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愛車遍歴(その3)

みなさーん、お元気ですか?

一世を風靡したCMで話題になったが、このころの日産には勢いがあった。

ちょうど、管理職になった父は、エライさんとゴルフに行くコトも増えて、さすがにスバルに乗っていくのも気が引けるようになり、芙蓉グループ推奨の日産車を買おうということになった。

<候補>

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ブルーバードSSS(U12)

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セフィーロ(A31)

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スカイラインGT(R-32)

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ローレル(C33)メダリスト

ブルーバードとプライスが大して変わらない。
ならばスカイラインが!と思いきや、後席の狭さに閉口。
革新のセフィーロ VS 伝統のローレルになった。

結論は?

伝統のローレルを選択するということで、ダークグリーンのメダリストがやってきた。

ローレルってどんな車だった?

重ステ、人力ウィンドウ、マニュアルシフトだったレオーネから、電子制御のお化けみたいなローレルに、すごい未来がやってきた!と思ったのを覚えている。

ちょっと古めかしいスタイルではあったけど、上品でマークⅡよりもよさげに見えたし、アルカンターラの内装や、木目パネルの使い方などもおしゃれで、さすがは銀座に本社を構える日産らしいセンスだなぁと思ったものである。

長きにわたって使われてきたセミトレ―リングアーム式から、後輪がマルチリンクになった新しいプラットフォームは、901運動(90年代に世界一のハンドリングを持つ会社になる)のおかげで、スポーツカー顔負けの足回りとなった。

エンジンは、日産のというか、プリンス自動車の残党たちの作ったRB20型(当時のGT-Rと同形式)である。
BMWのストレート6には乗ったことがないが、当時のCG紙には、かのBMWのそれに「勝るとも劣らないほど」スムーズなエンジンで、トルクもあり、高回転まで気持ちよく吹ける、素晴らしいエンジンであると記されている。

そうそう、私が免許を取得し、初めて公道を走ったのがこのローレルだ。
教習車も同型のローレルだったので、CA1800エンジンの5MTも2800ディーゼルも乗ったことがある。

しかも、ディーゼルのローレルが、トルクフルでクラッチワーク含め、運転しやすかったのをよく覚えている。

ただし、かっこよさの代償といっては何だが、マークⅡに比べて、見切りが悪いので、運転しずらい。
とくに狭いパーキングに入れる際には、ひやひやすることも多かった。

また、1365㎜と、恐ろしく低い全高に、スポーツカーのように倒れこんだAピラーと相まって、乗り降りがしずらく、よく頭をAピラーにぶつけることがあった。
そういえば、徳大寺有恒さんも、C33ローレルのAピラーには苦言を呈していたのを覚えている。

ローレルのような車は、スタイリッシュであることも大事な要素ではあるけど、スポーツカー顔負けの走りはいらず、しっかり立て付けの良いボディで、より快適に、より安全に、よりはやく楽に、目的地を目指して走ることができるバランスが欲しい。

なにより車体の把握がたやすく、安全に走れる性能が足りなかったと思う。


あえていえば、バランスの悪いクルマであったことは間違いない。
日産党の方々には、それがまた、日産の美学的で、よかったのかもしれないが。

その点で、ライバルのマークⅡは、とてもバランスよくできていて、アッパーミドルなユーザーの暮らしを便利にするクルマ作りがされていたように思う。

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ローレルは、マークⅡのライバルであることが最大の特徴であって、それ以外に残るものがないのである。

その後、2003年のC35型をもって、ローレルは長きにわたる生産を終える。

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マークⅡの流れをくむマークXは、2019年に販売を終了することになるが、その差16年は、マークⅡが、如何にユーザーに愛されたからに違いない。

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