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「妄想邪馬台国」3

「多分、もう少しで終わるから我慢しなよ」治子が笑った。
「稗田は短気なんだよ」異能が僕の肩を叩きながら治子を見て笑った。
「じゃあ、もう少し我慢するから話を続けてよ」僕はふてくされてコタツの上に頬杖を突いた。
「どこまでいったっけ?」
「天岩戸よ。タヂカラオがアマテラスを引っ張り出すところ」
「そうだった」

岩屋の外の騒ぎが気になったアマテラスは天岩戸を開けて身を乗り出した。それを見て、タヂカラオがアマテラスの手を掴んで外に引っ張り出すと、世の中は明るさを取り戻した。

八百万の神々はスサノオの処分を話し合った。スサノオから贖罪としての品物を奪い、穢れを清めてから高天原から追放した。

高天原を追われたスサノオは、出雲国(島根県)の肥川(斐伊川)の川上にある鳥髪に来た。ここで有名な「八岐大蛇退治」の話になる。八岐大蛇を退治したスサノオは、八岐大蛇の尾から草那芸剣(くさなぎのつるぎ)を見つけた。それを天照大神に献上した。

それからスサノオは櫛名田比売(くしなだひめ)と結ばれ出雲の須賀(島根県大原郡大東町須賀)に宮を作ることにした。子は孫を産み、代を重ねて生まれたのが六世の孫、大国主神(おおくにぬしのかみ)だ。またの名を大穴牟遅神(おおなむぢのかみ)、葦原色許男神(あしはらしごをのかみ)、八千矛の神(やちほこのかみ)、宇都志国玉神(うつしくにのたまのかみ)と、五つの名を持っている。

大国主神の兄弟には八十神(やそがみ:たくさんの神)がいたが、みな、稲葉(出雲の因幡)に住む八上比売(やがみひめ)に求婚しようとしていたが、ヤガミヒメは「私はオオクニヌシに嫁ぎます」と言うと、八十神たちは怒り狂い、人の良いオオクニヌシを誘い込んで焼き殺してしまう。オオクニヌシの母は高天原に行き、神産巣日神(かみむすびのかみ)に願うと、オオクニヌシを生き返らせてやった。

それを知った八十神たちはまたもやオオクニヌシを山で殺してしまう。そしてまたオオクニヌシの母はまた高天原に行ってオオクニヌシを生き返らせた。

母は「お前がここにいる限り、兄弟たちに殺されてしまう」と心配して木国(きのくに:和歌山県)の大家毘古神(おおやびこのかみ)の元に逃がすが、それに気づいた八十神たちは木国まで追って来て、「オオクニヌシを引き渡せ」とオオヤビコを脅したが、オオヤビコはオオクニヌシを「スサノオノミコトの元(根の堅州国:ねのかたすくに)に逃げなさい」と言って、こっそりと逃がした。

オオクニヌシがようやくスサノオの元に着くと、スサノオは、オオクニヌシを歓待するふりをして殺そうとした。それを救ったのがスサノオの娘、須勢理毘売(すせりびめ)だった。オオクニヌシとスセリビメは、スサノオの生太刀(いくたち)と生弓矢(いくゆみや)と天詔琴(あまののりごと)を持って、スサノオから逃げたが、スサノオは黄泉比良坂(よもつひらさか)まで追ってきて「その太刀と弓矢で兄弟たちを追い詰めて追い払い、スセリビメと結婚して出雲の国の宇迦の山(出雲大社の東北にある御崎山)の麓に太い柱を立てて高天原に届くほどの宮を作って住め」と叫んだ。オオクニヌシはスサノオに言われたことをすべて成し遂げて国づくりを始めた。

オオクニヌシはヤガミヒメと結婚したが、正妻のスセリビメを恐れて因幡に戻ってしまった。

つづく








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