問題もあってか、デュエプレでは実装が見送りとなりました。

その代わりとして本家を潰さないなりに開発されたであろうカードがこの「蒼神龍バイケン」です。

FTもこれからシノビの道に進むだろう様子が見られますね。

実質的な能力は紙からさほど変更なく、変更点は

・バウンスが「バトルゾーンに出す。そうしたら~」という表記から「バトルゾーンに出す。その後~」という表記に変わっている

・バウンスが相手クリーチャー限定になっている

・「ニンジャ・ストライク」を使った時という表記が相手のターン中にクリーチャーを出した時に変わっている

点です。

評価の軸は紙とデュエプレの環境の違いになってくるでしょう。

紙では凶悪なハンデスカードが猛威を振るっていたことから、盤面除去が行える上に自身を戻し続けることでハンデスに対抗し続けられる「バイケン」は評価を押し上げられました。

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が、これらが存在しない(仮に存在しても無限ハンデス耐久はできない)上に、そもそものハンデスが弱めであるデュエプレでは待望のカードと言うことはできません。

もちろん「ヒャックメー」をはじめとした『カウンターマッドネス』では貴重な防御札にもなりますが、それですらデッキの不安定さから環境に食い込むとは言い難い側面があります。

一応、テキストの記述が「その後~」となっていることから、盤面上限に引っかかって「バイケン」が墓地に送られてしまう場合でもバウンス効果が発動できそうな点は救いですが。(「その後~」と書いてある効果は直前のテキストが実行できない場合でも問題なく使える)

この後紹介する「サルトビ」とはデザイナーズコンボが組まれているので、それを含めてどこまでカウンター力を維持できるかが鍵となってくるでしょう。

通常の構築に加わるとすれば、青入りの『アポロ』などのドラゴンデッキで検討できるところでしょうか。

トリガー「エマージェンシー・タイフーン」で「アポロ」の進化元を用意しつつ、バウンスで耐久もできるとなれば悪くない選択肢とはできそうです。

青をタッチする際の枚数不足が気になる場合などに検討はできそうですね。

自ターン中に出す場合にはほぼ完全なるバニラになってしまう点は紙と変わらない点ですが、デュエプレでは能力を活かそうとすると特殊構築を求められそうな点で難しい性能だと考えられます。


最後に長くなりますが、「バイケン」の特殊なところについて。

※下記は紙準拠で考えた場合なので、デュエプレも必ずこうなるとは試すまで断言できません(特に、紙の”そうした場合”という表記が”その後”にわざわざ変えられてるところは気になる)

※また、下記の裁定は2019/7の公式HPの回答に準拠しています。それまでとこの記事を書く2021/11以降では変わる場合もあるのでご容赦ください。

「バイケン」のテキストは少し珍しいタイプで、マッドネス効果で場に出るのとその後のバウンス効果が一続きになっています。

そのため、マッドネスで場に出てからバウンス効果の処理があらゆる効果に割り込んで処理されます。

現状これがデュエプレでどういうところに現れて来るかを考えると、思いつくのは「ヒャックメー」で「バイケン」を含む多量のマッドネスが一度に起動した場合です。

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「ヒャックメー」の効果処理を見たことがある人ならわかると思いますが、効果処理順は

・マッドネスが出るだけ場にでる

・場に出た順に各クリーチャーの効果処理

となります。

ところがここに「バイケン」が含まれていると、

・マッドネスが出るだけ場にでる

・「バイケン」が出た場合、そこで「バイケン」のバウンス効果処理が入る

・続きのマッドネスが場にでる

・場に出た順に各クリーチャーの効果処理

となります。

影響するところはかなり限定的になります(現状私は頻発する場面を思いつきません)が、先の「メテオキャノン」と同時出しした場合に順序に関係なく、「バイケン」で「弥太郎」をバウンスして「ゴエモン」を破壊するような芸当が可能になります。

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起こりそうなシーンを考えてみると、相手の場に「キング」がいる状況でWブレイクを受けて「エマタイ」と「サーファー」を同時にトリガーした際に「エマタイ」で「バイケン」を捨てると、「バイケン」で「キング」をバウンスしながら「サーファー」を出せる、といった感じでしょうか。(最初の「バイケン」は置換効果のため、そもそも「キング」をすり抜けて場に出ます)

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もしデュエプレでもこの紙通りの効果処理で実装されるならば、「バイケン」が環境上に多い場合はもちろん、使用する際に必ず知っておくべきルールとなるでしょう。

もう一つ検証が必要なのは、ナイト・マジックで使われた「バレット・バイス」です。

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ナイト・マジックは”2回使う”という効果なので、1枚ハンデスを2回行うということになります。

場にナイトが1体の状態で「バレット・バイス」を使用された際、1枚目のハンデスで「バイケン」を出してそのナイトをバウンスし、場にナイトがいなくなった場合に2枚目のハンデスを行えるか?という疑問が発生するのです。

