最近のMLB球団売却事例


①Baltimore Orioles

2024年3月、Angelos家はオリオールズをDavid Rubenstein氏が率いるグループに売却しました。売却価格は17.25億ドルで、Mid-Atlantic Sports Networkの持分も含まれております。Rubenstein氏は、Carlyle Groupの共同創設者/共同会長で、ボルティモア出身です。オーナーシップグループのメンバーには、Baseball Hall of FamerのCal Ripken Jr.やAres Managementの共同創設者/CEOのMichael Aroughetiなどが含まれています。

新オーナーは地元出身の実業家で、またフランチャイズプレーヤーのCal Ripken Jr.等の出資も受けており、まさに地元からも愛されるベストオーナーと思います。開幕戦でビールをおごったり、本拠地の名物のスプラッシュをしたりなど、さっそくファンの心をがっちりと押さえているかとおもいます。
今シーズンは、本日(2024年6月23日時点)ではア・リーグ東地区は首位のヤンキースの背中を追う状況ですが、調子はかなりよさそうですね。若手がしっかりと主力として伸びており、個人的にもかなり楽しみにしているチームです。

②Atlanta Braves

アトランタ・ブレーブス・ホールディングスは、2023年7月18日にリバティ・メディア・コーポレーションからのスピンオフを完了しました。これにより、リバティ・メディアとアトランタ・ブレーブス・ホールディングスは別々の上場企業となりました。

スピンオフの結果、アトランタ・ブレーブス・ホールディングスは、シリーズAの普通株10,318,202株、シリーズBの普通株977,795株、シリーズCの普通株50,423,293株を発行しています。これらの株式は、NASDAQ証券取引所で取引されています。

MLBでは唯一の上場企業になりました。つまり、誰もが株を買うことができチームのオーナーになれることを意味します。さらに言えば、お金さえあれば公開買い付けにより経営支配権を手にすることも可能です。なお、2024年6月21日終値時点で時価総額は約25億ドルです。日本のプロ野球では、球団の親会社が上場しているところが多く、日本でも球団の部分的なオーナーになれるといえるかもしれません。毎年総会シーズンになると、阪神阪急HDの株主総会での阪神の選手の起用法等に関する株主の質問が出たりしますが、アトランタ・ブレーブス・ホールディングスでも似たような質問が出るんでしょうかね。

番外編:Los Angels Angels

大谷選手が所属していたエンゼルスもまた売却検討の意向を2022年8月に示していました。ですが、結局2023年1月にオーナーであるMoreno氏は”unfinished business"(果たすべき仕事)がまだあるとして売却の意向を撤回しました。

大谷がいなくなった今シーズンは本日(2024年6月23日時点)で30勝45敗とポストシーズンは厳しい展開となっています。もともとケガがちのレンドーンに加え、トラウト選手も最近はケガがちで稼働が低くなっており、チームの上昇期待も薄いです。Bleacher ReportのファームシステムでもMLB30球団中最下位となっており、しばらくは低迷が続きそうな予感です。

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