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エッセー「蘇る70年代洋楽フィーバー " カンフー・ファイティング / ソウル・ドラキュラ / チャイニーズ・カンフー"」

 " オホホホ~♪ オホホホ~♪ " と、まるで山の木霊のようなイントロが超印象的なカール・ダグラスの「Kung Fu Fighting(吼えろ!ドラゴン)」は、ブルース・リーの名作「燃えよドラゴン」の世界的大ヒットが追い風となり、1974年の米英のチャートでNo.1を獲得するという偉業を成し遂げた名曲である。

 近年、ドリームワークス製作のアニメ「カンフー・パンダ」でも使用され、その人気が再燃している。

 また、1976年にリリースされた「ソウル・ドラキュラ」は、日本国内で実に40万枚ものセールスを記録した迷曲。オープニングの ' ソ~ル、ドラクラ~♪ ' が渋い。

 演奏しているのはフランスのスタジオミュージシャンにより構成された" ホット・ブラッド " というグループだが、当時このグループの詳細は一切不明だった。

 そんな流れに乗り、1978年に日本でリリースされたのが「チャイニーズ・カンフー」。

 この曲もフランスのスタジオミュージシャングループ「BANZAI(バンザイ)」なる怪しげなバンドの楽曲(なぜかヨーロッパ、特にフランスはこの手の突然変異系が多い)、まさに「二匹目のドジョウ」の典型例と言えよう。

 しかし、それでもヒットしてしまうのが70年代日本の洋楽マーケットは「プロデューサーは企画で勝負」の感性と運の時代だった。

さらに全日本プロレスのジャンボ鶴田選手の入場テーマとして使われたことも大ヒットの追い風になった。

 まさに音楽のカンブリア紀、それが70年代洋楽マーケットなのである。



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