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遊びの役割

保育士として働いていて、子ども達と関わる中で、感じたことがある。

遊びの中で、身体の発達や、感覚から物事を認識したり考えたり行動したりすること、友だちとのコミュニケーションなどなどを学んでいると思っているのだけど

自分を癒すという役割も備わっているのだなということを、子どもとのやりとりで感じた。

4歳の子と遊んでいた時のこと。

その子は、私を見つけると、必ず、お医者さんごっこを始める。

子「はい、今日も入院ね。ここで寝てください。注射しますね。」

と言いながら、手足に輪投げの輪をはめられ拘束。

それから、10本くらい、注射器に見立てたままごとのスプーンを腕に押し当てらる。

私「先生、痛いでーす」

子「もうちょっとだから、頑張って。あー、イマイチですね。もう一回打ちますね」

というやりとりが続く。

どうやら、検査入院をしたときに、血管が細いため、何度も採血をし直したことがあるのだとか。

それは、注射嫌いの私からしたら卒倒モノだったりする。

この子もひょっとしたら同じだったのかなと、スプーンの注射をされながら思っていた。

そのままごとが2週間くらい続いて・・・

またある日、その子と遊ぶ機会があったのだけど・・・

その日は全く近づいてこない。

その子が何で遊んでいるか見ていると、お母さんごっこになっていた。

病院での出来事を、その子なりにやり切って、違うことに目が行くようになったのかな?と感じた。

それから、その子と遊ぶことはあっても、大量の注射を打たれることは無くなった。

大きな災害があった後に、子どもがその出来事をごっこ遊びにするという話を聞いたことがあったが、こういうことなのかなと感じた。

遊びを通して、自分の中で整理をしていく。

大人も、遊ぶことから得られるものって大きいと思う。仕事のヒントが湧いてきたり、視野が広がったり、違う角度から物事が見れたり。

遊びについて、興味深いなと思った出来事だった。

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