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東京の展示にて

 : あんた金曜の朝は何時の新幹線乗るの?
 : 実は木曜の夜行バスで行こうかと・・
 : あんた腰悪いのに大丈夫か?
 : いやぁ、その、、もう貯金ないねん。片道バスにせな東京で3食スナックパンで過ごさなあかん・・

 : マジか!わかった、そしたらこの2万あげよ!と男前の嫁は新しい千円札が20枚入った分厚い封筒(きっと商売の釣り銭用)を渡してくれました。

やった~!と ひと踊りしながら30分後に犬の散歩から帰ってくると、封筒の2万円がなぜか3万円に増えてる? 横には涙ぐむ嫁?

なんで1万増えてるの?と聞いたら 横にいた高2の娘が

高2娘: :  お金無いんやろ?それ好きに使って良いよ、東京楽しんでおいで! と貧乏な父のためにバイトの給料から1万円を渡してくれたのです。

 : がおぉぉー、さすがワシの娘やあんたは偉い! と喜び溢れて阿波踊りしてますと

 : ためらい度 0%やな!ほかほか弁当屋で汗かいてバイトしてる高校生から金貰ってどーも思わんのか?

と盛大に突っ込まれましたが、そんなもん受け取ったらこっちのもんです。ギャハハと笑いながら娘を抱きしめようとしたら、サッと逃げられました。それはちょっと違うらしい。

てな訳で、3万円をポケットに突っ込んでスキップしながら東京へ向かいしょう。

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往路も景気良く新幹線!

と言いたいところが片道5500円の深夜バスに乗り込みます

豪華でもない深夜バス

だって2日前ってキャンセル出来ないんだもの。一応3列シートで150度リクライニング付いてるから寝れるでしょ!と完全に舐めていましたら座席は想像以上に窮屈で翌朝まで一睡も出来なかったのであります。

寝れなくともバスは朝6時に東京駅へ到着。フラフラの身体で安ホテル(3泊で11500円)に荷物を置かせてもらい、近くの喫茶店で「ミックスサンドイッチ」を食べながら長めの休憩を取りました。ぅん~眠い。

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写真展の前に行きたい場所へ

2時間後には少し回復、展示会場の前にどうしても行きたかった場所へ向かいます。平井駅から徒歩10分にある古雑貨屋 towi さん

以前からインスタを拝見してまして、統一感ある写真がとにかくカッコ良い。これらを撮られる店主にもお会いしたかったし、おしゃれな実店舗で買い物もしたかったのです(買おうと思えば3万円分買えるのだ)

店内はセレクトされたヴィンテージの小物が所狭しと並び、店主の嶋本さんのお人柄も相まって、それはとても素敵なお店でした。

見ているだけで楽しい商品の中から、kodakのアルミ製フィルムケースを2個購入しました。とってもカワエエんじゃ。

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そういえば
嶋本さんから ギャラリーへ向かう前にお時間あればと  駅前のレトロな喫茶店をご紹介頂く。

早速、駅に戻る前に入店しまして、アイスコーヒーとランチも食べておこうと無意識に注文したのが

ミックスサンド

目の前に置かれてから気付く。確か3時間前にも同じようなサンドイッチ食べたような気がせんでもない、、しかし寝不足って怖いものだ。

喫茶「ワンモア」は昭和レトロなほっこり出来る店内、美味しいコーヒーに2回目でも美味しいサンドイッチ。もっとゆっくり過ごしたかった!

平井駅にお越しの際はzakka towiさんと喫茶ワンモア、是非セットでお立ち寄り下さい。

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ギャラリーに到着

TOTEM POLE PHOTO GALLRY

参加させて頂いた写真展「街と人と」は2016年から始まったグループ展で6回目の開催になるそうです。この展示の特徴は圧倒的な量。壁面だけでなく天井までも写真で埋めつくされた「写真空間」を味わえます。

会場を撮ってなかったので出展者様のtwitter投稿から拝借します。

主催のjunさん曰く「800~900枚のプリントを貼りました」とのこと。貼る場所が足りなくて天井や床にも大量のプリントが、、まさに写真の海に飛び込むような感覚。

中央のテーブルには20種ほどの写真集やzine等が並びます。

モノクロの手焼きプリントには多くの刺激を受けましたね。個人的にtoshyieさんのプリント+ハンドメイドのフレーム。そしてブックに至るまでの全てのコンセプトが素晴らしくてすっかりファンになりました。今すぐモノクロ写真始めたい。

