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6/30東証グロース市場に上場しました。上場までの道のりを感謝とともに振り返る

2023年6月30日、株式会社クラダシは東京証券取引所グロース市場へ上場しました。2014年7月に関藤が創業したクラダシをここまで育てていただいたステークホルダーの皆様、本当に有難うございました!

取締役執行役員CFOの髙杉です。
#上場記念アドベントカレンダー の一環としてこの大きな節目に何を書こうかと。
考えるまでもなくゼロからスタートさせたIPOプロジェクトを振り返らなければ!ということで、向き合いつづけてきたIPOプロジェクトとその周辺をなるべく要点をしぼって書いていきたいと思います。
社内の仲間には、髙杉が何を考えながら過ごしてきたのかが少しでも伝わればいいなと思いますし、同じミッションに向き合っている/いた方々には共感していただけることがあれば幸いです。

職歴:EY監査法人6年半→GCA(現フーリハン・ローキー)3年→クラダシ2020年1月~

クラダシはなぜIPOを目指したのか
それは一言でいえば成長のための手段です。
クラダシが取り組むフードロスという待ったなしの社会課題を解決するためには、社会インパクトの最大化へ最短距離をいかなければいけません。そのためにはクラダシが最速で成長しフードロス削減量を最大化するためにあらゆる手段をとる、フードロス削減プレイヤーの第一人者のポジションを確固たるものにして認知をとる、大手メーカーを巻き込むため社会的信用を高める。IPOはそのための手段です。
そんなことで2019年、関藤と河村はIPOを目指すことを決意し、2020年1月に髙杉が参画しました。

参画の決め手
それはMissionVisionへの共感です。頑張って会社を大きくしたらその分社会が良くなるなんて、そんな幸せでやりがいのある仕事ありますか!この幸せな構図の中で、プロフェッショナル職で蓄積した知見を生かして事業に没頭したい!そんな思いで参画を決めました。

参画してからは取締役CFOとして、IPOを見据えながらも、「IPOは手段であって目的ではない」を肝に銘じて経営全般にフルコミットしてきました。そのため冒頭ではIPOプロジェクトを振り返ると書きましたが、IPOプロジェクトだけを切り取ることはせずに、この3年半の歩みを全体的に振り返りたいと思います。

・ガバナンス構築
・経営戦略、事業計画、予実管理
・ファイナンス、バリュエーション

ガバナンス構築:ゼロから最短距離をいく

参画当初、ガバナンスに関わるあらゆるもの、バックオフィス機能や会議体、規程関係はほぼなく、ゼロに近い状態でした。これはやりがいしかないなという状態でしたし、逆に体制構築をスムーズに行えたという点も含めて、今思い返しても本当に当初からワクワクしていました。
とても大きかったのは、マイナスからのスタートではなかったこと。代表である関藤のソーシャルグッドな精神は創業当初から体現されており、ソーシャルビジネスの経営者たるもの疑念をもたれるようなこと、説明できないこと、ムダなことは徹底して排除していました。
ゼロだからこそ最初から最適な形に最短距離を進めたことは、最終盤の上場審査のボリュームを非常に軽くすることができた大きなファクターでした。以下はn-3期からのおおまかな流れです(教科書的な流れと大きく異なることないのでダイジェスト)

n-3期:バックオフィス構築

会計システム/労務管理システム/在庫管理システムなどのシステム導入、入出金/経理/契約/稟議/与信管理/取引先管理/経費精算などのフロー構築、規程/帳簿整備、内部統制をにらんだ業務フローの構築

n-2期:組織化(仲間集めと機関設計)と内部統制整備

バックオフィスメンバーの仲間集め(ほぼリファーラル)と社外役員の招聘と取締役会を代表する機関設計、そして内部統制の整備

n-1期:運用(証券会社と二人三脚)

