見出し画像

見通しの更新

最近、良く感じていること。
同じ言葉の幅、レベル感の違いを感じることが多く、
自分が今までどれほど思い込みで言葉を使って来たかを反省する日々です。

2年生で算数E教材学習中。
賢い子ではあることは感じてきましたが、転入生ということもあり、2か月ほど様子を見てきましたが、やはり賢いと思わざるを得ません。
それが、本日、E101を解いたとき、完全に自力で花丸を取りました。
最初、面談させていただいたとき、お母さんはかなりお家でも関わっているということを仰り、ただ、中学受験のこともあり、なるべく早めに進めて行きたい、そして具体的な目標を仰いました。

2年生でE101(分数の引き算)を自力で解いて、全く不安な様子も見せず、花丸を取るという子に今まで私は出会ったことがなく、自分の経験値の低さを感じる一方、その逆の子も多いと思ったとき、この違いは何なのかと、圧倒的なレベルの差、そして、初出(しょしゅつ)が何だとか、事例なくして語っても無意味とも思うのです。

一言で言い現わせる言葉は貴重ですし、公文で言う『初出』だったり、『ちょうどの学習』だったり、『指導』だったり、色々と、言葉が独り歩きして、『指導』にも幅があるのだから、当然『指導者』にもあるのは当たり前で、私は幅の狭い『指導者』ではないのか、そう思わざるを得ません。

そのくらいのインパクトが、こういう子に出会うと起こります。

逆に考えると、私が良く使っている『自立』も、子どもやご家庭にそれぞれ幅があって、同じ自立でも全然考え方が違うのではないかと考えさせられます。

幅があることって、それぞれのイメージが先行し、自分には合わないと思わせてしまうということに繋がってしまうから、その幅を埋めていくのは大切だと思うのです。
幅を埋めることが、オーダーメイド感というか、私たち指導者が担っているのは、それぞれの指導者の中のメジャーをあてはめて、それぞれのメジャーに変換して伝えていくという役割ではないかと。

どの辺?を自分なりに理解するには、より具体的に発言の意味や真意を探らなければ出て来ないもの。

別の子で、急に教室でできるようになった子がいて、面談で話をした際、お家で予習をしてきている、事前にどういう答えを書けばよいのかをお母さんとお話してきている、そういう話が出て来ました。
私は、勝手に、その子が賢くなってきたと勘違いしていたものですから、相当に驚いて、そういうやり方もあるかもねと思いつつ、唖然として、この状況で軌道修正は難しいかも、と諦めるような気持ちになってしまって、

このレベル感の違い、自力でE101を完璧に解き切る子、この子もお母さんは関わっているとおっしゃった、でも、事前に予習してくる子とは圧倒的な差がある、表面的な言葉に捉われてはいけないし、同じような言葉が出て来ても、同じではない、むしろ逆のこともあるんだと。

自分の目で見て、心で感じて、自分のものさしの精度を上げる気持ちで見て行かないと自分の指導能力も上がらないと改めて思ったのです。

極端な例を言うと、モデルがダイエットするというのと、肥満の人がダイエットするというのと、普通のBMIの人がダイエットするというのとは違うし、痩せたくないのに痩せてしまう人もいれば、痩せたいのに痩せられないという人もいて、生活スタイルもさまざま、それを一言ダイエットしたい人と括るのは違う、筋肉質の人もいれば、全く運動しない人もいる、ダイエットしたい人もいれば、したくない人もいる、それぞれが何を求めているのか、分析することができなければ、ただ、怪しいやせ薬を販売している人になりかねない、それが体質に合っているかは別として、ということかなと。

だから、いつも、この親子はどうして教室に通ってくれているんだろう、と考えることが大事だと、塾でトップクラスに入りたいのか、学校で標準以上の成績が取りたいのか、家で勉強を見てあげることが限界なのか、等表面的に出てくる理由はそれぞれ、ただ、それを裏付けるものを見つけて、腑に落ちないのであれば、落とし込めるように動いていかないと、自分の経験値にはつながらない。

『見通しの更新』というのは、自分の判断基準を更新していくことで、この子はここでつまづく、とか、こういう弱さが自分で進んでいくことの邪魔をするだろうとか、そういう判断基準を超えて、私の中の限界を超えてくることで起こる。
根拠のない自信ややる気で起こることでもないし、この子本当はどうなんだろうと疑う気持ちも無いと、観察力が磨かれない。観察力が無いと、偶然育った産物でしかなく、たまたま上手く行った結果でしかない。
そうではなく、こういう時、この子はこう解いたという経験値が見通しの更新をもたらす。

最悪なのは、全く観察しないこと、逆に良く無いのは、ただできていないことを観察していること、その次に良くないのは、目に見えていることしか見ようとしないこと。

ずっとその更新をしていくことが、教室の指導者の役割と思う。

私が面談で根掘り葉掘り聞くことがあったとして、それは、自分なりのメジャーの位置確認だったりするので、怪しまないでいただけたら、より具体的に聞きたいと思うのはそのためです。
一言『学習習慣を付けたい』というニーズが有ったとしても、理由やレベル感はそれぞれ違ったりして、『え、そこ!?』と後で後悔しないために聞いているので、なるべく正直に教えていただけたらありがたいと思います。

東郷より

更には『保護者のニーズ』と『子どものちょうど』が乖離している場合もある、そういう時はどうするかはまた別の機会に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?