見出し画像

新カード解説⑤(デュエプレ17弾)

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

17弾の新カードの考察第5弾です。

第4弾はこちら

指標はこんな感じ。

9点~10点 → 壊れ性能。環境トップレベル。

7~8点 → 優秀。環境でもよく見かける。

5~6点 → 悪くはない。癖があったり、デッキや環境次第で採用される。

3~4点 → おそらく環境では見ない。地雷枠や限定構築に活路を見出す。

0~2点 → 見なかったことにしていい。

基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。

また、評価はするものの、用途の紹介や背景ストーリーでの活躍を中心としていきます。

それでは以下、本題です。

ガロウズ・極楽・カイザー

事前評価:4

紙からの変更点は、自分のターン中のみだった効果の制限がなくなった点です。

性能としては「アレクサンドルⅢ世」が1コスト軽くなった代わりに多色となり、手札限定の対象が赤青2色になったといった感じです。

こちらはドロマーカラーが対象だったので、色にあったコントロールらしくハンデスや「英知と追撃の宝剣」などを撃つのがメインでした。

こちらは赤青のビートダウン色が強めの色なので、使うのであれば主にホール呪文を使っていくことになるでしょう。

「オウドラゴン」であれば「ガイアール・ホール」2枚、「デビルドラゴン」であれば「ガロウズ・ホール」2枚、この17弾で実装される「リュウセイドラゴン」は赤の5コストホール2枚、で完成させられるため狙いどころです。

ただ、やはり6コストのクリーチャーで場に出て仕事をせず、耐性を持たない点は不安要素になります。

これを出すくらいなら5コストホールを撃ってる方がいいと言われると身も蓋もありません。

トリガーも連打できる点の強化が活きることがあればよいですが…


ドンドン吸い込むナウ

事前評価:10
FT:ハンター・エイリアン連合軍とアンノウンの激戦の中、守り手たちは希望を残すべく、鬼丸と修羅丸を次元の穴へと放り込んだ。

紙からの変更点は、残りがボトムに行く順番がランダムになった点と、バウンス対象が相手のみとなった点です。

「未来設計図」が山上6枚を見て1枚のクリーチャーを回収できて、「ロジック・キューブ」が3コストで探索して呪文を1枚回収できる点を見ると、このカードの山上5枚から任意のカードを回収できる効果は2~3コスト相当と言えます。

バウンスは火か自然のカードを回収した場合にのみ限られるものの条件のないもので、コストでは同じく2~3コスト相当です。

トリガーがなくともコスト相応なパワーがあるのですから、トリガーがついて受けにもなるこのカードが優れていることはカタログ上でもわかります。

アドバンテージ的に1枚カードを引いて1バウンスしているので、「ストロング・スパイラル」と比較してみると面白いでしょう。

コストが4であることから、カードパワーの上がりだす5コストの直前でキーカードを探しに行きながらバウンスでテンポを稼ぐことができ、複数のゾーンに触れるカードが優秀という原則に従っても強力です。

相手のシステムクリーチャーや攻撃トリガー持ちに当てるとゲーム展開が非常によくなり、もちろんサイキックに当てれば1:2交換となります。

クリーチャー耐性を持った「ディアボロス」を処理できる点も強みです。

このカード1枚によってcip持ち以外が評価を落とすといっても過言ではないでしょう。

トリガーを持つことから受けにもなりますが、バウンスの条件になる回収対象には火文明があるため、これで凌ぎながらSAを確保し、返しのターンに反撃するといった攻めの使い方もできます。

紙では青の入るデッキで赤か緑のどちらか片方でも入っていればマスト枠なほどに価値の高かったカードで、青単色としては珍しく『5cコントロール』にも採用されていたほどです。

自分のクリーチャーを対象にできなくなったことでcipの使い回しができなくなるのは残念ですが、それでも同等の活躍を期待できるでしょう。

年単位で見かけられる、青の汎用カードだと考えられます。

紙ではレアリティがRだったにもかかわらず、登場からしばらくは再録が限られて高騰する時期が続きましたが、VRになってもデュエプレではその心配がないことが何よりです。

