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つぎはコレ読みたい! 2024/02

どうもこのところ集中力が散漫で読書がはかどりません。ちょっと気合を入れなおさないといけないんだけど……はぁ。


今月はまずSF作品から。

『Ada’s Children』 by Lawrence Hogue
シリーズ:non
カテゴリ:ディストピアSF

 2040年、ミネアポリス。AIに教職を奪われたキャロルは崩壊しつつある世界にしがみつこうとしていた。親友たちは人種差別政策によって国外退去させられた。気候変動の脅威はますます地球を脅かしている。人工知能が地球と人類を救おうとしはじめたとき、キャロルはとくに反対もしなかったが、やがて世界は想像もしなかった選択を迫ってきた。
 遥かな未来、〈ランド〉と呼ばれる地。五族の母とされる女神エイダの庇護のもと、シラは何不自由なく暮らしている。部族で初めての女性ハンターとなった彼女はパートナーを選ぶことができるし、いつの日か〈狩りの長〉にもなりたいと思っている。親友のジュンが女神の定めたしきたりがおかしいと言うのをやめてくれさえすれば。だがついにシラもジュンの疑念を共有するようになると、エイダ女神が隠しつづけてきたその答えを探しに出立する。〈いにしえの者たち〉とは何者なのか? 彼らのすばらしい文明にいったい何が起きたのか?


 どうやら人工知能が神の役割を果たすようになった遠未来のようです。AIに職を奪われるというのが現実として見えてきた昨今、どんな展開になると作家が予想したのか、気になります。


つづいてはコージーミステリを。

『Appetizers and Alibis』 by Erica J Whelton
シリーズ:Alphabet Soup Mystery #1
カテゴリ:コージーミステリ

 ジェシカのレストラン〈ザ・クロック・ポット〉が開店の日を迎えた。地元メディアのイブニングニュースにもとりあげられ、フードブロガーもこぞって記事を書いてくれた。初日の営業を終えた夜、得意満面だったジェシカは副料理長のアールがいなくなっていることに気づいて血の気が引いた。探しはじめてすぐ、外のダンプスターのそばに倒れている彼を見つけた。銃で撃たれていた。
 まっさきに疑われたジェシカは、父と比較されたくなくて、汚名をすすぎ店を守るために探偵役をすることにした。親友ふたりといっしょに調査を開始するとまもなく、何者かによるいやがらせが始まった。

 アルファベットといえばスー・グラフトンの〈キンジー・ミルホーン〉シリーズですよね。すっかり翻訳は止まってしまいましたが、原作はちゃんとZまで刊行されてます。
 こちらは〈アルファベット・スープ〉ミステリというシリーズ名がついていますが、さてどこまで続くか? コージーミステリのタイトルは語呂合わせやダジャレになっているのも多いので、そこも楽しみのひとつです。

最後はいちおうミステリだけど、ちょっぴりSF風味もあるかも?

『Forever Game』 by Jeffrey James Higgins
シリーズ:non
カテゴリ:サスペンス

 麻薬取締局の元特別捜査員アダム・ロックは、ガンと診断された恋人のそばにいるために、自身の存在意義でもあった職を辞して兄の作った人工知能開発企業に転職した。だが兄が極めて疑わしい状況で殺されると、命を救うはずのこの技術が危険でもあることを思い知る。
 AIスタートアップ企業〈フォーエバー・テクノロジー〉の顧客は、ケープコッド近くの小さなコミュニティである〈カティハンク・アイランド〉に住む大金持ちだ。会社はAIが寿命を長くすると約束していた。だが研究者が崖から転落死し、兄も不審死を遂げたことから、アダムはこのイノベーションに異を唱える者の仕業ではないかと考えた。
 恋人のために一刻も早くこのテクノロジーを使いたいし、計り知れない価値のある発見を犯人に持ち逃げされたくもない。それには兄の死が他殺だと証明しなければならない。

 AIが人の寿命を延ばすというのがどうつながるのかいまいちピンとはこないけど、なんかすごいことができるようになる前に、それが実現した場合の倫理的な問題については先回りして考えておくに越したことはないので、小説というかたちでのシミュレーションはどんどんやってほしいですね。それが話題になって実社会でも議論が起きればなおのことよろしい。

このほかにはジョナサン・ケラーマンの〈アレックス・デラウェア〉シリーズ最新刊『The Ghost Orchid』や、C.J.ボックスの〈ジョー・ピケット〉シリーズ最新刊『Three-Inch Teeth』も今月発売されました。長くつづいているシリーズはぜひ翻訳も続いてほしいところですが、なかなか難しそうなのが残念。


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