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つぎはコレ読みたい! 2024/05

台風1号が発生して早々に日本列島に影響がでるなんて初めて聞いた気がするんですけど、記録としてはどうなんでしょう? 幸いこのあたりはたいしたことにならないうちに温帯低気圧になったようでほっとしましたが、そろそろ風水害への備えを見直しておかなきゃですね。

さて今月も食指が動く3冊をご紹介しますよ。
まずはコージーミステリ。表紙がアレに似てる……

『The Art of Murder』 by Fiona Walker
シリーズ:The Village Detectives #1
カテゴリ:コージーミステリ

 スタンドアップコメディアンなのにユーモアのセンスが枯渇してスランプのどん底にいるジュノが直面しているのはキャリアの危機だけではなかった。「妻殺し」とささやかれるろくでもない男と再婚しようとする母のそばについていてやろうと、故郷のインクベリー村に引っ越すことになったのだ。
 かつてリチャード・カーティス監督が映画のロケ地に使ったほど風光明媚な川岸の景色くらいしか自慢できるものがないのどかな村で、ジャーナリストから作家に転身した友人フィービーの助けを借りて、3人の妻に先立たれた男の過去を調べ上げようとした矢先、地元のアートディーラーの死体が見つかる。
 彼の恋人に容疑がかけられるが、もっと深い事情がありそうだと思ったジュノとフィービーが探り出したのは、フィービーの過去とジュノの現在にもかかわってくる秘密だった。

 これまた表紙の雰囲気が『木曜殺人クラブ』にそっくり!と思ったら、案の定「リチャード・オスマンのファンにもおすすめ!」と紹介されてます。主役ふたりがコメディアンと元ジャーナリストだけに、ウィットに富んだ言葉遊びのやりとりなんかも楽しめるのではないかと期待しちゃいます。

今月はスーザン・イーリア・マクニールの〈マギー・ホープ〉シリーズ第11作『The Last Hope』も。8巻まで翻訳ずみで、最新刊が出たのが2020年。続きが出るのか微妙? 紹介文にfinaleとあるのでシリーズ完了なんじゃないかと思うと、あと3作、完走してほしい!


つづいてサスペンススリラー。これも有名作品へのオマージュのような……

『She Left』 by Stacie Grey
シリーズ:non
カテゴリ:サスペンススリラー

 ある夜、仲間外れにされた気分で友人宅でのパーティを早々に抜け出したエイミーには、それから1時間のうちに5人の友人たち全員が殺されてしまうとは知る由もなかった。
 のちに「記念日の大虐殺」と呼ばれるようになったその事件は小さな町を揺るがし、エイミーは「危ういところで立ち去った少女」としてメディアから追いかけ回されるようになった。
 それから20年。事件に何らかのかかわりのある10人が人里離れた崖の上に立つ家に招かれた。招待したのは改めて事件を調べて記事にしようと意気込むジャーナリストだったが、招かれた関係者たちはすぐにそれがただの建て前でしかないことに気づく。
 嵐が近づくなか、招待客が次々に死んでいくのを見たエイミーは、このなかに事件について自ら認めているよりも多くのことを知っている人物がいることを悟る。秘密を守るためならなりふり構わない人物が。

 まるで『そして誰もいなくなった』みたいなシチュエーションで興味をそそられます。主人公へのメディアスクラムがその後どのように薄れていったのか(いかなかったのか)あたりの描かれ方もちょっと気になったり。

今月はハーラン・コーベンの〈マイロン・ボライター〉シリーズ第12作『Think Wwice』も出ました。7巻までは翻訳出たようですが文庫しかなく、現在は入手困難そう。相棒のウィンを主役にしたスピンオフ『WIN』も出たことだし、再販(電子書籍化)&つづきの翻訳とかならないかなぁ。


最後は近未来SF。このバーガーはおいしそう……には見えないわね。

『Murder Burger』 by Brian Hartman
シリーズ:The Perseus Eco Terror #1
カテゴリ:SF(遺伝子工学、環境テロリズム)

 新進気鋭の遺伝子工学研究者クロエ・ネルソン博士はついに遺伝子を修正することに成功した。ただし、そのことを誰にも言うわけにはいかない。なかでも研究室に莫大な資金を提供している主任研究員に伝わろうものなら、なんとしても阻止しようとするだろう。
 遺伝子を操作して生命体を生み出すのはすごいことだが、どんなネガティブな影響があるかもわからない。その負の影響が意図的に仕込まれたものだとしたら……?
 クロエは身寄りのない学部学生を選び、本人にも知らせないまま実験を行って成功した。彼女はそこから富と栄誉を手に入れる代わりに、国際的な環境テロリストのグループへの足掛かりにした。ペルセウスと名乗る謎の男が率いるこのグループの潤沢なリソースがあれば、この発見のインパクトを強めることができるし、彼女の計画をやり遂げるにあたって隠れ蓑になってくれる。

 遺伝的疾患などの治療につながりうる遺伝子操作の研究に期待を寄せてはいるけど、思わぬ副作用の恐れがあるのも当然で、そこの検証がたいへんすぎてなかなか治療法が確立できないもどかしさもあるわけで。天才的な研究者が「効果」を前面に出しつつこっそり「副作用」を仕込むとか怖すぎる。でも天才ほど全能感に酔ってやらかすことがあるのも想定内。さてこの主人公クロエはいったい何をもくろんでいるのか……。

先日はちょっと期待してたことのあてがはずれて残念だったのですが、一区切りついたものもあるので、また営業がんばろうと思ったのでした。それはつまり、どんどん本を読まなくちゃ!てことなので。ガシガシ読んでくぞ~。

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