運用していくなかで磨いていく過程

n期:上場書類作成と審査

証券審査を開始するための上場書類作成+証券審査本番6ヶ月+東証審査2ヶ月

大切にしたこと
バックオフィスを含むガバナンスを、ただ守りととらえて構築することは結構簡単です。なぜならあるべき論で強いルールを敷いていけばいいだけですから。
でもそれはロス間際の食品を1.5次流通という新しい流通によりレスキューするクラダシにおいて、スピード・柔軟性・革新性が重要なクラダシにおいて、ナンセンス。
ガバナンスを会社が健全に発展していくための仕組みととらえ、事業に寄り添い、リスクを正しく把握し事業成長を促進するような体制を常に意識して構築しました。
このビジネスだからこそのリスクと常に向き合い、工夫しつづけ、フードロス削減という社会課題に挑戦しつづけるためのガバナンス体制とはどういう姿か。その命題に真摯に向き合い、考えつづける経営陣と管理部は本当に心強い仲間たちです。


事業計画、予実管理:ビジネスモデルと向き合う

事業計画、予算をゼロから策定しました。事業計画や予算はPLに代表される財務数値や資金の将来計画のことです。もしかしたら単なる数字の羅列であり数字遊びに映るかもしれませんが、その策定過程は全くそうではなく、クラダシのビジネスの本質と向き合い、ビジネスモデルを定義する作業でした。

収益の本質的な源泉は何か、その源泉を深堀り拡大するためには何が必要か、ひいてはその拡大ペースを予測するKPIは何か。そんなことを考えながら将来の方向性を内外に指し示す。それが事業計画です。
予測することと方向性を指し示すこと、この似て非なる両側面を備えた形で策定し、その後の実績推移を観測しながらそのクオリティを上げていく作業を反復継続することで現在にいたります。

事業計画策定と予実管理の日々を振り返ると、この3年半において2つの大きな意味がありました。

  • 確実に事業計画が業績を押し上げた

事業計画を経営陣が策定し内外に指し示すことはすなわち経営陣がその数字にコミットすることと同義です。そのコミットをベースに戦略戦術を練りチームを組成しコトに全力で向き合うから成長する。この3年半の高成長はフードロス削減の認知が上がってきたなど外部環境の追い風もありましたが、それ以上に人が事業をつくり、育て、成長させてきました。人の想いが強い事業をつくるんだなとリアルな実感があります。

  • 上場審査における重要論点である予実管理能力をクリアできた

上場審査において、ガバナンスと同等かそれ以上にハードルである予実の精度においても問題なく無事にクリアできたのは、IPOプロジェクトにおいては非常に大きな意味のあるものでした。特に、クラダシは上場期が最終赤字であるいわゆる赤字上場です。詳細はここでは割愛しますが、この赤字上場における予実管理に求められる役割水準は非常に高く、これをクリアできたというのは予実管理する側もさることながら、実績を出しつづけたフロントも含め全員で成し遂げたことであり、クラダシの全社的な自力を認めてもらえたと心の底から誇らしいです。

マッチングビジネスでありリボンモデルであるクラダシのビジネスは、ストックビジネスではなくフロービジネスのため、その分予実管理の難易度は比較的高いですが、今後もその精度の向上に向き合い、邁進していきます。

ファイナンス、バリュエーション:ステークホルダーの変化

スタートアップベンチャーはファイナンスが生命線といっても過言ではないと思いますが、クラダシは様相がだいぶ違いました。
まず多額の初期投資は必要なく、またビジネスモデルのキャッシュサイクルが短いので運転資金は多くは必要ありません。そして創業2期目から黒字でした。
そのためファイナンスに関しては以下のような流れで、純粋なファイナンスとは他に、明確な意図をもって3年半という短い期間で3つのフェーズを経験し3種類のステークホルダーと向き合ってきました。

  • デットファイナンス(~n-2期):銀行

まず黒字経営だったため、多少の資金需要はデットファイナンスで賄えましたし、それにも増して食品メーカー開拓のためのビジネスマッチングを展開する意図を明確にもちながら各銀行と連携しました。
まだまだクラダシの知名度と信用度が足りない時期、長い歴史をもたれている会社様が大半の食品業界に入り込んでいくために、銀行のネームバリューを活用させていただきました(現在も継続中)。銀行の皆様には本当にお世話になっております!これからもどうぞよろしくお願いいたします。

