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【№006】何をいつまでにどれだけ勉強するのか?/期限を決めて計画を立てる

割引あり

~ マガジン「受験ガイダンス編」の最終回です。~

本日は「何をいつまでにどれだけ勉強するのか?」という話をします。

「司法試験・予備試験に合格するためには、何からどのように勉強すればよいのか?」、「勉強を開始して数ヶ月経ったけど、まだ1科目も終わっていない・・・」と悩んでしまうことも多いのではないでしょうか?

今回の記事では、このような悩みに対する具体的なアプローチや解決策を提案します。


Q:司法試験・予備試験に合格するためには、何を勉強すればよいですか?
A:はじめて勉強する方は、まずは全科目について「最初の1周」を速やかに終了させましょう。その際は、論点や細かい知識に固執せず、【№002】の記事でみた「法律構成」に相当する情報、すなわち、各科目において「どのような場面で、どのような制度が用意されているか?」(=目次の大項目・中項目レベルの知識)を中心に確認しましょう。

以上の勉強が終わっていれば、「基本書等」を参照しながら、「論文過去問」を検討し、「採点実感等」からのフィードバックを受け、「本試験で再現性のある解答手順」を確立していってください。

Q:基本書を読まなくてもよいのですか?
A:読む必要があります。
その際、ただ漫然と読み続けて挫折しないよう、時間を決め、過去問検討と並行して1日●頁づつ読む等、気分が乗り、効率よく、かつ、確実に終わる方法を自分なりに工夫してみてください。

Q:使う教科書は「学者本」と「予備校本」のどちらがよいですか?
A:どちらでもよいです。どちらにも一長一短あり、併用するのが一般的でしょう。
大切なのは「メインテキスト」と「参考書」で使い分けるということです。
「メインテキスト」は、自分が読んで分かりやすい本、過去問検討の際に欲しい情報がすぐに参照できる本、できるだけ他の本をあちこち探さないで済むよう網羅性がある本といった基準で選びましょう。
「参考書」は、メインテキストで足りないところを補うものです。例えば、予備校本をメインテキストにする人は、定評のある学者本を参考書に選ぶとよいでしょう。


Q:上記のことはいつまでにやる必要がありますか?
A:司法試験・予備試験の実施日程は、次のとおりです。

1 予備試験(短答):7月14日頃(日)
 → 合格発表:8月1日頃(木)
2 予備試験(論文):9月7日頃(土日)
 → 合格発表:12月19日頃(木)
3 予備試験(口述):1月25日頃(土日)
 → 合格発表:2月6日頃(木)
4 司法試験:7月10日頃(水木・土日)
 → 短答式試験成績発表:8月1日頃(木)
 → 合格発表:11月6日頃(水)

(直前期について)
1.予備試験(短答)
上記実施日程から逆算すると、予備試験(短答)の直前期は、6月1日から7月13日頃までの約43日間(6週間、1.5か月)となります。もう少し早めにという人もいます。
2.予備試験(論文)
上記実施日程から逆算すると、予備試験(論文)の直前期は、7月15日頃(月)から9月6日頃(金)までの約53日間(7週間、1.5か月+α)です。
 なお、論文本試験後は論文発表までモチベーションが上がりません。しかし、この試験には「受かる・やめる」の2択しかありません。本試験の答案再現を終えたら9月中は休み、10月から翌年の試験に向けて勉強を再開しましょう。
3.予備試験(口述)
 時期は、12月20日頃(金)から令1月24日頃(金)までの約36日間(5週間)です。
 論文に合格した段階(12月19日頃)で対策を始めれば十分でしょう。ただし、10月から翌年の試験対策を始める際、民訴・刑訴から再開すると無駄がないでしょう。
4.司法試験
 上記1の時期に、上記1と2の対策をすることになります。
 予備試験合格レベルの実力がついていれば、不安はないでしょう。

(通常期について)
以上の直前期のスケジュールから逆算すると、各科目をじっくり勉強できる時期は10月~5月までの「8か月」です。そして、試験科目は、「基本7科目+選択科目+民事実務+刑事実務=10科目」ですので、「民事実務+刑事実務」を論文直前期に回すか、民訴・刑訴に含める等しても、1科目あたりに割ける時間は「1か月」が限度という計算になります。

(入門期について)
以上のスケジュールから逆算すると、遅くとも9月までには、全科目について少なくとも「最初の1周」を終了させておく必要があるでしょう。


Q:上記のスケジュールでどこまで勉強すればよいですか?
A:人それぞれ可処分時間が異なりますので、「重要なものから優先順位をつけ、できるところまで」勉強します。終わらなかったもの(=優先順位の低いもの)は直前期に回し、それでも消化できなかったものは来年に回します。優先順位の高いものから確実に処理できていること、そして、どこが未処理なのかを把握できていることが重要です。


(まとめ)

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