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私が地域に拠点を作りたい理由

 昨年から数年空き家だった畳屋さんを改装して、そこで地域の役に立つような拠点づくりをしようと思っています。

 私がそのような拠点を作りたいと思った理由は、主に2つあります。

おばあちゃん家の心地良さを再現したい

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 今はもうないのですが、私の幼少期、夏休みに行っていた母方の実家がとても大好きでした。

 古民家のような作りで、土間があり、縁側があり、囲炉裏があり、土足の台所があり、竈もある。襖を開ければ広い畳スペースになり、そこで親戚みんなでご飯を食べる。

 そして、この土間スペースには、いつも近所の人が遊びに来ていました。そこでお茶をしたり、お酒を飲んだりしながら、お喋りをしてくつろいだり、おばあちゃんの織物教室が始まったり、カラオケが始まったり等、いつも誰かしら人がいて、各々が勝手に自分のやりたいことをやっていて、とても自由な家でした。

 そこにいけば誰かに会える、そして自分のやりたいことも表現できる。

 子供心のなかに、その心地良さというものが残っており、いつか私もこのような空間を作ることができたらなと、そう思っていたのがきっかけです。

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友人の死

 私が18歳のとき、友人が他界しました。

 彼が自ら逝ってしまった前日、私は友人と3人でビリヤードをしていました。楽しかったその夜の翌日に、まさかそのような事態が起きるとは夢にも思いませんでした。

 2つ、思ったことがあります。

 1つは、人の命は有限だということ。限りあるものだからこそ、今を懸命に生きていこうと思いました。彼の分も含めて。

 2つめは、彼の生きづらさを拾えるアンテナを、生涯をかけて研究し、自分の中に持ちたいということ。その予兆・シグナルに私は気づくことができませんでした。本当に、全くもって、気づくことができませんでした。

 私は今、紆余曲折を経て、スクールソーシャルワーカーという職についています。孤立しがちなこどもや家庭を、地域等と接続して包摂していくという仕事です。そこで色々な子どもと出会い、彼らが何に生きづらさを感じているのか、常に考えています。

 そして自分でもその拠点を作っていくことで、来てくれた人の見えないシグナルを1つでも拾っていきたい、そんな思いで拠点を作ろうと思いました。

 とはいえ、あまりにもそのような福祉の匂いがする拠点だと、逆に入りにくくなってしまうかと思うので、やはり何か楽しいイベントであったり、例えば「駄菓子屋さん」等一見そのような匂いがしない、雰囲気を目指したいと考えています。そして、地域の人が何かやりたいことがあったら、そこで表現できるような、あえて余白を大事にしていきたいと考えています。

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 只今、色々と企画準備中です。

 これからどのような拠点になるのか、私も楽しみです。

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