※追記
7/23に主催メンバーのちゃりんこさん撮影の動画が公開されました。

現場の雰囲気を味わって下さい。

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人を繋ぐこと

会期中に思ったこと。
主催のJunさん・イサオさんは 「人と人を繋ぐ」ことで「新たな何か」を生み出すお手伝いをされてるのではと感じました。

面白い人が来られると「くにさん!」と声を掛けて下さって、沢山の方々に私を紹介して頂きました。お陰様で人見知りな私ですが、この展示をきっかけに写真仲間の輪が一気に広がったと思います。

実際に「街と人と」の出展者は関東だけに留まらず、西は長崎のInoueさんから、関西の/ Limelight / Beats / Gallary Room 305 /  3ギャラリーの各メンバーや多くのゲスト、そしてTOTEM POLE PHOTO GALLERYからは/ 有元伸也氏 / John Sypal氏/ と蒼々たるメンバーが参加されていました。

これはJunさんイサオさんの人となりから 多くの写真家の心を動かした証しだろうと思っています。その熱量は内部だけに留まらず 6日間の会期で550名ものご来場があったそうです。来場数が評価を決めるものではないですが、これだけ多くの人々が心動かされたのは紛れもない事実だと思います。

私は調子に乗り過ぎて、遠慮もなく大量のプリントを送ってしまいました。にも関わらず快く受け入れて下さり、少ないスペースを融通して全てを展示頂けたことに深く感謝しています。

この「街と人と」で得た経験を糧に今後の創作活動に精進したいと思います。

主催のメンバー様、出展者の皆様、ご来場下さった皆様、ブックを見せてくれた酒豪のニーナさん(何故か名指し)、33年振りに会えた川高の同級生たち、心からの感謝を申し上げます!

ありがとうございました。

@junichirokanoさんに撮って頂いた記念写真。加納さんありがとう!
左からイサオさん Junさん わたし



と終ろうとしたら・・・


この記事を書き終えた翌日、なんと濃厚接触者に認定されました。突然1週間の自由時間が出来ましたので、私の「展示」についてや東京での「スナップ」も追記しようと思います よかったら引き続きご覧下さい。

※この4日後にはちゃっかり感染しました、、




思い入れある99枚のプリント


今回の展示は設営をお願いする予定だったので、どなたでも簡単に施工頂けるようスクエア(正方形=203mm*230mm)の印画紙を使いました。これで横写真も縦写真も関係なく上下左右を突き当てるだけでシンプルに施工頂けます。

横写真
縦写真

写真の比率はスクエア印画紙と一番バランスが良かった「5:4」に決定。長辺側の余白バランスも1mm~6mmまでを試作して最終4mmに決めました。



展示プリントは今回も FUJICOLOR PLAZA MMG さんにお願いしています。というのも店主は私が望むトーンやバランスの好みを熟知されていて、多くを伝えなくても思った通りのプリントに仕上げてくれるからです。(MMGさん無くして私の展示は成り立たないのだ)

さて、今回はプリントを壁に直貼りでの展示になります。
店主によるとカラー印画紙は元がロール紙なのでプリント後にカットされると山反りのクセが付いている。このままの状態で四隅を貼って時間が経つと写真の真ん中がポッコリ膨らむので、あらかじめ谷反りのクセを付けておくと解決するよ!とアドバイスを頂きました。

強引に見えるけど・・

反対側に曲げた状態で2日間キープすると山反りが緩い谷反りに矯正されました。

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展示レイアウトを考えるのは楽しい

初めて99枚もの写真を壁に敷き詰める組み写真を考えました。気を付けたのはトーンの統一感と「大きい音」が聞こえてこない写真を中心にセレクトしたこと。

あーでもないこーでもないと順番を変えたり写真を入れ替えたり、最終的に9回目で完成した展示レイアウトがこちら。

横9列×縦11段  合計99枚

床から天井まで届くプリントをじっくり見て頂いて、振り返るとzine P6が目に入ってついつい買っちゃうという導線を考えていました。

実際は枚数が多すぎて2箇所に分けて設営頂きました。(レイアウトは分かれても問題ない組み方だったので大丈夫ですし、そもそもスペースが足りない状況で99枚全てを貼って頂けたことに感謝!)

設営はライムライトの小栗さんが苦労して貼って下さったとお聞きしました。小栗さん本当にお世話になりました!