名称については賛否両論なものですが…私は慣れで許せてる感じです。

デュエプレのユーザー層が明らかに20歳前後なところを見ると、児童のウケを取りに行くようなネーミングはだいぶ反応に差がありそうです。


超次元ホワイトグリーン・ホール 時空の双英ジョン・タッチャブル 変貌の覚醒者ジョジョン・パワード

事前評価:ホワグリ→9.5 ジョン・タッチャブル→7

紙からの変更点はありませんが、「ジョン・タッチャブル」の方はデュエプレオリジナルカードです。

「ホワイトグリーン・ホール」は4マナの多色ホールサイクルです。

これ以外にも有効色2文明の多色ホールがそれぞれ存在し、5コスト以下のサイキックを出して色のあったクリーチャーを出した場合に追加効果が発動します。

これ以外のサイクルが出るかはわかりませんが、いずれも有用な効果を持っていたので期待したいところです。

このカードは出したサイキックに応じて、手札からのシールド追加とマナ回収を行います。

シールド追加は言うまでもなくビートダウンに対する耐性を底上げする効果で、4コストであることから先手で3ターンパスをしても『速攻』に間に合うコストです。

これから「ヘブンズ・ゲート」を埋められて、「ミルザム」などを出されるものならブロッカー除去手段のない『速攻』はお手上げ状態に追い込られます。

マナ回収効果も制限がない点で優秀で、「ジオ・ザ・マン」の強さが浸透した今ことさら言う必要もないでしょう。

ゲーム中1,2度の回収で十分と考えるならば、超次元ゾーンの枠を抑えて回収をこちらに頼るということも可能です。

この2つの効果だけでも強力なのですが、評価を後押ししているのはこの後紹介する「勝利のプリンプリン」がいるからです。

大きい画像がほしかったので紙版を

「プリンプリン」は1体を次のターン攻撃もブロックもさせなくする効果を持ち、「ホワグリ」の2つの効果を両方使う条件を満たすことができます。

「プリンプリン」の効果で1面、盾を増やして1面、埋めた盾でトリガーを発動すればさらに1面以上の計3面を止める、驚きの防御性能です。

もちろん「プリンプリン」は殴り返しに使うことができ、マナ回収でさらなる「ホワグリ」やトリガーを回収して連続耐久ができます。

紙ではこの連打による耐久がビート殺し過ぎたあまりに殿堂入りし、2020年になってようやく解除されています。

デュエプレにはマナ回収で手札から防御札となるニンジャストライクは存在しないものの、それでも4枚使えることから十分すぎるビートの脅威となるでしょう。

普通にサイキック展開用として使っても十分ですが、効果の性質上後ろ寄りのコントロールやビッグマナ・コンボ系のデッキで採用されるカードです。


「ジョン・タッチャブル」はデュエプレのオリジナルとして登場しました。

性能は「ジョン」」と「アンタッチャブル」をそのまま足したコスト・パワー・種族・能力をしています。(進化を止める効果なんてありません)

5コストのために基本は4コストホールから出す運用となり、「ホワグリ」で出せば両方の効果を使えます。

ただし、「ホワグリ」は前述の通り後ろ寄りの耐久カードで、ビート性質の強い「ジョン・タッチャブル」を出すにはあまり適していません。

5コストホールから出すには「アンタッチャブル」×2の方が打点数としてもよく、こちらを優先する意味は薄いでしょう。

表面で使うには、単色の4コストホールが適していると考えられます。

ただ、それも「カイマン」等を出す方が優先される場面が多いと想定できるため、使いどころは限られてきそうです。

アイデンティティとできそうなのは、選ばれないドリームメイトである点。

4コストのカードから出せる点を見ても、「パンダ」との相性は良好です。

サイキックであるために「パンダ」の抽選対象にならないことも利点でしょう。

覚醒条件は「ジョン」よりも1体多い他3体を出した場合で、これも達成は容易ではありません。

このカードだからできるということは少なく、ほかのサイキックよりは若干使いづらさを感じてしまいます。

裏面は効果こそ引き継いだものの(やはり進化を止める効果なんてなかった)、コストやパワーは足し算になってはいません。

さすがにこの効果でW・ブレイカーを得てしまうのはまずかったのでしょう。

ただ、コストに関しては足し算とならなかったおかげで「シューティング・ホール」「ガイアール・ホール」から直接呼び出すことが可能となっています。

この2種のホールを採用する『ハンター』などでは、枠の都合上「アンタッチャブル」を2枚採用したくない場合がありました。

耐性持ちの枠としてこれに1枠程度なら割けるということもあるでしょう。

「オウドラゴン」と「リュウセイドラゴン」のサイキックをすべて採用するとこれで6枠埋まってしまうので、残り2枠を「ガイアール・ホール」でくっつきのいい「キル」とこれにするといったことは考えられます。

