11. 右耳が聞こえない自分への喪失感、不安、焦り。 (外リンパ瘻 発症10日目)
今日で入院7日目。
朝起きると、いつものように右耳の近くのベッド柵ををカチカチを爪で叩いてみた。
右耳からかすかに何か聞こえたような気がした。
もう一度叩いてみる。
聞こえない…か?
携帯のプラスチックケースやルービックキューブをカチカチと爪で叩いてみる。病室は自分1人だけだから多少は叩ける。
はっきりとした音ではないが、何かが聞こえそうなかすかに振動のような響きがした。
気のせいかもしれない。
願望から空耳なのかもしれない。
この耳がもし治らなかったら仕事はどうするか、どうやって生計を立てて行くのか、収入への不安が暗く心に澱み続ける。もし耳が回復しなければ、仕事は続けるのは厳しいかもしれない。今の仕事は耳を使う。
音が聞こえない自分に対するの不信感が大波小波で毎日押し寄せる。自分ができることを、できる範囲でコツコツと積み上げていくしかないのだろうけど。
今までの人生がすこぶるうまく行っていたわけでもない。右耳が聞こえないことで、この先さらに悪くなるとも限らない。たとえ聞こえていても、聞こえていなくても、私は何かについて文句は言うだろうし、何かについて幸運だと思えることもあるだろうし。どっち向かえど、山は続くし谷がなくなることもないだろうし。
投薬内容
内服薬:カルナクリン錠、メチコバール、ムコスタ、キプレス、ネキシウムカプセル、アデホスコーワ、マグミット、アレロック