3. 突然の難聴で耳鼻科を受診。検査内容と先生から聞かれたこと(難聴発症2日目)
【前回の続き】右耳の閉塞感と聞こえの不調が突然始まる→丸1日家で様子みる→起きたら治ると期待して寝る→翌朝(ここからの話)
朝起きると右耳の閉塞感は確実に悪化していた。
右耳から聞こえる音は、電波の悪いラジオで聴いてるようなプツプツとした雑音が混ざって聞こえる。
今日すぐに診てもらえる耳鼻科に予約を入れた。
土曜のクリニックはかなり混んでいて待ち合い室は満席だった。受付行くとスタッフの方が何かを説明してくれるけども聞き取れない。
左耳を傾けて「もう一度お願いします」と伝えた。
左耳は普通に聞こえるはずなのに、びっくりするくりい声が聞こえない。聞こえる左耳を相手にぐっと寄せないと声が聞き取れなかった。
しばらくして診察室に呼ばれると、50代くらいの女性の先生がテキパキと機械を操作しながら診察をしてくれた。
以下、素人知識のため誤った記載や誤認があるかもしれません。
①極細カメラ(ファイバースコープ)を耳に入れて外耳道や鼓膜の状態などを目視で確認。(問題なし。鼓膜も異常なし)
②鼻腔から極細カメラを入れて、鼻腔由来の問題がないか目視で確認。鼻からのカメラは痛いがすぐ終わる。(異常なし)
③聴力検査 右耳は中等度の感音性難聴だった。右耳は4分法で[41.3db]という数値だった。つまり会話で使う音域がかなり聞こえていない。
④血液検査(B型肝炎とC型肝炎の検査)ステロイド投薬するため、肝炎でないことを確認する。
⑤問診
いつ、どこで、どんな状況で起こったのか、今の聞こえの状況、耳鳴りの状況、耳の閉塞感、破裂音が聞こえたか、めまいの有無や程度、日常生活(仕事の内容、心身への負荷、ストレス具合など)、明日の予定(ゆっくり休めるのか)など。
先生から「耳の中でポンッと破裂する音がした?」「めまいはどう?」と聞かれた。
わたしはどちらにも「いいえ」と答えた。
この時の私は外リンパ瘻について全く知らず、何を目的に聞かれているのかがわからなかった。(破裂音、めまいは外リンパ瘻診断の重要キーワードだと後で知る)
私の場合、耳の奥で何かが小さく破れたような感覚はあったが、「ポンッ」とか「パンッ」という破裂音がはっきり聞こえたわけではない。耳の奥でなんとなく何かが破れた感覚はあったが「そんな気がする」という程度だった。何しろ初めて耳の奥で体感した状況について、どの表現が的確なのかよくわからない。めまいについては全くなかった。
問診の時、自分の耳の症状について伝えることはとても難しいと感じる。私は事前に調べていた突発性難聴に関する情報が頭にあって、それに照らし合わせて先生の質問に答えていたようにも思う。耳の不調を医師に伝えることは本当に難しい。
「いつから」「どんな症状」の質問が答えにくい。聞こえの不調はなんとなく始まり、だんだん聴こえなくなってしまっていた。時間の経過と症状の変化はあいまいな境界線しかなく、自分の体験した聞こえの違和感に当てはまる言葉が見つからない。医師に説明すればするほど曖昧さが出てきてしまう。
この数日後に外リンパ瘻という名前を初めて知り、検索すると「まさにコレ」と納得した。
もしこの最初の受診の際に耳の奥で水が流れる音がすることを伝えていれば。もし、破裂音ではないが、何かが破れたような感覚があったと付け加えていば、この時点で外リンパ瘻の診断につながった可能性があったのだろうか。
でもこの時の私は「流水音の耳鳴り」についても医師に伝えていなかった。それが診断において意味を持つ情報の一つだと気づいたのはずっと後だった。
この日はステロイドの薬をもらい、しばらく自宅で様子をみることに。帰り際に先生が「安静に過ごしてね」と声をかけてくれた。この時は私は安静=リラックスしてゆっくり過ごせばいいだろう、くらいに思っていた。そうではなかったことを後に知る。数日後、外リンパ瘻の入院治療で求められた安静は、人生で最も動いてはいけない2週間だった。頭を動かさずにじっと横になり、耐えに耐えまくる気合いの入った安静だった。
外リンパ瘻の症状には個人差がある。
外リンパ瘻の特徴的な症状(目眩や流水音の耳鳴り、破裂音の自覚)が必ずしも発症者全員に当てはまるわけではない。
治療開始時期が遅れると、その後の回復の程度に影響する。発症してから早い時期に適切な診断と治療を受けることで難聴から回復(もしくは軽快)できる可能性はより高くなる。外リンパ瘻は最初の1〜2週間が治療の重要期間。
聴覚が急速に低下する外リンパ瘻。日常生活中の耳への負荷(鼻かみ、耳抜き、くしゃみ、頭を下げるなど)によって外リンパ瘻の症状をさらに悪化させてしまう可能性がある。
この日のお会計
診察代(初診料含む)4,730円
薬代(3日分)930円
合計:5,660円
処方内容
アデホスコーワ果粒,メチコバール,プレドニン,テプレノンカプセル
上記は自身の体験をもとに記載しています。
より正確な情報は耳鼻科医に確認されることをお勧めします。