『MRC』においては「ヤヌス」からSAにするにはちょうど良く、2回攻撃の条件も満たしやすいです。

どのデッキにでも入るような汎用性はありませんが、しっかり用途は考えられる良サイキックだと想像されます。


超次元リュウセイ・ホール 勝利のガイアール・カイザー 勝利のプリンプリン 勝利のリュウセイ・カイザー

事前評価:すべて10

紙からの変更点は以下。

リュウセイ・ホール…出せるサイキックがハンター限定となった
勝利リュウセイ…1コスト上がった

「リュウセイ・ホール」は紙では2020年に超次元をテーマに作られた構築済みデッキの目玉カードで、かなり新しいものです。

これだけ新しいカードを2012年ベースのデュエプレに持ち込むとなると、出せるサイキックがハンターに限定されるのも当然の措置と言えるでしょう。

とはいえ、5コスト以下の2体出しができなくなったのみで「エナジー」「ボルシャック」「フェアリー」の3ホールが1枚にまとまった性能は破格で、汎用性の重点が出力先のクリーチャーにあるはずの超次元が、入力元である呪文の方にまで及んでいます。

破壊、ドロー、ブーストの選択は腐ることがまずなく、状況に応じて的確にアドバンテージを稼ぐことが可能です。

ホール呪文は出せるサイキックが被る場合に、呪文効果の環境への刺さりが重視されますが、これに限っては等しく有効なために汎用性が落ちることがありません。

出せるサイキックはハンター限定な点は残念ですが、特典の勝利シリーズが一部のサイキックの人権を奪うほどに強力なため、それらと「オウドラゴン」「リュウセイドラゴン」のパーツが対象なだけでも十分と言えます。

3色の色を持っていることもデュエプレのマナシステムでは強みとして作用するものです。

期間が空くと忘れそうになっている人もるので、念を押して言っておきます。

このゲームの多色、特に3色のカードは異次元に強いです。

シータカラーを基盤にするすべてのデッキの強化と言えるでしょう。

色枚数の厳しくなってくる4色以上のデッキにとっては朗報で、近頃芳しい活躍の見られない『5cコントロール』にはこれと「ガード・ホール」の2枚で5色が揃う組み合わせとなります。

これを使いたいがためにデッキの採用色を増やすということも起こり得るほどのパワーカードです。

難点を挙げるとすれば、勝利シリーズすべてに対応するホールとして「ボルシャック・ホール」「ガロウズ・ホール」「リバイブ・ホール」の3種が既に存在することがあります。

いくら3色が強いとは言っても色の合わないデッキには入れられませんし、基本的に多色が強いゲームなことからデッキの多色比率が高くなりがちで、そうすると単色への需要もでてきます。

「ボルシャック」は5コスト以下を2体出せ、「ガロウズ」はバウンスと小型エイリアンの2体出しと「ランブル」や「ガンヴィート」が選択肢にあり、「リバイブ」はこのカードが触れない墓地を回収対象とします。

カードパワーだけを見て無思考に「リュウセイ・ホール」と確定することなく、柔軟な思考が求められるでしょう。

また、このカードの存在ゆえにハンターサイキックの実装がためらわれる可能性がありそうなのは懸念点です。

いずれも強力なシステムクリーチャーであり、実装をまだ諦めていない人もいることでしょう。

もし実装されることがあれば、現時点でもトップクラスのパワーを持つ「リュウセイ・ホール」の評価は更に向上していきます。


付属する勝利シーズには共通した特徴があります。

・3色持つことから対応する呼び出し元が多い
・文明参照進化元として優秀
・「プリンプリン」以外は種族にコマンドとドラゴンを持つ点で優秀
・各シーンで腐りづらい効果

いずれも強力なカードで、今後呼び出せるカードが入るデッキではほぼ100%と言っていいほどに3点セットで採用されていきます。

「勝利のガイアール・カイザー」は、しばしば”生姜”の略称で親しまれるカードです。

サイキックのSAはそれだけで価値が高く、「ガイアール・カイザー」より打点が落ちるものの、コストの低さと対応する呼び出し元の多さで圧倒的な出しやすさがあります。

特に火文明を採用しない、それこそSAと真逆の性質を持つドロマーカラーなどでも容易にSAを持つことが大きく、これの登場以降常に盾が0の状況でとどめを刺されるリスクが向上しました。