これは紙で言うと場に「コートニー」がいる状態で条件を満たした「裏魔狼」を使用した際に、1枚目のハンデスで「バイケン」を出して「コートニー」をバウンスすれば、2枚目以降のハンデスは阻止できるのか?という問題と同じ要領です。

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調べた限りでは正式回答がなく、DMVaultの暫定回答でマナ武装能力は失われるとなっています。

類似例をもう一つだけ引っ張っておくと、つい最近このようなカードが紙に登場しました。

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要するにナイト・マジックで2回リアニメイトを行えるのですが、詠唱時に場にナイトがいなくとも、1回目の効果でナイトを出せば、ナイト・マジックが発動するという裁定になっています。

逆に考えていけば「バレット・バイス」の詠唱中にナイトがいなくなった場合、2回目の効果は使えないと考えられますが…wikiの記述を見るとエビデンスこそないものの、詠唱した時を参照しているようなんですよね。

どちらに転んでもおかしくない効果処理なので出たとこ勝負になりますが、せめて一貫性のあるものになっていることを願いたいです。

11/20追記

「パーフェクト・アース」が場にいる状態で「魔弾ネオン・ウィンド」を相手ターン中に使用した場合、1回目で「マティアス卿」を捨てて場にナイトがいることになっても、ナイト・マジックは発動しないようです。

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wikiにもこの説明がありました。

デュエプレはなんだかんだと紙のルールに則っているので、「グレイテスト・ゲート」の例と一致しないこの処理についてはサイレント修正もあるかもしれません。


怒流牙 サルトビ

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事前評価:7

FT:シデン・ギャラクシーの振るう超銀河剣がもたらす破壊の力から世界を守るため、怒流牙十勇士が立ち上がる。

まさかの先に紹介されたものは”画像誤りであった”というアナウンスがされましたね。

こちらの画像は後に構築済みデッキ等でプロモ化する「サルトビ」、あるいは新規イラストの「ドルゲーザ」なのだと考えられます。

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FTからも感じ取れますが、戦国編のクライマックスは「HELL」を乱射する「シーザー」と「THE FINAL」を振るう「シデン・ギャラクシー」との世界を揺るがす大決戦です。

後に紹介する「ドルゲユキムラ」率いる怒流牙十勇士が陰の立役者として、最悪の結末を回避したとされています。(この辺りは後発のカードによる後付け設定ですが、きれいにまとまっているストーリーです)

この「サルトビ」も原型はその後発カードです。

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こちらと比べると

・1コスト増加

・ニンジャ・ストライクの削除の代わりにトリガーの獲得

・能力のモード化

・条件付きブロッカー

という調整を受けており、これまたデュエマとデュエプレの差が感じられるものとなっています。

前置きが長くなりましたね。

トリガー持ちのジャイアントというだけで、まず『ジャイアント』デッキにとっては及第点と言えるでしょう。

そこにモード効果は噛み合いがよく、手札交換効果はマッドネスの起動に、マナブースト効果はビートダウンに対する実質防御手段として使うことができます。

ここから先ほどの「バイケン」を出す動きは紙でも覇権を取るほどの強さを見せたものでした。

「サルトビ」のコストがさほど高くないことからも、手出しで十分繋ぎの役割を果たせる効果です。

ブロッカー付与はこの文明からしてそぐわないものですが、紙で「佐助」「バイケン」を採用したデッキが活躍する主要因とも言えたブロッカー付与カード「メメント守神宮」を模したものなのでしょう。

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このD2フィールドというカードタイプを知らない人もいるでしょうが、要するに場に置くと除去されない限り効果を発揮し続けるカードです。

これがトリガーかつ自軍へのブロッカー付与効果を持っているため、先ほどの「佐助」+「バイケン」でブロッカー2体+「バイケン」効果で1面除去と鬼の防御力を誇るデッキが存在しました。

イメージしづらい人もいるでしょうが、盾が0の状況からでも「メメント」さえあれば最大10面くらい止めてしまうほどだと知れば異常さがわかるでしょう。

少し話は逸れてしまいましたが、デュエプレでもそれが少なからず再現されているため、「サルトビ」+「バイケン」で2面止めることは可能です。

トリガー頼みとなるとはいえ、デュエプレの盤面制約にとってこの2面止めは強烈に刺さり、あらゆるデッキがリーサルを止められる可能性があります。

「ヒャックメー」にも共通しますが、「サルトビ」が多色かつマッドネスが置換効果であることから「キング」を完全にすり抜けてくる点も上手くできていますね。

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ブロッカーを得るためにジャイアント3枚という条件はなかなかに構築を縛るものですが、状況がかみ合っていると攻める側は相当迷うことになるでしょう。

