一人社長会議をやってみる

先日、動作学ポッドキャストの収録の中で、Mission, Vision, Valuesの話が出た。

(動作学ポッドキャストのリンクは下に掲載しました)

私のチームも、年に1回その3つの見直しを、チームコーチである株式会社リーチの鴨井社長に誘導していただきやっているが、これまたチームで合意に至るにはそれなりのプロセスが必要となる。一番最初にやった5年ちょっと前に比べたら、今はその見直しは比較的スムーズだが、そもそも最初はその言葉自体一体何?何のために?のスタッフが多かったので、最初はとんと意味不明感満載。


そもそもなぜそのMission, Vision, Valuesが必要なのか?

この3つは、そこにいるみんなとの約束である。

そう私は思っている。

Mission, Vision, Valuesについては、様々な説明の仕方が存在するが、組織としてどこに向かうのか、組織として何を創り出すのか、組織としてどう社会に存在するのか、、、様々な表現はあるが、この3つは外の人に私たちが何者かを知らせるもの以上に、「私たち自身が私たちが何者であるか」を明確にするものだと思っている。だから外向けに作るものではなく、内向きでいいと私は理解している。


経済産業省の調べによると、日本の企業の99.7%が中小企業であり、働く人の70%が中小企業に属している。そしてその中小企業が生み出している付加価値は、全体の53%を占める。大企業と言われる組織に属するのは、働く人口のわずか0.3%。かつ中小企業のなかには小規模事業がかなりの割合を占める。(中小企業白書 経済産業省

中小企業 うち(小規模事業者)

業種  資本金  または 従業員  (小希望事業者従業員)
製造業・その他  3億円以下または300人以下 (20人以下)
卸売業  1億円以下または100人以下 (5人以下)
サービス業  5,000万円以下または 100人以下(5人以下)
小売業  5,000万円以下または 50人以下 (5人以下)

(転職グッド 大小企業の定義より)


つまりは、日本の労働人口のほとんどといっていい割合の人たちが、資本金や従業員規模としては小さな会社であり、そこが多くの価値を生み出している。

そして様々な異なるバックグラウンドから来た人が集まるその組織が、よりその存在を生かし社会に多くの価値を生み出すには、Mission, Vision, Valuesという視点を持つことにより、進化できることも多々あると思う。


「自分たちはモノを作っているのではない、サービスを売っているのではない、、、」と、そのモノやサービスのその先にある世界が見えたときに、世界が想像できたときに、その取り組み方は変わってくる。


つまりは「なぜ私たちがそれをするのか?」という問いなのかもしれない。


これは法人の形態ではなく、トレーナーやインストラクターのような個人事業主にとっても非常に有益な考え方だと思っている。


自分事で申し訳ないが、20代から私は仕事を進める中で、常に「今のこの自分の行っていることは、かかわっている人たち、そして周りの社会にどういう影響を与えるのか」「私のこの日々の取り組みを通して、社会をどうしたいのか、、、」を考えていた。


その頃は、Mission, Vision, Valuesなんて言葉は知らなかったし、自分の妄想というか、「~だったらいいなぁ、、、」くらいの感覚ではあったけど、自分の役割を「なぜ、どうして、どうやって」を常に問いかけながら進んできたことはよかったと思っている。


ということで(前置きながっ!笑)、こんな時代だからこその提案だけど、「一人社長会議をやってみよう!」を提案したい。


やることはシンプル。上に書かれた、Mission, Vision, Valuesを考えてみようということ。


私が理解しているMVV(面倒なのでこう表記します)は以下。(ここでは一人社長会議なので、「私」を主語にして話します。組織においては私たち)


Missionとは、私がどういう役割を持って進んでいくのか。私の使命

Visionとは、私が作り出したい世界。実際に見えている世界はどのようになっているのか

Valuesとは、自分がどういう価値観を持って取り組むのか、自分が大切にする価値


私の中途半端な理解なので、確認するために、

知り合いのビジネスコーチ合同会社LBJの半谷知也さん(Youtubeチャンネルでぜひみてください!)に、「MVVについて質問」と連絡したら、以下の内容が返ってきた。

Mission 使命→命を何に使うのか。つまり、何がその人の責任・役割・することなのか。

Visionはビジョン→どういう状態にしたいのか。ビジュアル。望む状態。内的状態、外的状態。自分がどうなりたいのか。組織の内側がどうなっていたらいいのか。組織の外側をどうしたいのか。
自分のミッションをやり続けていった結果、現れてくる状態。
で、前提としてビジョンは「いつの日か(someday)」になりやすいので、現在進行系で考える・表すことが多い。


と返ってきた。

ふむふむ。

使命を持って何をするかを考え、それを続けた先にどういう状態になっているか、、、ということか、、、。

例えば、私は運動を通して、人の健康をサポートする(Mission)。そしてその先にあるのは、人が日々笑顔で、自分の人生を楽しんでいる景色(Vision)みたいな。


