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エッセー 「爽やか系アメリカンポリスアクションの金字塔 "白バイ野郎ジョン&パンチCHiPs/チップス)"の想い出」

 「白バイ野郎ジョン&パンチ」(以下ジョンパン)のファーストシーズンは1979年に日本テレビで放送された。

余談だが、この時代は何かとタイトルに「~野郎」をつけるのが流行りだった。

 ジョンパンは、カリフォルニア・ハイウェイパトロールの若き白バイ警官(白人のジョンとヒスパニック系のパンチのコンビ)を主人公としたポリスアクションドラマで、原題はCalifornia Highway Patorol=CHPの愛称である「CHiPs(チップス)」。

 劇中に登場するバイクは1000cc並列4気筒DOHCエンジンを搭載するKAWASAKI Z1000 POLICE(通称POLICE 1000)である。それまでのアメリカ映画では、白バイ警官と言えばハーレーだったが、ジョンパンでは日本製のザッパー(速いバイク)が活躍する。これがバイク・クルマ好きの琴線に触れ、マニアの間で話題となり口コミで広がった。

 当時は現在ほど気軽にアメリカ旅行ができない時代(西海岸へのツアー旅行は40万円くらいした!)、ジョンパンでバーチャルトリップを楽しむウエストコーストフリークも多かった。

 さらに、ジョンを演じたラリー・ウィルコックスと、パンチを演じたエリック・エストラーダがイケメンだった事もあり、ポリスアクションドラマとしては珍しい女性ファンをも獲得。土曜日の深夜枠にも関わらず高視聴率を叩き出し、1981年には放映時間が水曜日の午後9時というのゴールデンタイムに変更されるほどの大人気番組となった。

 当時、渋谷のパルコ近くにあった「バックドロップ」というアメリカンカジュアルのショップで、CHPのワッペンがついたレプリカジャンパーを購入したり、アメリカンポリスグッズの専門店でレプリカバッジやビアンキのポリスベルトを買ったりもした。もちろんサントラも持っていた。完全にハマっていた。

 片側4車線もあるフリーウェイ。そこを疾走するKAWASAKI Z1000。いやがうえにもカルフォルニアへの憧憬は高まった。

 アメリカが眩いばかりに輝いていた、古き良き時代の想い出である。


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