たし算の解き方

公文式学習で最大の関門とも言えるたし算について

公文式算数の教材構成、最初は数の並びから入り、足し算(+1、+2、+3、+4・・・)と進みます。

数の並びですが、数の感覚のようなものを体に染み込ませることが大事です。なんとなく、大きな数でも36の3つ先のイメージ位までは持ちたいですし、36と聞いて、37、38、39と続く3つの数字が出る位になってほしい。36の次は?と言われて、31から数える子、極端に言うと1から数える子もいます。
こういう状態では、まだ数の理解が整っていないのかもと考えます。

大きな数が苦手な子が多いです。
原因は電子マネー等、小銭を使う、小銭の計算をする機会が減っていることも影響しています。100は大したことない、100円だよね、10円が10枚で100円というのを生活で感じている子が少なくなっています。100というのがとてつもなく、大きな数のイメージになっている。
そのあたりも意識して家庭で生活の中で教えておいていただけたらなと思います。

たし算は+1から始めます。+1は次の数です、+2は次の次の数です。

36の次と言われて、35から言う子もいます、35と言わないと、36が出てこない子は、+2、+3となると混乱が始まることが多いです。

+2までは数え足し(カウント)をして解く子が多いです、+3までもそういう子もいますが、+4からは、前の+3の次だよという導入をします。
要は前の+〇ができて、次の+〇を解くということになります。

導入は何のためにあるか?導入は、自分で考えるヒントになる、というだけのことです、教材卒業のゴールとは異なります。(そこが、保護者の理解をしにくくしてしまっていると私は思っていますが)

導入として、最初は指を使ってもいいんです。でも、教材のゴールのイメージは、『数えずできるようにする』、ということです。

最初から指で全部数えられる!とすると、多分、覚えるほうには行きにくい。なので、何度教室で見かけても、一向に毎回指を見ているな、というお子さんには、『指を使いません』『頭を使います』というような声掛けをします。

なお、公文には標準完成時間というものがあります。1枚のプリントを直しも含めて、この時間で終わらせれることができれば、次の教材に進めたほうがいい、というもので、『できる』というのを数値化したものです。この判断で、少し超えただけで、やみくもに復習させてしまう指導者もいます。
でも、この標準完成時間というのは、子ども自身の能力を超えて進ませすぎることをセーブするために作られたもの。

教材ゴールイメージをどう持つか、というのは、一言で『数えずできるようにする』と言われても、指導者の経験やスキルで変わってしまいます。

たし算の同じプリントばかりいつも解いていると、子どもがつまらない、考えようとしない状態になってしまいます。そうらないように、ということを念頭に置きながら、『数えずできるようにする』ことを実現するには、相当レベルが高いことです。

家庭でも、できる限り、たし算がパッと出る状態というのを、プリント以外の方法で、例えば、たし算クイズ等、自転車やお風呂などで楽しく取り組むことで、覚えていければ、たし算教材もスムーズにいくように思っています。

ちなみに、2A終了までにたし算をすべて「覚えなくてもいい」と私は考えています。完璧に覚えられないこともあります、教材にヒントが多すぎて、考えれば分かる子も出てきます。

そのため、完璧に覚えていなくてもAに入れて、Aの前半で足し算がランダムになって、ヒントが少な目になった状態で、一気に畳みかけ、覚える方向に連れて行きます。

最終的には、たし算の2つの数の組み合わせで答えがパッと出るように、覚えてほしいんです。たし算が覚えられていないと、ひき算はかなり困難です。14-6を14からカウントダウンするとか、学校で習うように、10-6をして、答えの4に4を足すなどの複雑な計算をするようになると・・・引き算はずっと苦手、その影響は割り算にも続きます。分数も割り算ですから、分数も苦手になる。
だからたし算ができないとその先の計算問題はずっと苦労するんです。

学校では1年生でさくらんぼ算を習います。
分からないときにヒントとして使うのはまだしも、覚えなくてもできると思ってしまうと、子どもはすべての計算をさくらんぼでやるようになります。

9+5をするとき、5を1と4に分解して、9に1たして10、だから残った4と併せて14!!という、相当まどろっこしい計算です。9+5=14を覚えればいい話です。
さくらんぼ算は、こういう考え方があるよ、というだけでいいんです。
惑わされないようにしてください。

大体、さくらんぼ算でたし算を解いてきた子どもは、Aの最後の方のひき算で苦戦します。そこでたし算が全然覚えられていない!ことに気づいて、また仕方なく、たし算に戻らないといけなくなったりすることもあります・・・子どもの頭の使い方が全部見えればいいのですが、全部は見えないので、もう、シンプルにたし算は「覚える!」ということを意識して声掛けしています。

小学生になると、こういう色々な計算方法を教えてもらうので、たし算は余計なことを教えてもらう幼児のうちに、スラスラとできるという状態を作るのが、やっぱり効果的と言えますね。

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