験を担いでみる
今度、一目惚れするような財布に巡り合ったらすぐに買うと決めていた。探すときに限ってみつからない経験を積むと、セレンディピティを信じるようになる。そして見つかった。
母の見立てによりピンクやパステルカラーを着ることなく過ごした幼少期。シックといえば聞こえはいいけど、地味目のカラーを身に着けていた。母は長いこと婦人服の販売職についており、そのお眼鏡にかなう洋服がタンスに並んだ。どちらかといえば良質なものを着せてもらっていたし誰とも被ることはなかったように思う。
本当は、こども心にみんなとおなじような服がいいと密かに思った。そういうわけで発色のいい洋服を着る勇気がないまま40代を迎える。ずっと通うお店には発色の良い素敵なものも並ぶ。しかし如何せんエクスペンシブなのだ。素敵であっても似合うかが問題であり、体に入るかが最重要課題なのである。
体重が変わらなくてもサイズは変わる。加齢のバカ!!!
あるとき古着屋さんに入ってみた。カラフルでデザインも奇抜なものからビンテージものまでどちらかというと着る人を選ぶような商品が並ぶ。いいな〜と見ていると試着をすすめられカーテンを引いて着替えてみた。洋服は素敵なんだけど雰囲気がまるで合わない。髪型もメイクも靴もチグハグで笑ってしまう。店主の女性は個性的でカラフルで街で会ったらあの古着屋さんだってひと目でわかるスタイルだった。全身からオーラが出ている。
着たいものを着るとたのしいですよ〜と朗らかに笑っていたのが印象的だったな。
しばらくたったある日、アイコンで着ているピンクのワンピースに出逢った。馴染みのスタッフさんと盛り上がり試着してみる。カーテンを開けて出てみると、すごい笑顔で迎えてくれた。気持ちも明るくなるってこういうことかって実感。
このワンピースを着ていると褒められたり、声を掛けられる。それから好きな人に会うときはこれを着ていく。験を担ぐように。
ピンクといってもそのグラデーションは幅広い。今回、一目惚れしたお財布はm.rippleさんのDEW−003 アラスカ✕ピンク。スナワチさんのツイートをみてすぐに連絡をしたものの完売。ひと月くらい時間をもらえればということで注文。このお財布を4月12日の大安と一粒万倍日の重なる吉日におろそうと決めていた。
使い心地は、それはもう「ふふふ」です!
色の効果は侮れない。すこしずつ派手になろうと思います。