見出し画像

Googleフォトで日付がおかしくなる条件をまとめてみた

Googleフォトは写真、特にデジタル写真を整理するのに最強のツールである。私も、自分で撮影した写真だけで約6万枚あるので、Googleフォトは手放せない。

が、そんなGoogleフォトにも弱点がある。写真をアップロードしたときに、実際の撮影日時と異なる日時で登録されてしまうときがあることだ。この原因を調べてみた。なお、以下の話は静止画(写真)のみである。動画はやや話が異なるので、ここでは除外しておく。

デジタル写真には、通常、撮影日時、撮影したカメラやレンズの種類、シャッター速度、絞り、ISO感度など、その写真に関する情報が自動的に埋め込まれる。どういう項目を埋め込むことができるか、には、いくつかの規格があるのだが、もっとも普及しているのがEXIF(Exchangeable image file format)という規格である。

GoogleフォトはEXIFに書かれた撮影日時をもとに写真を処理している。だから、正しくEXIFが記録されていれば、日付がおかしくなることはない。が、ある種の場合にはEXIFが正しく記録されていないことがあり、その結果、登録された写真の日付がおかしくなってしまう。

では、どのような場合にEXIFが正しく記録されていないのだろうか。よくあるパターンには以下の3つがある。

(1) 古いデジタルカメラを使っている場合。2016年7月頃より前に製造されたデジタルカメラはだいたいこれに該当する。
(2) スマートフォンで、カメラアプリが位置情報を使わない設定になっている場合
(3) スキャナで写真をデジタル化した場合

(1)と(2)は、タイムゾーンに起因する日時のズレが生じるパターンである。実は、EXIFにはもともとタイムゾーンを記録する方法がなかった。だから、撮影日時が「2019年7月31日19時30分27秒」とEXIFに記録されていたとしても、これが日本標準時なのか、グリニッジ標準時なのか、わからないのである。Googleフォトは、タイムゾーンのない撮影日時をグリニッジ標準時として処理しようとするので、日本標準時に合わせたデジタルカメラで撮影した写真は9時間ずれて登録されることになる。

EXIFにタイムゾーンが記録できるようになったのは、2016年7月に定められたEXIFバージョン2.3.1からである。だから、これ以降に製造されたデジタルカメラなら日付のズレは生じない可能性が高い。実際、最近購入したEOS RPではEXIF 2.3.1が使われていて、タイムゾーンも正しく記録されていた。

また、スマートフォンで位置情報を有効にしている場合は、写真に位置情報(ジオタグという)が埋め込まれる。これがあると、Googleフォトは、まず位置情報でタイムゾーンを推測するので、EXIFにタイムゾーンが記録されていなくても日付のズレは生じない可能性が高い。ちなみに、最近のスマートフォンでも、EXIFはバージョン2.2が使われているようなので、タイムゾーンをEXIFに埋め込むことはできない。

(3)は、そもそもデジタル化された日時がEXIFに全く埋め込まれない、もしくは不完全にしか埋め込まれないというパターンである。この場合は、Googleフォトは、登録日時などを撮影日時として代用する。なので、実際の撮影日時とは全く異なる日付になってしまう場合が多いと思われる。比較的新しいドキュメントスキャナでデジタル化した写真でも、このパターンに該当していた経験がある。

では、どうすれば日付のズレが起こらないようになるかというと、根本的にはEXIFを適切に修正してからGoogleフォトに登録するしかない。私はexiftoolを使っている。タイムゾーンの修正だと、こんな感じになる。

exiftool -exifversion=0231 -offsettime=+09:00 -offsettimeoriginal=+09:00 画像ファイル名

まあただ、EXIFの編集は技術的に敷居が高いとも思うので、その場合には、スマートフォンで位置情報サービスを有効にする、新しいデジタルカメラを使う、GoogleフォトスキャンのようにちゃんとEXIFに記録をするフォトスキャナを使う、くらいの消極的解決策しかないように思われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?