加えてターン限定のアンタップキラー効果を持ち、序中盤でも盤面処理役として安定してアドバンテージを取ってくれます。

選ばれない効果持ちへの対策として有用で、「アンタッチャブル」や「ベルリン」などはこのカードが天敵です。

「ボルシャック」「ミカド」「ロマノフ」「ガード」「ガロウズ」「リュウセイ」の各ホールはこのカードを含めて2面処理できるカードとして対ビート性能が高く、闇のサイキックを出せるカードではこれと「ガンヴィート」でタップ・アンタップの両方に対応できます。

「ミカド」のパワー減少を活かせば7000までを除去範囲とできるのもポイントです。

また、アンタップキラー効果はcipのため、出したターンにリンクした場合や進化した場合にはその変化先のクリーチャーにも引き継がれます。

まだ先のカードとはなりますが、攻撃時に手札から進化させるカードとは極めて相性が良いです。

一時はあまりの強さに規制の可能性も示唆されたほどの性能を持つカードです。


「勝利のプリンプリン」は他2枚と比べるとコストの低さゆえに地味に見えますが、むしろそれ故に出す方法が多く、他2枚以上に高い採用率を誇るカードです。

選んだクリーチャーが攻撃もブロックもできなくなる効果は、通称”プリン効果”とも呼ばれ、ブロッカー以上に確実な防御手段として使うことができます。

これは使ってみると想像以上に優秀なもので、選ばれない以外の耐性はほとんど貫通します。

攻撃トリガーはこれ1枚で汎用性をぐっと下げられ、場合によっては2ターン、3ターンと動きを縛られることもあるでしょう。

プリン効果を付与されたクリーチャーが進化元にされた場合は、進化クリーチャーにもその効果が引き継がれるため、時にはそれを見越したテクニカルな運用もできます。

現在のデュエプレには存在しないものの、トリガーでこれを出せる場合には受けとして使うことも可能です。

前述した「ホワグリ」との相性の良さは抜群なものとなります。

また、防御としての効果に目が行きがちですが、ブロックをさせない効果は攻撃補助として使うにも優秀です。

詰めの段階はもちろん、タップキルを阻止する邪魔なブロッカーを止めたり、「パーフェクト・ギャラクシー」のSFを解除するための手段等にも役立つでしょう。

複数回出す可能性があることからこれのみを複数枚採用するケースも多く、採用枚数であれば全サイキック中トップと言っても過言ではありません。

デュエプレでは「ガロウズ・ホール」に4コストと5コストのエイリアンサイキックを出す効果がついているため、エイリアンの姫であるこのカードの汎用性は更に高まっていると言えます。


「勝利のリュウセイ・カイザー」は通称「醤油」「昇竜」と呼ばれています。

唯一下方修正を受けたカードですが、それも致し方ないほどの強力な効果です。

相手の使用可能マナを減らす効果はテンポを取る手段として極めて強力で、たとえば先行で4ターン目にこのカードを出すと、相手は返しのターンにこれを出すことができません。

しばしば相手の行動を1ターン遅らせることから実質的なEXターンとも言われ、先手後手の差を広げる効果でもあります。

紙では6コストであったことから「ミランダ」や「カモン・ピッピー」からいち早くこれを出すことが狙われましたが、さすがにその強さが危惧されての調整なのでしょう。

「メタル」などとは違ってそのターン中マナゾーンに置かれるカードがすべて対象となるため、「ブリザード」や「カスケード」の対策としても有効です。

これと「ジョン」が絡むと、『ブリザード』に対する拘束力はかなりのものとなります。

3体の中では唯一のシステムクリーチャーであり、最終盤以外ではいつ出しても相手への妨害手段として役立ちます。

2打点持っている点も優秀で、単純なアタッカーとして使うにも申し分ありません。

7コストになってしまったが故に「ガイアール・ホール」から「キル」と一緒に出すといった芸当はできなくなってしまいましたが、それでも十分すぎる強さだと言えます。

3種いずれも最強格のサイキックであるため、これ以降は個性のあったサイキックも選別が進んでいくと考えられます。

これは紙ではサイキックの没個性を招いたとして反感を買うこともありましたが、デュエプレはその上でほぼそのままに出してきました。

細かに調整されてきたここまでのサイキックたちが今後どれほど通用するのか、一つ見ものです。


唯我独尊ガイアール・オレドラゴン

事前評価:10
FT:アンノウンめ!必ず滅する!!オレこそが唯一、最強のドラゴンなりー!!!――唯我独尊ガイアール・オレドラゴン

紙からの変更点はありません。

背景ストーリーでは、ハンターとエイリアンが和解した後の宴中にパンドラ・スペースに星を落として滅ぼした「偽りの名13」に敵を討つために、エイリアンの姫である「プリン」とハンターの戦士「ガイアール」「リュウセイ」が手を取った姿です。

