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鬱という台風に備えよう|②

この記事は僕が寄稿し、メンヘラjpより公開された『鬱という台風に備えよう』という記事を改めて編集したものです。詳しくは『メンヘラ.jpに投稿した記事をアーカイブする』を参考にしてください

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皆さんは鬱を聞いてなにを想像しますか?

僕は「鬱」と聞くと「台風(嵐)」を想像します。
理由はこの二つがとても良く似ていると個人的に捉えているからですね。

おそらく読者が今想像しているのは「大荒れの感情」みたいなものかもしれませんが、個人的にはもっと理性的に、もっと実用的に鬱と台風は似ていると思っています。
今回は台風(嵐)がやってくる過程をなぞりながら鬱について考えていきます。

発生から前兆

台風を想像してみてください。

熱帯地域あたりで発生し、勢力を強めながら日本列島に向かっています。
日本列島では台風が近づくことで風向きがくるくるしたり、空の色がおかしくなったり、雲の流れが変だったり、やがては大荒れになることをいたるところで示し始めています。

上で執拗に(嵐)と書き加えたのは「天気予報のなかった時代」を想像してほしかったからです。
今でこそ「台風」とはああいう台風のイメージですけど、天気予報がない時代なんか「嵐」としてひたすら被害をもたらされた存在です。想像すると通過後の大変な被害を想像をしてしまいますが、それはまた別の話です。

ここで注目してほしいのは「(台風は)前兆を見つけることができる」というところです。

地震や噴火のように(最近は予想できるようになってきましたが)突発的に起こる災害ではなく、台風は必ず前兆があります。敏感な人ならたとえ昔でも「これは大嵐がくるぞ……」と予想ができたわけですよ。

ただ一方で「そんなのわからない」という人がいるかもしれません。そういう人は鈍感なんだと個人的に思います。これは悪い意味ではなく、手の離せない別のことをしているとか、そんなちいさな変化に気が付かない状態なっているかとか、ただ「気にかける余裕がない状態」にいるだけだと思ってます。
ふとなにげなく「あれ?」というおかしさ、そういうおかしさに敏感になってください。

加えていうなら、台風の前兆としてよく起こる傾向を知ればいいと思います。

今はネットなり見れば前兆よくあるパターンが載っています。これをたくさん知っておけば「これはあの前兆だな」など先に気がつくことができます。
あとは詳しい人に聞けばいいですね。近頃は専門家がたくさんいるようですから、先生に「これは前兆ですか?」など聞けばいいと思います。

そしてゆくゆくは自分で前兆に気がつけるようになってください。


台風は自然災害だということ

台風は予測可能でも消滅させるのは不可能です。これだけ技術が発達しようが、どれだけ事前の精度が高くても、完全に消滅させるようなことはまだできてません。これはしょうがないことで、受け入れるしかないです。

僕らができるのは精々備蓄をして、家を補強して、その時の外出を控えるぐらいですね。

少し観点を離してみると、台風がやってくるタイミングで「場所を移せば」困難は回避できます。
至極単純かもしれない話ですが、自分の身を守る程度には、前兆に気づくなり場所を移せば何事も問題なく事は済みます。
しかし場所を移すとなればお金がいるし、意志の力だって必要です。そこまで決断力があるかどうかはいささか不安要素です。
もしやるなら別荘みたいな「別の場所」を予めつくっておくといいかもしれません。つまり逃げれる「場」をあらかじめ探しておくということです。

たまに「台風なんて気にしなければいい」「あれは台風ではない、大雨だ」などトンチンカンなことを外から言う人がいます。
そう言う人は実際に台風ができにくい場所に住んでいるかもしれません。あるいは、とても強い家に住んでいるのかもしれませんし、本人が台風ごときに負けない強い人なのかもしれません。
いずれにせよ、相手と立つ場所が違います。向こうは快晴でもこちらは大雨なんてこともあります。
さすがに大雨で快晴と同じ作業量したもんなら、無駄にエネルギー使うし、服は濡れるし、気分悪くなる羽目になりますよ。

あと、「これしてたら台風が来なくなった!」なんて話があります。それは祈りみたいなもんで(祈りが無駄だとは僕は思いません)、どちらにせよ台風は普通に来るものですので、来たときのために家を補強をしていたほうが生産的だと思います。

そして台風がいつ来るか、どれぐらいの規模が来るかなんてものは人それぞれです。ある場所で対処できた台風の対策も、ある場所では全く役に立たないなんてことよくあると思うので十分に気をつけたほうがいいです。


台風がやってきた

話を戻します。さて、前兆通り大きな台風がやってきました。

大荒れです。大荒れで、辺りをめちゃくちゃにしていきます。僕らは部屋の中で震えながら通り過ぎるの待ちます。これからできるのはこれまでの備蓄と補強を信じて台風が行き過ぎるのを待つことだけです。

ここで注目してほしいのは台風から遮断している家(シェルター)があることです。家があるから屋根があるから、なんて話は当たり前すぎかもしれませんが、ときに強固なシェルターを持たない人、あるいは台風が来るのにシェルターを作らないで別の作業をしてしまった人がたまにいます。
そんな人に台風が直撃したら、目も当てられない状態になりますよね。

