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災害の多様性 Diversity of disasters  「災害の発生時間」2

トルコで大きな地震が発生しました。米地質調査所(USGS)によると、地震が起きたのは現地時間6日午前4時17分(日本時間6日午前10時17分)。地震の規模を示すマグニチュードは7・8で、震源はトルコ南部ガジアンテップの西約34キロ、深さは約18キロでした。

トルコと隣国のシリアの死者は7800人を超えると言われます(2月8日現在)。

NHK NEWS Webは、筑波大学八木勇治教授の話を載せています。

筑波大学の八木勇治教授は今回の大地震について断層の動きを解析しました。

それによりますと、日本時間の6日午前10時すぎに起きたマグニチュード7.8の大地震は東アナトリア断層帯で岩盤の破壊が始まって、1分ほどかけて北東の方向へ広がり、地下の岩盤が長さおよそ50キロ、およそ10メートルにわたってずれ動いたとみられるということです。

また、およそ9時間後の午後7時半ごろに起きたマグニチュード7.5の地震では最初の大地震の震源から100キロほど北に離れた東西に走る断層が、長さ40キロほどおよそ10メートルにわたりずれ動いたとみられることが分かりました。

2つの断層はおよそ30度でアルファベットの「V」字を横に倒したように交わっていて、八木教授はこうした並びの断層帯で短期間に規模の大きな地震が相次ぐことは珍しいと指摘しています。

八木教授は「断層の延長線上で別の地震が起こることはよくあるが、鋭角に交わった断層で短い間に地震が続くのは極めてまれだ。トルコ南東部は断層が複雑に並んでいて、一回の地震でエネルギーをすべて解放しきれていない可能性があり、今後の活動に注意が必要だ」と話しています。

NHK NEWSWebより

以下に転載しますが、トルコ(大半がアナトリア半島)は、ユーラシアプレート、アフリカプレート、アラビアプレートの境界部に位置していて、地震活動が活発な地域なのだそうです。我が国と同じような環境ですね。

地震活動が活発にも関わらず、建造物の耐震性というのは考えられていないようです。ニュース映像で観ると、いとも簡単に倒壊しています。倒壊したガレキの山を見ると、コンクリートの支柱の鉄骨が細いように見えます。

以前から建造物の耐震性の脆弱性を指摘され、日本も支援を行なっていたようですが、現状はどうなのでしょう?

トルコ共和国(以下、「トルコ」)の国土の大部分を占めるアナトリア半島は、北側のユー ラシアプレート、南側のアフリカプレートおよびアラビアプレートの境界部に位置しており、 地震活動が非常に活発な地域である。トルコ政府は公共施設や重要なインフラ等の耐震化に 向けた取り組みを開始している。 トルコと日本が同じ地震国であることを踏まえ、国際協力機構(JICA)はこれまでトルコに 対して技術協力や円借款を通じて防災分野に対する幅広い支援を行ってきた。また、2018 年 9 月の日・トルコ首脳会談においても、防災分野にかかる協力を進めていくことが確認されて いる。 本調査の先行調査として、JICA は「防災都市計画に係る情報収集・確認調査(以下「前回調 査」という。)」を 2013 年 9 月から 2014 年 5 月にかけて実施している。この調査では、ト ルコにおけるレジリエントな街づくりのコンセプトが提案されており、災害時医療の拠点と なる病院や避難拠点となる学校といった公共施設において、耐震性を十分に確保する必要が あると結論づけている。

トルコ国 国民教育省PDF

今回の地震は、午前4時17分という早朝に発生しました。大半の人は就寝時です。

思い出すのは阪神淡路大震災の発生時間、午前5時46分でした。震源となった断層沿いに被害が集中して、被災地域は狭かったものの、冬の早朝に発生し、大半の被災者が就寝中だったために、主に建造物の圧死で6千人を超える死者を出しました。

今回のトルコ地震も同様です。倒壊した建物は6200棟を超える(2月7日現在)ということですから、当然、圧死による死者が多いのだと思います。トルコの隣国であるシリアでも多くの建物が倒壊しているようです。前述したように耐震性を考えていない結果です。

以前もお伝えしたように、災害の発生時間によって、被害の度合いが異なります。恐ろしいのは就寝時の災害です。気づいたらガレキの下敷きになっていた…。そんな状況に陥ってしまうのです。

就寝時に地震災害が発生しても被害を少なくするにはどうするか?

まず、古い集合住宅は避け、近隣の影響を受けやすい住宅密集地を避け、堅牢な平屋で、重量のあるガレキの下敷きにならぬように天井裏を作らず…などというのはあくまでも理想です。

お金持ちであれば、理想の新築住宅を建てられますが、僕のような貧乏人は安い賃貸住宅に住むしかないのですから、自分の運にまかせるしかありません。

ただし、できるだけ地震災害の少ない地域に住むというのもひとつの手かもしれません。利便性だけを重視するという理由だけで首都圏に住むのだけは避けた方がよろしいかと思います。

「わがまちハザードマップ」というのがあります。

これを見ると、各自治体の防災・減災に対する取り組み姿勢がわかります。とりあえずは、しっかりした自治体の町に住むというのもアリだと思います。

「就寝時にも災害が発生する」という意識だけは常に持たれていた方がよろしいと思います。

今後、高確率で発生するであろう地震に関しては、内閣府のサイトを参照してください。


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