同じくさらなる力を得たエイリアンの「ガロウズ・ゴクドラゴン」と共にアンノウンへ立ち向かいます。

「偽りの名13」を無事討伐したものの、その直後”虚無のアンノウン”とされる本編のラスボスが現れて…

というところでこの17弾は終わりのようです。

次回18弾のラスボス登場を待ちましょう。

さて、背景ストーリーでの活躍のように、このカードも他の覚醒リンククリーチャー同様にフィニッシャーとして最強格の強さを持ちます。

耐性を持つワールド・ブレイカーというだけでも十分ですが、ポイントになってくるのはバトルに勝った時の効果です。

リンク元を出す順番は工夫する必要がありますが、「勝利ガイアール」のアンタップキラー効果を引き継ぐことが可能なため、「勝利ガイアール」を出したターンにリンクするとそのまま相手の全クリーチャーを壊滅させることができます。

そうなるとバトル勝利時の2ブレイク効果はトリガーを踏む恐れが出てきますが、それはご愛嬌です。

時にはワールド・ブレイクをするかの択を迫ってきますが、盤面を処理しながらの盾詰め効果は高い制圧力となります。

このカードの強みは、なんといっても出す順番を問わないリンク手段です。

デュエプレにはPSリンクがあるために若干優位性は落ちますが、それでもこれ自体が弱体化を受けたわけではないので気にする必要はないでしょう。

汎用性の極めて高い3パーツで順調にアドバンテージを取りながらこれの完成を目指すことができ、ついでに準備をするにしては強力すぎるフィニッシャーです。

解除を持つために雑にリンクしてしまっても損がなく、場合によっては早い段階からリンクを匂わせて圧を掛けることもできます。

感覚としては超次元ゾーンを食わなくなった「ラストストーム」といった感じで、メインギミックに積む必要のないフィニッシャーとして長い活躍が期待のできるカードです。


母なる大地

事前評価:9.5
FT:大いなる大地の力よ!今ここに奇跡を起こさん!

紙からの変更点は、コストが3から7になった点です。

VRとしては異例のPV付きで公開されました。

紙では今なおプレミアム殿堂に指定された凶悪なカードで、規制解除は二度とないだろうと言われるほどの伝説のカードです。

このカードの特性を端的に表現すると、マナゾーンの非進化クリーチャーがすべて手札になるということです。

基本的にデュエル・マスターズはどんなに強力なカードでもマナゾーンに置かれるとマナを生み出す役割のみに均質化されます。

その前提を覆す効果を持ち、あえて言えば掟破りな効果です。

また、本来カードをプレイするには同じ文明をマナゾーンに必要とするのに対し、こちらはそれさえ無視してマナの枚数のみを参照します。

極端な話がデッキに全くかみ合わない色のカードをこれによって場に出すことができ、かつての”タッチボルバル”のような構築が合法的に許容されることとなるのです。

このカードのプレイ時に自分のクリーチャーを1体マナに送っていることから、本来そのターン使用可能なマナの+1コストまでのクリーチャーを踏み倒すことができ、その点でもルールの根幹に抵触してきていると言えます。

組み合わせによっては今までよりも着地ターンが1ターン早まるというものもあり、たとえば「永遠リュウ」は2コストブースト→「エコ・アイニー」→「母なる大地」でわずか4ターン目にして着地させることも可能です。

要約すると、

・マナの非進化獣がすべて手札となり
・文明を無視することができ
・使用可能マナの+1を出せる

という、このカードならではのアイデンティティがあまりに多すぎるカードです。

この特性を拡張していくと各種フィニッシャーの1枚積みが確立したり、ブースト重視の構築が重視されたりといったことが起きてきます。

デュエチューブにて公開されたサンプルデッキもそのチュートリアルのようなものでした。

似た形のデッキは今後一定数見られてくると考えられます。

大型を踏み倒すのがメインとはなりますが、戻したクリーチャーをそのまま出すこともできるため、cipの再利用も可能です。

時には除去効果持ちやハンデス獣の使い回し、シールドフォースの切れた「パーフェクト・ギャラクシー」を再度出しなおすなどのテクニカルな使い方もできるでしょう。

加えてトリガーを持っているため防御として使うこともでき、マナが伸びた状態で「GILL」や「コルテオ」などの複数面止まるカードを忍ばせておくと相手は否が応でも「母なる大地」の存在を意識させられます。

