スクールソーシャルワーカーが今すべきだと思うこと
世の中休校騒ぎ。
こんな時だからこそ、スクールソーシャルワーカーが、できる事、今すべきだと思う事は、冷静に整理しておきたい。
そもそもスクールソーシャルワーカーとは
本来受けられるはずである、社会的なサービスを受けられずに孤立してしまっている子どもやその家族に対して、福祉的なサービスや地域の居場所等を紹介して、社会化をしていくというしごと。
その福祉的なサービスにも2つのパターンがあり、主に行政機関が実施している「フォーマルサービス」と、地域や民間で実施している「インフォーマルサービス」に分かれてくる。
学校を巡回しているスクールソーシャルワーカーは、孤立してしまっている子どもや家庭を学校からヒアリングして、基本的には「フォーマルサービス」につなぐことができるのだが、「インフォーマルサービス」にはつなぐことがなかなか難しい現状がある。
何故か。
それは所属が教育委員会(行政セクター)だからである。
地域や民間で実施している「インフォーマルサービス」につなぐためには、行政セクターとして公平性を期すために、基本的にはコンペやプロポーザル等の段階をふまないといけないという前提がある。
それに加え、学校等で得た個人情報に関しては、地域や民間業者等と共有するためには、当然保護者の同意を得なければならず、そこでNOが出たら前に進まない。
さらに、スクールソーシャルワーカーは各自治体にて、要保護児童対策協議会という会にも参加している時がある。児童福祉法の観点から、そこで得た情報はその会以外に口外できないという事になる。
以上のような理由から、連携するには、やってできないことはないものの、時間と手間がかかるといった現状がある。
特に今回のような緊急事態には、時間がかかることは命とりになってくる。
地域と、はやくつながる
今回のような休校や、災害の時というのは行政セクターは動きが遅く、場合によっては地域の実情に沿っていないサービスを展開することも中にはあるかと思う。
こういった緊急事態にはやはり、即地域のニーズに手が届く「インフォーマルサービス」が効果的になってくる。
ではスクールソーシャルワーカーが、時間をかけずに「インフォーマルサービスに」利用者をつなぐためにはどうしたら良いか。
それはずばり、「社会福祉協議会」との連携だと思っている。
社会福祉協議会という半官半民の組織と連携をすることで、即地域と繋がることができ、時間をかけずに支援へとつなげることができる。
3月から始めていること
寄って今回の休校関連に付随するスクールソーシャルワーカーの動きとしては
孤立してしまっている子ども、家庭を学校からヒアリングする
⇒家庭訪問等を中心としたアウトリーチで直接声を聞く
⇒まずは「フォーマルサービス」をあたり、学校や子ども家庭支援センター等でできることがないか等検討
⇒社会福祉協議会と連携し、地域で「インフォーマルサービス」を実施している団体等の情報交換
⇒利用者をつなぎつつ、見守りを継続
という段階を踏みながら、休校対応に関しては進めていきたい。
昨年、災害のボランティア派遣等で、社会福祉協議会がそのコーディネートをしていったが、今回の休校対応に関しては、スクールソーシャルワーカーも軸となり、そのコーディネートをしていくべきだと思う。
孤立しがちな子どもの情報を持っているのは、親の次に子どもと接する時間が長い、学校の先生である。スクールソーシャルワーカーはその内側の情報を知ることができるので、支援が必要な子どもの情報をスピーディーに取り入れることができる。
情報を仕入れてから、いかに資源とつなぐかの、今はスピードが大事になってくる。
今こそ、スクールソーシャルワーカーが、社会福祉協議会と連携しながら、積極的に動くべきときであると、私は思っている。
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