欲を言えば手出しのしやすさがある4コストで実装して欲しかったところです…この4と5の壁は結構高いんじゃないか。

先ほどの「バイケン」と併せてマッドネスデッキがファンデッキの一線を越える可能性を秘めたカードです。


終の怒流牙 ドルゲユキムラ

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事前評価:6

FT:グレイテスト・シーザーが放つ超銀河弾によって大混乱に陥った世界を救うため、ドルゲユキムラ率いる怒流牙十勇士が集結した。

紙からの変更点は以下。

・シノビ種族が削除された

・パワーが-4000された

・G0に同名が出せない条件がついた

・クリーチャー回収がランダムかつ3枚までの任意枚数から0か3枚になった

このカードが強いかどうかは別として、単純にこれだけ紙から下方修正されている点があるというだけでかわいそうに感じられてきますね。

「ユキムラ」を採用した『シノビドルゲーザ』はニンジャ・ストライクによる耐久性と突如G0で奇襲しつつニンジャ・ストライクの札を回収する「ユキムラ」の攻撃を軸としていたので、紙でのことを考えるほどに悲惨に感じられてきます。

”槍”玉に挙がるのはやはり「ツヴァイ」の存在でしょう。

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「ユキムラ」が勝る点と言うと、ジャイアントのパワーが比較的高く場持ちが良い点と、自身でアドバンテージを稼ぐカードが多いことから中長期戦で戦えるというところでしょうか。

…「ツヴァイ」と比較したことを書くのはやめますね。

G0の条件については「ユキムラ」をさらに進化させることで塗りつぶすことが可能です。

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「ユキムラ」がマナからの回収効果を持っているので、「ゼクウ」や2枚目以降の「ユキムラ」を引っ張ってきて、T・ブレイカー2体同時出しという動きはまあまあ狙えそうですね。

サーチ手段に関しては「奇兵の超人」か同種のサポートカードが登場してくれる可能性も高いと考えられます。

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「ユキムラ」を進化させる点で考えると、「ゼクウ」がND落ちしていることからも、シンパシー以上にコスト軽減がしやすい”ソウル・シフト”が登場してくれると良いのですが…

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さすがにこれ以上の新キーワード能力は期待できないでしょうか。

忍者の如き相手の虚を突ける攻撃性を求めるなら、これくらいのパーツが必要になってきそうな気はします。

というわけで「ユキムラ」を採用したデッキが着地までこぎつけることができれば、攻撃面では決して弱くはないと評価できそうです。

元々『ジャイアント』自体はコントロール対面に強くでやすかったので、未公開のサポート次第で十分だと考えられます。

では守りの面で紙のニンジャ・ストライク要素を再現できるかと言うと、やはり先の「バイケン」「サルトビ」から想定されるように「ユキムラ」でマッドネスを回収する動きになるのでしょうか。

このあたりは「バイケン」「サルトビ」で触れたこと以上にはないですが、つまるところはマッドネス戦術がどこまで信用できるか、というところに懸かってきそうです。

やはりトリガー「ヒャックメー」から複数のマッドネスが出て来るのはどのデッキでもキツイものがあり、「サルトビ」が1枚出て来るだけでも+「バイケン」で2面が止まります。

「ユキムラ」を採用するくらいのジャイアントデッキであれば「シンラ」も採用して、カウンター力を大きく高めた構築にするのは案外できそうです。

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確率で言うなら「ヒャックメー」と「サルトビ」を4枚、計8枚積んだ場合に5枚のシールドに1枚でも埋まってる確率は69%、ここに「シンラ」を3枚加えた11枚にすると81%とかなり高くなります。

相手からすると、勝負がもつれ込んだ場合にこれらのトリガーを完全にケアし切ることは相当難しいです。

横いっぱいに並べられるデッキばかりでない点を考慮すると、「サルトビ」を1,2枚踏んだだけで逆転されるということも想定されてきます。

今までのマッドネスデッキも相手にして困ることはありましたが、よりいやらしくなっていくことは間違いないでしょう。

ただ、このあたりは構築をまったく念頭に置いていないから言えることでもあります。

仮に先の10枚近くのカウンター札を入れたとして、ほかの枠がどうなってくるか…

まず「ヒャックメー」は種族も色も浮くことからも抜けて来る可能性はありますね。

ジャイアントが基本は重いカードであることを考えるとマナブーストも欲しくなり、そうなるとデッキの半分くらいはすぐに埋まってしまいます。

どういった形に現状まとめられるかは検討がつかないので、サポートカードがどれほど出て来るか持含めてカードプールの公開待ちとなるでしょう。

「ユキムラ」は残念な点がどうしても目立ってしまいますが、冷静に見つめていくと十分活躍の可能性も考えられるカードと言えます。


まとめ

カード情報の公開スピードが留まるところを知らず、まとめるのはかなり大変です。

他の記事や動画で紹介してる人たちも大変そうですね…私はマイペースでやっていきますが、その人たちが拾えない部分まで情報を拾えたらと思います。

①のところでも書きましたが、やはりパック全体のカードパワーは高くなりそうです。

これまでが抑えめなところがあったので、環境がガラッと変わる可能性も見えて楽しみになってきますね。

公開ペースからして11/25におそらくリリースされるのでしょう。

この記事もあと2回ほどになりますが、お付き合頂ければと思います。

よろしければ次回の③もどうぞ。

それではまた。

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