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湯島の夜「ブータン 山の教室」

また、良い映画を観た。“世界一幸せの国”と呼ばれるブータンの映画「ブータン 山の教室」(2019年制作)である。標高4800メートルの高地にある村の話だが、村の周囲には村よりも高い山々が連なっており、壮大な自然が舞台の美しい映像を観ていると、自分の汚い心が清浄な空気に洗い流される…ことはない(笑)。哀しいことに僕の心の汚さは既に心の中にしっかりと定着しちゃっているからだ。

最近紹介した台湾映画「1秒先の彼女」とはまた違った感動がある。仏教の教え、教訓が背景にはあるが、決してカルト宗教のような押しつけではないから安心だ。

富士山よりも高い…標高4800メートルのブータンの北側にある小さな村ルナナ。人口は僅か56人という小さな集落だ。

現代のブータン(君主制の国。君主制とは、ある政治共同体において世襲の君主が主権を持つ政治形態)。
教師のウゲン(シェラップ・ドルジ)は、歌手になってオーストラリアに行くことを夢見ている。ある日、上司から呼び出され、ルナナの学校に赴任するよう命じられる。
1週間以上かけて、ブツブツ文句を言いながら険しい山道を登って、ようやくルナナ村に到着すると、村の手前まで村民たちが出迎えて歓迎される。
しかし、電気も通じていない村で、現代的な暮らしから完全に切り離されたことを痛感して、村長に「残念ながら教師を務めることはできない」と言う。
学校には、黒板もないし、生徒たちは勉強するためのノートも持っていない。ウゲンが生徒たちに勉強して将来何になりたいかを問うと、子どものひとりは、「先生は未来に触れることができるから、将来は先生になることが夢」と口にする。
すぐにでもルナナを離れ、何不自由のない街の生活に戻りたいと考えていたウゲンだったが、純朴な子どもたちと話し、荘厳な自然を前に「ヤクに捧げる歌」を歌う村の美少女セデュ(ケルドン・ハモ・グルン)と出会い(精神的恋愛のような感情になっている?)、村で生活するうちにウゲンは村の生活に愛着を感じ始め、精神的に成長していくのだったが、雪に閉ざされる冬期がやって来る前に村を出て街に戻ることを決める。

以上、「ブータン山の教室」サイトを参照。

村に愛着を感じ、村娘にも恋愛感情を持った?主人公が、やっぱり村を出て行て自分の夢を追うことになるという結末に違和感を感じる。それが何らかの意味を持つ表現だとしてもね。
僕個人としては、ウゲンは村で教師となり、村娘と結婚して村で音楽活動を行なう…という結末を期待していたのだけれどね。

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