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ナポリ人と暮らしてみれば

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大阪でナポリ料理レストランを営む僕のパートナーのモニちゃんとその父エンツォはナポリが故郷。ナポリに縁もゆかりもない僕がナポリに長期滞在してナポリ人と暮らしてみた率直な感想を淡々と…
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2022年9月の記事一覧

夢のアルベロベッロで気ままなトゥルッリ暮らしも楽じゃない?

今回の旅ではパートナー(以下、モニちゃん)の父型の実家であるナポリに長期滞在しているのだが、番外編として数日だけプーリア州のアルベロベッロに国内旅行をした。 きっかけは僕らが旅程を練っていると、モニちゃんのパパ(以下、エンツォ)が、 「アルベロベッロめっちゃキレイ!ナポリからすぐ行ける。友達がいるからそこに泊めてもらったらいい。(おもむろにその友達に電話しはじめる)オッケーだって!」 といったノリで、僕らがアルベロベッロになにがあるのかもわからないままにエンツォはディー

もし、ナポリ人が口喧嘩をしていたら…

僕が日本人だと言うと、だいたいのナポリ人は胸の前で手を合わせてお辞儀をするポーズをとる。僕は普段の生活であのポーズをとることはほぼ皆無だし、多くの日本人も同じだろう。 長期滞在しているB&Bのオーナーのチーロも、僕が日本人だと知ると手を合わせてお辞儀してきた。こちらも脊髄反射で同じポーズをしたくなるのだが、そうするとお辞儀のポーズを受け入れたことになってしまうので、それはモヤモヤする。 なので一応チーロにも「日本でそれはやらない。ボナペティートのときとか、一部の武術ではや

イタリア語能力ゼロの僕が発した最も長い文章とその理由

「Mi piace dolce in mattina, pero mi piace salato di più.」 これが僕がイタリアで発したイタリア語で最も長いフレーズだ(文法的に正しいかは不明)。ちょっとカンが良くて、イタリア語と南イタリアの文化がわかる人には、僕がどんな状況に追い込まれてこのフレーズを捻り出したかわかるかもしれない。 逆にイタリア語がわからない人にとってはチンプンカンプンだと思うので、何が起こったのかを順を追って解説してみよう。 前提として僕のイタ

なんでもボーノなナポリで、「ボーノ!」と連呼するのは要注意?

ナポリ滞在中は基本的に僕のパートナー(以下、モニちゃん)の叔父叔母の家を拠点にしてあちこち行動している。モニちゃんは叔父叔母の家に宿泊しているのだが、僕は仕事もするのでWiFiと仕事環境が確保できるように、すぐ近所のB&Bを借りて寝泊まり、という布陣だ。 大変ありがたいことに、食事は毎日のように料理上手な叔母のマリアが作ってくれるので、モニちゃんだけでなく僕もマリアの手料理をいただいている。 日本ではモニちゃんとパパ(以下、エンツォ)はナポリの家庭料理レストラン『パポッキ

ナポリ下町の最安値B&Bのオーナー・チーロと素晴らしくテキトーな仕事ぶり

僕が約1ヶ月ほど宿泊したいと伝えると、B&Bのオーナーのチーロは紙とペンを取り出して「Giapponese(日本人)」というタイトルでメモをとり始めた。 タイトルの雑さに思わず笑ってしまったが本人はいたって真剣。まるまる1ヶ月同じ部屋を確保できなかったため、数日おきに部屋を移動しなければならないらしい。 チーロはスマホで予約帳の管理画面をいじりながら、1日ずつ「Giapponese」のメモ帳に僕が泊まる部屋を書き留めている。ひととおり書き終えるとメモを指差しながら「この日