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影を見る



記憶野が花野ならいい過たず色は地層となってほしくて

窓際にひかりを溜めて不在とはまばたくたびに影を見ること

後悔はいつまでも波 溺れないように真夜中だけの波止場を

雨あがりの森に雫が降るといううつくしい時差 泣けるとおもう

金木犀をまず香りから知ったこと 声 思い出しつづけるでしょう


初出:『西瓜』第六号 ともに欄

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