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zineについて

去年作ったzine 「P6」

東京は外国の方が多いので英語なら読んで頂けるかも!?という期待と、数年後には海外のzineイベントに出展する計画があるので、黄色い表紙の「英語版」も作りました。

英訳の完成度は低くても良いから、一冊としての存在が重要に思いました。

英語出来ないのでdeepLで英訳→和訳→修正しながら3往復すると良い感じに翻訳出来るらしい。完成度は無視してとりあえずやってみた。

結果ありがたいことに数名の外国の方から「コレ欲しい」という声を頂きました。(英語版はまだ非売品でゴメン)

英訳を間違えてる箇所多いでしょ?と質問したら「確かに間違った英訳は少しありますね、でもあなたの言いたいことは十分通じますよ。ストーリーは面白いし  このままで良いんじゃない?」と言って頂きました。(半分くらいしか聞き取れてないけど)

この言葉には背中を押して頂きました。英訳のさらなるブラッシュアップを目指しましょう!そしてもっと調子に乗っちゃって中国語訳・韓国語訳にもトライしようかと考えています。

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さて、
P6」 日本語版は十数冊を増刷してお持ちしまして、多くのご来場者様からご購入頂けました。「私のことを知らない人」が展示写真を見てZINEを買って下さる。これは本当に嬉しいことで 今後の自信に繋がりました。本当にありがとうございます!

加えて展示終了の翌日にはご来場の方々からDMで問い合わせを頂き、残りの在庫分も全てご購入頂けました。

このお力添えを糧に、数年後には新たに「P6 Monochrome」と「P6 Portrait」みたいな感じで新作zineを2冊ほど製作しようと考えております。

過去、このnoteに書いたことは そこそこの確率で実現してるので、本当に出来るかもしれませんよ。知らんけど

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東京でスナップ

在廊は午後からなので早朝に起きた日はスナップしました。

東京の街はいちいちお洒落なんだな、歩いてるだけでも楽しい。
暑さを避けて7時からスタートするも既に暑い
お参りしたかった神社の参道
時計を見ると撮ってしまう。より明確に記憶が蘇るから
街には色んな場所でアジサイが咲いていた。東京は大阪よりも緑が多い。

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表参道

私に似つかわないだろうと思ったら刺激だらけの楽しい街だった

プラダの壁すごすぎ
stellamccartneyのファザードは金属板の編み込み?いや重なった見えない箇所で部材を繋いでるのかな? と作り方を想像するだけでも楽しい。
miumiuの屋根は裏側がすごい。表通りからは見えない裏面に全面銅版でエンボス意匠が施されてる。うちの会社もこんなの作りたいもんだ。

メイン通りを左に曲がると

ガラっと風景変わって普通の住宅街に
田舎者だからこんな雰囲気が落ち着くよね
とある豪邸の勝手口。階段が複雑な形してるのには理由があるんだろうか?ピンポン押して聞く勇気は無い。

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「岡本太郎記念館」

ココだけは外せなかった

入場料650円は安すぎ
太郎氏が住まわれていたご自宅兼アトリエを見学出来る。アトリエにはピアノも置いてたなぁ、太郎ちゃんピアノ弾けたの?と思って調べたらすごい腕前で有名だったそうです。

もしかして「芸術は爆発だ!」のCMってご自身の演奏?

2階にあるギャラリーは「赤と黒」の企画展示をしていた。鼻血出そうなくらいカッコいい赤空間
庭も最高にクレイジーでもうお腹いっぱいだぁ!

大満足の岡本太郎記念館を出まして、そこから徒歩5分の場所に「根津美術館」があることを知る。世界的にも評価が高い美術館で、芸術音痴の私ですらその名を知っている。

シュっとした根津美術館のエントランス

これは入らねば!と1400円払って中に入ると・・先に入った岡本太郎が強烈過ぎて感受性がアホになってるではないか。正直何も感じない・・倍以上の入場料を払ったのに20分程で出てきてしまったアホは私です。入る順番間違えた。

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暑い中を歩く

滞在中の東京は最高気温34~35度。6月で史上最高だったらしい

新宿御苑はセントラルバークみたいだった。NY行ったことないけど
かわええ壁じゃぁ。フランス語学校の壁じゃぁ。暑くてどこじゃったか覚えてない。
ギャラリーのある四谷界隈。大都会なのに裏通りには溢れる下町感
よきマンション
ギャラリー前の公園には名づけの元となったトーテムポールが建っていた
Junさんイサオさんまたお会いしましょう!

どうすれば自分以外の人が輝くのか?自分のことは横に置いといて、そればかりを考えていたお二人でした。写真家として、人としてもリスペクトしています。この先も続く「終わりなき旅」を応援しています。とても楽しみにしています。構想・準備・そして設営から撤去まで本当にお疲れ様でした。

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最後に
笑顔で送り出してくれた奥さんと貴重な1万円をくれた娘へ 心からありがとう。だらしない父だけど、私は周りにいる皆さんのお陰で豊かな人生を歩めています。

多謝!

by @zakka_towi

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Nikon F80 / KODAK COLORPLUS 200
development by FUJICOLOR PLAZA MMG




いいねやコメントだけで十分でござーますよ!!