聖書の言葉か何かで、神様は自分に似せて人間をおつくりになったみたいな話があったと思うのだけれど、音楽が流れている間だけ、ひとはかつていた場所に戻れるような気がする
はいいろおおかみで流れていたのを聴いて、思わず店員さんにお尋ねして教えてもらった上柿絵梨子さんという方。僕のすきなお店で演奏されているようなので近いうちに演奏を聴きにいきたい。そしてどうしてこの曲に『珈琲』ってタイトルつけたんですか (もしくは珈琲にどうしてこの音をつけたんですか)と訊いてみたい。とてもすきな曲。
目が醒めると午前中が終わりかけていた。ゆうべ呑みすぎて草臥れた身体と、どうやら夕方から雨が降るらしい空模様と、机の上に散らばった書類たちと、それ以上に散らかった頭の中と。これはどこにも行かずに家の掃除でもして過ごすかなという気持ちを振り払い、どうせどこにも出かけたくないのならいっそのことずっと行かずじまいだった場所に行こうと思い、ka na taを訪ねることにした。 行かずに、というより行けずにいたのは、率直に言えばこわかったからだ。はたして店員さんや他のお客さんとうまく喋