ここまででも規制に値する汎用性があることはある程度伝わるかと思いますが、さらに悪いのが相手も対象に選べるということです。

相手のフィニッシャーを小型に変換してしまう使い方はもちろん、デメリットを持つクリーチャーを無理やり引っ張ることができます。

これのために、cipがデメリットに働くクリーチャーをマナ埋めするには慎重になる必要が出てきます。

デメリット持ちのクリーチャーはそうないように感じる人もいるかもしれませんが、たとえば「N・ワールド」を相手のタイミングで出されたり、場にクリーチャーがいない状況で「オルゼキア」を出されたりといったことが起こり得ます。

ゲームが長引いた際には「青銅の鎧」などを出されただけでライブラリアウトのリスクが見えてきたりと、考えるほどに複雑性が見えてくるカードです。

サイキッククリーチャーに当てた場合は、マナの総数は増えずにマナのカードを場に出させるため、実質的なランデスとして使う芸当もあります。

もちろん、出たクリーチャーは召喚酔いするため、トリガーで使った時にはこの用途でも防御に使うことが可能です。

似た使い方のできるカードには「リアルとデスの大逆転」がありましたが、トリッキーな使い方しかできなかったこちらと比べると、あまりにもカードとしての強さに差があると言わざるを得ません。

気になる点を挙げるとすれば、現状率先して踏み倒すクリーチャーが存在しないということがあります。

とはいえ、状況に応じて2~3枚採用したフィニッシャーやロック性能を持つクリーチャーを出すだけでも十分です。

逆を言えば、この先「サファイア」や「永遠リュウ」を軽々超えるようなフィニッシャーも登場してくるため、今後「母なる大地」は継続して注目を浴び続けると想定されます。

古の禁呪であるこれが今実装できるのは、決してインフレが進んだからではありません。

むしろインフレが進むごとに真価を発揮していく、将来的な規制の可能性まで孕んだカードだと言えます。

今回実装される理由は…正直わかりませんが、『ライゾウ』『キリコ』がND落ちしていく中で、大胆な踏み倒し手段を一つ出しておきたかったのかもしれません。

超次元環境で、サイキッククリーチャーに当てるとアド損になる点も考慮されているのかと思います。

もう一つ懸念を挙げておくならば、これが7コストとダブルアクションが難しいコストである点です。

紙ではたったの3コストであったことから、他のカードを使った片手間に使用することができたり、ブーストカードを撃ってから使ってより高いコストのクリーチャーを踏み倒すことができました。

7コストではその運用は難しく、ゲームがよほど長引くか「ババン・バン・バン」などを用いない限りは基本1アクションでそのターンを終えてしまいます。

場に生贄となるクリーチャーは必要になるので、何もいない状態から使おうと思えば10マナ前後を求められることとなります。

「エクス」はその点実質0マナで生贄を用意できるので相性がいいですが、回復できるマナ数と同じであることもデザインの上では意識されていることでしょう。

総合的に判断すると、このカードでできることがあまりに多く、同時にこのカードでしかできないことも併せ持った攻守に使える万能カードです。

ただし、無思考に4枚突っ込んで活躍する”雑に強い”と言われるカードかと言われれば考える必要があり、まずは2枚前後投入して器用さを検証していくカードになるかと考えられます。

このカードを無理なく4枚投入して根幹に据える、『母なる大地』デッキが誕生することがあれば、その時はデュエプレというゲームが一つ今までと様相を変えているのかもしれません。

余談ですが、2019年に紙のYoutuberが投稿した動画で現代の「母なる大地」の適正コストを議論するものがありました。

結論は…動画をご覧ください。


おわりに

長くなった解説もどうにか終えることができました。

だいたい1記事一万字ほどで5記事書くので、仕事が多忙なこともあって今までで一番苦しみながら書いていた気がします。

どうにか終えられた安堵の方が今は大きいですが。

最後になったこの⑤では、満点に近いカードがいくつも出てきました。

これまで紹介したカードの中にも、環境を塗り替えるようなものは何枚もあり、多色推しな弾に見合ったインフレ弾になると考えられます。

ゲーム速度がより加速していくのは不安ですが、グッドスタッフ性の高いカードが多く、多様なゲームシーンが出てきそうな点は楽しみです。

2日後のリリースを心待ちにしましょう。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

また環境が落ち着いたら考察記事を書いていくと思いますので、良ければその時もよろしくお願いします。

それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?