で、ポッドキャストの中で、MVVより前の話の中にHaving, Doing, Beingという単語が出てきたので、MVVというのは、もしかしたらHaving, Doing, Beingに対比されるものか?と思ったので、コーチング業界ではおそらくカリスマである(あ、おそらくとか言ったら、色々なところからツッコミが来そうなので、絶対的にカリスマである)、いつもお世話になっておりまするCo-CREAT Japanの田近秀敏さんにその疑問をメールしたら、以下が返ってきた。


「mission. vision. valuesはすべてbe です。頭の中に生じるもの。
効果的な言動を通して、vision を現実化する。
頭の中と世の中は制約条件が違うので、vision通りにはならないですよね。結果として手にしたものはhave です。
missionは志と言い換えても良いでしょう。それを生きて実現したいのは心のイメージであるvisionです。

valuesはmissionから生きて、goals & vision を達成する上で目的のためなら手段は選ばない、みたいな逸脱をしないように行動と判断を律する基準となります。」


以前に、鴨井さんだったと思うけど、圧倒的な熱量を持ってビジョンに生きることの大切さの話をしたことがあったと思うけど、大事なのはこのビジョンに生きること。そしてどのような方法で、どんなことを通して、私はその世界を創り出すのか、を考えること。


そして田近さんが書かれているように、そのビジョンを達成するためには何をしてもいい(究極人を傷つけたり、誰かのものを奪ったり、法を犯したり)では困るので、自分の行動を律するいわゆる絶対的な判断基準となるものがValues(価値)。


Valuesは、何か決断をしなくてはいけなくなったときに、その選択をするうえで、私が決めたValuesに沿っているのかと照らし合わすことができる。


私としては実は個人としてはこれが一番大事だと思っている。

私にとっては、色々あるけど

自分が楽しいと思えることをする

誠実であること

誰かのためになると信じて進むこと

思いやり

学び続けること

嘘をつかないこと

人の可能性は無限大と信じる


そんな感じのことが出てくる。それを(その規律を)持った私が、自分の役割を持ち、その先にできる世界を想像する。


そこに私という人間だから生まれる価値がある。そこに私がこの世にいる存在価値があるのではないかな、、、と。

と、簡単に説明と、私の例をあげたけど。


進め方は、多くの場合Missionからスタートすることが多いのかな、、、。

でもそれは誰かにお手伝いしてもらわないと整理が難しいかもしれないので、まずは自分の中でのValuesを書き出してみたらどうだろうか。私が絶対的に大切にしたいもの、規律。


そしてもし今、自分が進めている役割があるならば、その役割を私はどのように努めたいのか、その役割を持って何をするのかという使命を考えてみたらいい。


トレーナーやインストラクターであれば、

「トレーニングを通して、その人が自分の可能性を感じる」

「トレーニングをすることで、痛みで苦しんでいる人を減らす」

「ヨガを知ることで、あなたは一人ではなくたくさんの人とつながっていることを知ってもらう」

「より正しい知識を伝えることで、社会がもっと豊かな選択ができる状況を作る」

「食を通して、健康な人を増やす」

「呼吸法を通して、心身の安定した人を一人でも増やす」


なんでもいい。これはあなたが思うあなたの志・使命なのだから。


ちなみに、MBM Laboチームで考えたMissionは(4年位前かな、、、)、


★健常者から身体弱者、赤ちゃんから高齢者、アスリートからノンアスリートまで動く楽しさを通して今の自分をすべて受け入れ、自分の力で判断し、行動することで自らの道を開き、自分も周りも心から日々すべてに感謝できる人生を実現するラボです。

◆ 動作教育者が実践と確証に基づいた知識を学び、共に新たな発見を積み重ね、目標を達成する環境・状況・人を生み出せるラボです。


私たちはこういった志を持って行動をし続けます、ということ。

2つあるのは、

上が私たちが提供するもの、MBM Laboに来た人が得るもの(場で創造するもの)。

下が、私たちがそれを実現するためにどういう姿勢で取り組むかということ。


そして次にVisionとして、そのMissionを続けた先に見える世界を視覚的に、イメージとして見える形に表現してみる。


「自信に満ち溢れる人が増えて、笑顔があふれている世界」

「痛みを持った人が減ることで、医療費が削減され、活動的にスポーツを楽しむ人たちがいる社会」

「人々が食を通して、自然を大切にし、世界の自然環境が改善された地球」

みたいな、自分がおもうVisionを書き出してみよう。


12日(日)にオンラインでさせていただく、GRIT NATIONさん主催の「オンラインの視覚と死角」でも、価値についてのお話をさせていただきます。私たち、運動指導、人の健康にかかわる役割の人間にとって、「なぜそれを私はするのか」「その先にどのような価値を生み出したいのか」を考えることは、方法(オフラインなのか、オンラインなのか、座学なのか、実技なのか)を考える前に考える必要があるし、それを持つことで、やらなくていいことが決まる。


大事なのは、何をやるか、、、以上に、何をやらないかを決めることかもしれないと思う。


長くなったけど、「一人社長会議」ぜひ!

やってみたら教えてね!


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