大量の千切りのじゃが芋をフライパンに投入し丸く焼いた物体

じゃが芋のガレット、という料理がある。
インターネットの発達しているご時世「じゃが芋のガレット」と検索をすればいったいどんな物体であり、いかなる工程を踏んで出来上がるものかというものは出てくるのではあるが、平たくいうなればじゃが芋を細かい千切りにしたものをフライパンで丸く香ばしく焼き上げたものだ。
もちろんレシピによっては芋の間にチーズやウィンナー、ハムを挟むバリエーションなどもあるが、基本はこれでいいはずである。

かくいう私自身も、じゃが芋が大量に手元にあり、かつ、じゃが芋を大量に千切りにする工程を厭わない気分の時にこれを作るときがある。
これが作るにあたって中々うまく芋同士がくっつかず、パリパリに焼かれた細かいじゃが芋、となってしまうことがほとんどなのだが。

しかし、思うのである。

「お前は昔、ハッシュドポテトという名称ではなかっただろうか」

昔の記憶をたどると、母親が所持していた栗原はるみさん著書の料理の本にはこれと同じようなものが「ハッシュドポテト」として出ていたことをぼんやりと記憶している。題名を失念してしまったが、千切りにした食材がフィーチャーされた章に載っていたレシピのうちの一つであったように思う。

興味本位に検索してみると、ハッシュドポテト、で検索した際はどうやらマクドナルドなどで出てくる、油で揚げられた方のハッシュドポテトがよく検索の結果として挙がってくる。
もちろん、少なくはあるが焼いた様式のハッシュドポテトも存在するのだが、現在「千切りにしたじゃが芋を丸く焼き上げたもの」については「じゃが芋のガレット」と称される方が優勢なのかもしれない。
名称としても、フランス語のガレットが入っている方がおしゃれな雰囲気になる、というのもあるのかもしれない。

しかし、この物体がハッシュドポテトと言われていた時代を体験した私にとっては、インターネットがどうであろうと「千切りにしたじゃが芋を丸く焼き上げたもの」を作る際の私の気分によって、これを「ハッシュドポテト」と称するも「じゃが芋のガレット」と称するも自由である。

などと、珍しくこの「千切りにしたじゃが芋を丸く焼き上げたもの」がバラバラにならずまとまったまま焼きあがったので、つらつらと書いてみたのであった。

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