はるか上にあるそれを掴みたくて手を伸ばした。どうやったってとどかない。ジャンプする。届かない。触りたい、掴みたい。親がその子の腰あたりを掴んで上に持ち上げやっと掴めた時の子供の顔。誰の助けもなく余裕で掴めるようになった頃、私たちのそれは日常に溶け込んでしまう。

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