くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第23回 「時間って時計を見ても意味がわからないよね?」ってお話
[寺] 前回は「時間の感覚が二人とも普通の人とずれてるんじゃないか?」というところでブリッジしましたね。
[く] はい、スケジュール管理については本業では課長の配慮でわりと何とかなってきてはいるんですが、日常的だったりライター仕事だったりはやはりごちゃごちゃなわけです。
[寺] まったく見積もりも見通しもあったもんじゃない、というところですよね。あまり大きな声では言いにくいことですが。
[く] ええ、書き物についての見積もりは全然アテにならないですね。それで、スケジュール管理に関する本を何冊も読んだわけです。そうすると「時間感覚そのものが世間と一致してないのでは?」と感じるように。
[寺] 具体的にどう言うところで違和感が?
[く] 時間の進み方に実体がある感じしますよね。だから掴めるしコントロールもできる。
[寺] くらげさんにとって時間の感覚は「掴めないもの」なんですか?
[く] そうですね、時間は「制御不可能」なものの一つです。確かに頑張ればある程度の制御はできるんですが、どんなにスケジュールを作ろうが工夫しようが「暴れる」ものですね。ついでに言うと「今」自分が何をしているのかしょっちゅう忘れます(笑)
[寺] 私の場合は自分の時間の感覚の問題というより、周りの動きを予想して予定に組み込むのが下手なのでうまく制御できてないという感じです。くらげさんは「自分」の時間軸も感じないんですね。
[く] 寺島さんが時間軸を持っていると自覚しているのはちょっと意外ですね。
[寺] でしょう(笑)私一人の時間軸では、おおむねのことが予定通りに出来ますし、先の事も整理されているんです。ただ、予定が変わった時の対応が上手くできないということと、いざマンガを描き始めると集中してしまってほとんど時間の感覚はなくなるという部分があります。描きはじめると何時間もほとんど身動きせずに作業に没頭するから「時間の感覚がなさそう」と言われるんでしょうね。
[く] ボクは『時間軸がない』」で寺島さんは『時間軸が独特』というのはありそうです。
[寺] 「時間軸がない」と言うか、これまでの話を聞いているとくらげさんは「今」しかなさそう(笑)
[く] だいたい1分前に何しているか覚えてないですし、1分後に何をしているか、という確信も持てないです。常にバブルのように一瞬で膨らんで破裂していくのが時間の感覚。
[寺] 私は流れる水の塊のようなイメージです。 なるほど、こうして聞いていると、くらげさんの状態を間の感覚が曖昧な理由がなんとなく見えてきましたよ。調子がいい時(その物事に関心のある時)と、ダメな時の差が激しすぎて、これくらいのことをやったらこれくらい時間がかかるというメーターが頭の中で育ってないからなんじゃないかなぁ。
[く] それはありますね。以前も話しましたけど、「何をするか」のハードルがランダムな可動式ですから。あと、物事の関心もそれこそ秒単位で移り変わりますし。
[寺] それは「見積もるだけムダ」と脳が判断しますよ(笑)
妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。