  • エクイティファイナンス(n-1期):VC

業容拡大期を迎えた時期に、もう一段アクセルを踏み成長を加速するため、クラダシ初のエクイティ調達を実施しました。
主に認知拡大のための広告宣伝費に活用する意図でその原資となる資金を調達しましたが、それに加えてクラダシに共感いただき継続な事業成長をサポートしていただける仲間集めという意図と、IPOを見据えて対外バリュエーションをつけておく、という意図がありました。
今までエクイティ調達をしてこなかったクラダシは、投資家との接点が一切ないゼロからの挑戦でした。エクイティストーリーの構築から始まり、リードインベスターを担っていただけるVC探し、事業連携の可能性を探りながらのCVC・事業会社との交渉、クラダシのMissionVisionとの親和性が高いインパクト投資家との出会い、VC特有のバリュエーションロジックとの格闘、などなど初体験を存分に楽しみました。

この初のエクイティ調達プロジェクトの真っ最中に戦争が始まり、ベンチャー、特にレイターステージへの風向きが一気に変わりました・・・
その環境の変化は皆様が書かれているので私が言及するまでもないですが、リアルに「レイターステージへの投資は凍結する判断をしたので」とはしごを外されるということがあり非常に難しい変化を経験しました。

そんななかでもクラダシの価値を誠実に評価いただき出資してくださった株主の皆様には感謝の思いでいっぱいですし、その荒波を共に乗り越えた仲間だからこその強い信頼関係で強力にサポートしていただいています。

  • IPOファイナンス(赤字上場):機関投資家(+証券会社)

このフェーズはホット過ぎていろいろ書きたくなり収拾つかなくなりそうですが、、あえてまとめるとすると、二つかと思います。

一つ目は、どんな逆境にあろうと確固とした信念をもち諦めずにコトに向かえば、その信念は伝わるし見てくれている人は必ずいるしそれを手繰り寄せることができるということ。
特に赤字上場に対するIPO市場の評価はこの1~2年でガラッと変化し、常に赤字上場の是非を問われつづけました。ただ上で書いたようにクラダシのIPOの目的は社会インパクト最大化の最短距離をいくための手段。その目的からすると当初のスケジュール通りに上場できるときに上場する、それが中長期での企業価値最大化につながるとの信念のもと、ステークホルダーの皆様と向き合いながらひとつひとつハードルをクリアし、か細い糸を手繰り寄せるようにして6月30日を迎えることができました。

二つ目は、明らかに上場前後でファイナンスのフェーズが変わるなと実感したこと。IMやロードショーなどの機会で上場後のいわゆるIRの中で重要なステークホルダーである機関投資家の方々と多く接しました。そこで実感したのは、上場後は社会の公器として様々な投資ポリシーをもつ不特定多数の投資家の方々と平等に接する準備を常にする必要があること、また投資家からするとクラダシは多数の上場企業のうちの1社でしかないところからのスタートだということをしっかりと認識する必要があるということ。
IR活動は思ったよりも未知の領域。またゼロからのスタート!変化を楽しめそうです。

感謝と今後

ここまで大まかに振り返りましたが、何一つとして私一人で成し遂げられたことはありません。

まずは「アニマルスピリッツ」あふれる経営陣。誰もが石にかじりついてでもコトを為すという情熱をもって1.5次流通という今までにない市場を開拓してきました。誰が欠けてもここまでたどり着けなかったし、だからこその達成感を覚えていると思います。ただ7月1日にはもうその達成感を置き去りにしてアクセル全開で走り出す。そんな皆がサイコーの同志です。

そして管理部のみんな。いつ成就するかわからないIPOプロジェクト。オープンにできない状況を深く理解し、穏やかで相談しやすい管理部のスタンスを崩すことなくも、その実、水面下では歯を食いしばってここまで突き進んだみんな一人一人を心の底から誇らしく思います。

そして7月から上場企業。社会の公器としての責任が重くのしかかりますが、とはいえ1年目!小学1年生のように、若干の不安を抱きつつもその何倍も新しい出会いへの期待にワクワクしています!
CFOとして企業価値の最大化にフルコミット。アニマルスピリッツ全開で邁進してまいります。

クラダシはここからがスタート!ソーシャルグッドカンパニーとしてビジネスの力で社会を変革する、その仲間を募集していますので、お気軽にご連絡ください!


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