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ベルリン生活も30年を超えました。子供たちは巣立ち、今は妻とフレンチブルドックのオーデ…

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ベルリン生活も30年を超えました。子供たちは巣立ち、今は妻とフレンチブルドックのオーディンとの2人と一匹暮らし。 寂しいような、楽しいような....

最近の記事

ベルリン 2022年1月

「滑り込む」というドイツ語は年末年始によく聞かれる。日本語の「良いお年を」に相当す る挨拶で、直訳すれば、「良い滑り込みを」とドイツでは言うのである。日本に遅れること 8時間、私はベルリンで2022年への「滑り込み」をしたが、ドイツ全体を見渡せば、地 球温暖化問題、エネルギー問題、ここ30年間で最悪となるインフレ問題、そして先の見え ないコロナ問題と、多くの問題を抱えて2022年に滑り込んでしまった。昨年同様、今年もコロナのため、街中は比較的静かな新年であった。通常ならドイツ

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      • ベルリン 2021年12月 コロナ第4波

        ドイツのコロナ危機 第4波 人口の半分以上がキリスト教徒であるドイツでは、クリスマス前の4週間をアドベント(待降節)と呼ぶ。ベルリンの目抜き通り、クーダムもイルミネーションされ、アドベントの気分を盛り上げている。しかしなぜか例年のようなクリスマスに向けた高揚感が感じられないのは私だけではないと思う。  夏の終わり頃、ドイツではコロナに関してかなり楽観的な希望で溢れていた。誰もがコロナは終焉に向かい、今年はクリスマスを家族で祝うことができるであろうと信じていた。しかしそれは

        • ベルリン 2021年11月 ベルリンマラソン

          ベルリンマラソン  ベルリンのほぼ中央を東西に走る道路に、「6月17日通り」というのがある。この変わった名前の由来は、1953年6月17日に東ドイツでおきた、最初の大きな民主化運動からきている。ベルリン工科大学横の、噴水のある広場から始まり、ヴィム・ヴェンダースの「ベルリン天使の詩」で有名な戦勝記念塔を通り、ベルリンの象徴であるブランデンブルグ門まで続く。片道3車線の大きな道路の両脇は広い公園になっており、ベルリンは森林地帯を開拓してできた都市であることを実感できる。東と西

        ベルリン 2022年1月

          ベルリン 2021年10月 ドイツの休暇について

          六週間の長い夏休みが終わり、オペラ座の新シーズンが始まり一ヶ月が経とうとしている。ドイツのオペラ座のシーズンは、例年九月頃から始まり、次の年の七月中旬くらいで、その間は、毎晩のように様々なオペラが上演されている。そして毎年のことなのだが、困ったことにシーズン始まりの二週間くらいは、今ひとつ仕事に身が入らない。六週間の休暇のあとは、差し詰め二学期が始まった学生の頃のような気分に似ている。  ドイツでは一年間に六週間の休暇が法律で定められている。被雇用者は六週間の休みを雇用者に

          ベルリン 2021年10月 ドイツの休暇について

          ベルリン 2021年9月

           ベルリンは短い夏を終え、秋の気配どころか、後に続く厳しい冬を予感させるような天気である。日中どんより曇った空に加え、朝夕の気温も10度を割るようになってきたのは、まるで、夏の休暇から現実への生活の切り替えを人々に迫っているようだ。  実は、今年の夏、3週間程、オリンピック競技の真っ只中の日本に帰国していた。コロナ禍で不要不急が叫ばれている最中に、ドイツから日本に来るなんて、無謀で、非常識甚だしいと避難を浴びるかも知れないが、長女が9月から東京で生活することを選択したため、

          ベルリン 2021年9月

          ベルリン 2021年6月 コロナ禍の春

          ドイツの気候は日本のように春、夏、秋、冬に区別されるが、一つだけ日本と違うところがある。それは「5月」という気候があることだ。ドイツの5月については、ハイネやゲーテなどの詩人が、数多くの作品の中でその美しさや生への喜びを語っている。感じとしては、日本の10月初旬を彷彿とさせる気候の中で、植物たちが一斉に芽を吹き出し、どこかうきうきした気分は、「春」になったという言葉より「5月」になったというほうがぴったりくる。ところが今年はどうだろう。5月になっても寒さは続き、みぞれ混じりの

          ベルリン 2021年6月 コロナ禍の春

          ベルリン 2021年5月 コロナ禍のベルリン

          コロナ禍の世界。人種、宗教に関係なく、全ての人類の共通の敵がコロナウィルスである。100年に一度の周期でやってくる感染症の流行は、驕り高ぶった人類のおろかさに対する神からの啓示であるような気がする。  ドイツでは昨年3月頃から本格的なコロナのパンデミックが始まり、現在はロックダウンの最中である。ロックダウンという言葉はもともと刑務所で鍵をかけて囚人を閉じ込めるという意味で使われていたが、今では都市封鎖することを指す。すなわち封鎖とは日常必需品以外のお店、例えばレストラン、カ

          ベルリン 2021年5月 コロナ禍のベルリン