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湯島の夜「キングクリムゾンThe Erements of King Crimson 2020Tour Box」

たくさんあるCD音源をUSBメモリーに入れちまおうという計画があって、お金もないのに柏までレコード&CDプレイヤーの安いのがあるか確認しに出かけた。レコードは、これまた沢山あって、かみさんのLPまで含めると300枚はあると思う。だから、狭い部屋でもアナログ聴けたり、音源をメモリーに格納できたりが可能な、安くて一体型の子どもの玩具のようなモノが欲しかったのだが、貧乏人には買えない値段だった。

安いモノなんかないのだ。やはり、お金もないのに、いたずらにコロナ禍の喧噪の街に出かけてはいかんのだ。

歩き回っていると「あ」と思いだした。ディスクユニオンだ。行ってみようってなわけでトボトボと歩いて町外れにある我が聖地ディスクユニオンに行ってみた。近くにあるのに久しぶりだ。5年ぶりになるだろうか?

出版社にいた頃には、会社近くのお茶の水や神保町やお客さんの会社がある新宿や帰宅の際に足をのばして津田沼のディスクユニオンに、毎日のように通っていた。それより以前は、アナログ時代には西新宿、下北沢、渋谷、高田馬場に池袋などに通ったものだ。聴いていたのは、プログレッシブロック、ニューウェーブ、パンク、インダストリアルノイズなどで、もう精神に異常をきたしているような音楽というか音が好きだった。あ、今でも好きだ。

んで、今日はキングクリムゾンの“いつものやつ”ライブ音源シリーズの「ザ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン」を発見してポンと買ってしまった。下手すりゃ安価なCDラジカセが買える値段だが、「あ、あった」ってな感じでレジに持って行ってしまった。

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CD2枚組で1枚目には「風に語りて」「ポセイドンのめざめ」「スターレス」などのライブ音源が入っている。「風に語りて」は、ジュディ・ダイブル(2020年7月12日没)版が好きだ。ダイブルは、フェアポート・コンヴェンション、トレイダー・ホーンの創設メンバーで、英国トラディショナル・フォークの先駆的存在だ。残念ながら昨年に鬼籍に入られた。亡くなるまでの数年間、肺がんで苦しんでいたようだ。

2枚目には新旧音源が入っている。「21世紀のスキッツォィド・マン(精神○○者)」(1972年2月)「ザ・シェルタリング・スカイ」(2019年、1981年)などが入っている。やはり「21世紀のスキッツォイド・マン」の会場がぶっ壊れそうな轟音加減がいい。

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大昔、キングクリムゾンの「アタッシュケース入り海賊盤(確か4枚組?)を買ったことがある。こんな珍品は、今ではプレミアが付いて数万円になっているだろう。残念ながら貧乏時代に手放してしまった。とにかく、プログレッシブロックには変な収納や変なおまけ付きという珍品が多かった。

今回のものは海賊盤ではなく正規盤で「布マスク」が付いている。これはアベノマスクより100億倍も有意義で価値もある。ちなみに中国製ではなく「日本製」であるそうだ。

ライナーノーツには「現在のコロナ禍において友人や近親者を亡くされたすべての方へ、キングクリムゾンを代表してお悔やみ申し上げる。キングクリムゾンとザッパバンドが2020年にアメリカとカナダで予定していたジョイントツアーが延期となったことは誠に遺憾ながら、貴重な命が失われることに比べれば、何ということはない。我々としては2020年に行なうはずだった日程と場所を2021年にほぼそのまま移行させる予定でいる。そこでお会いできるだろうか? そのときまで、どうか気をつけて」と書いてある。

さらに2020年3月24日に亡くなったビル・リーフリンへの弔辞も掲載されている。ビルはインダストリアル・メタル・ドラマーで、2013年にキングクリムゾンに加入するが、脱退・加入と紆余曲折の末に妻に先立たれ、ビルもまた癌によって亡くなったようだ。

2020年に亡くなったジュディ・ダイブルとビル・リーフリン両氏のご冥福をお祈りする。


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