僕はここにいれば安全だ。と思えるシェルターが必要だと考えています。
そこは確実に安全な場所とは限りません。不完全だし、恐ろしい台風が来たら容易に壊れるかもしれません。でも自分が信頼できる安全なシェルターを「自分が自分自身のために」作るべきだと思っています。
注意しますが、これは台風がやってきてからでは遅いです。晴れた気持ちのよい日にシェルターを用意するべきです。

で、シェルターの中に入りました。幸いにもシェルターが機能しています、不完全ながら暴風から身を守っています。ただそれで安心……とはまだ言えません。当然の話ですが、台風が来たら戸締まりをきちんとしなくてはなりませんよね。
戸締まり……つまり外部との遮断、これがもっとも重要だったりします。たとえ強固なシェルターでも窓が空いていたらそこから雨やら風やら入ってきます。うっかり開けっ放しだと、それなりにの被害が残ることでしょう。(後片付けが大変です)

どうやらシェルターは機能しています、戸締まりも万全にしました。さあ、あとは祈るだけです。どうかシェルターが壊れないよう、どうか早いこと台風通り過ぎるよう、それらを祈って待つしかないです。台風にさらされている以上、ここに人間の力など無に等しいです。ひたすら台風一過を待つだけです。

たまにここで待てずに外に出てしまう人がいます。台風が猛威を振るっているのに「シェルター壊れるかもしれない…」と不安げに窓を開いたり、「いまからもっと強いシェルターをつくる!」と行動に出たり、「大荒れだけど今から場所移動する!」なんて闇雲に出歩く人がたまにいるんです。
本人にとっては大真面目でも、本当に自殺行為だと思います。実際に死ぬことはあまりないかもしれませんけど、普段は死なない「道端でころんだ!」ぐらいの出来事で死ぬことになるかもしれません。それぐらいリスク高いと思いますよ。


台風が居座った場合

台風が過ぎ去って、はいめでたしめでたし。となればいいですが、台風が上陸している場合があります。これはかなり苦しい状況です。ジリ貧でどんどんシェルターが壊れますし、そこに台風がとどまるほど本人の危険度は上がってゆきます。

こうなると、シェルターが壊れる前に避難するしかありません。台風の中移動するのはかなりつらいですが、なんとか勇気を出してもっと安全な場所に移動しましょう。

どうしようもないときは救助隊に頼むしかないですね。幸い今はインターネットがあるから、誰でもいつでもネットに助けを求めることはできます。ただ優しい人ならいいものの、「まだ大丈夫だろ」「それぐらいで救助隊よぶなよ」「自分だって今、台風の中に居る」「俺はもっと酷い台風を耐えた」など無責任な事を言う人がいるので注意してください。

そもそもまともな人なら台風に近づきませんよ。仕事とかそういうのがあって仕方なく居るだけ、という人がほとんどだと思います。「叫んでたら誰か助けてくれる」なんて期待はほとんど外れると思って間違いないです。
ごく稀に、親しい人が大荒れの中やってくることがあります。そして「一緒に逃げよう」など言ってくれるかもしれません。言ってくれるといいですね。

いいたいのはそんなことはめったに起こらないので、誰か助けてくれる受け身ではなく、自分で避難する方向で考えてください。ダメなら迅速にかつ的確に「助けて」と声を上げることも考えてください、ということです。


おわりに

台風と鬱の話をしました。

今回、台風に備えろというタイトルのように、基本は「台風に備えるべき」という主張が一番です。

もし今、晴れ晴れしているなら、シェルターを強化してほしいです。前の台風の影響でぐちゃぐちゃのシェルターなら、耐えたことを讃えて、シェルター内を掃除したり、新しいシェルターを創ったりしてほしいです。

この「シェルター」とはなんだと言われると「物理的な空間」であり「精神的なもの」でもあります。言語化は難しいですが、「ここにいたら安心だ」というほっとする空間、場所、趣味ってのがあるじゃないですか。あれです。あれを「いろんな種類」「いろんな場所」「いろんな準備」と多種多様にストックするということです。

例を挙げると、落ち込んだときにひたすら「聴く曲」、ひたすら欲望のままに「絵を描く行為」、嫌なことを「日記に書いて捨てるライフハック」、ひたすら「寝る」……などそういった対処法を集めた自分だけの空間……つまりそれが「シェルター」というわけです。

上でわかるように、シェルターは人それぞれです。自分のシェルターを探して見つけてください。

加えて前兆も探ってほしいです。日常から「あれ、おかしいな?」という雰囲気に気がつくようになったら、前もって構えることができ、なんとか対処(できない時もあります)できる気がします。
僕の場合は「娯楽が鑑賞できなくなる」とか「部屋が異様に散らかる」とか「落ち着きがなくなる」とかでしょうか、もっとあるかもしれません。

そして耐えるときはシェルターにこもること。窓を締めて、待つことです。
もし恐ろしい台風を感じ取ったら「悪化する前に避難」です。そもそもシェルターで耐えなくてもいいわけですし、大規模な移動だって前兆に気がついた時点でしてもいいと思います。

ゆくゆくこのサイトがシェルターの一つになれば、と僕は願います。

以上です。


追伸:
写真はフリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)より、
大型の台風の後、なぎ倒されたカラーコーンと自転車のフリー素材 https://www.pakutaso.com/20191045294post-23869.htm

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